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とどかずとらず  作者: 飛鳥恵佳


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4/12

静か

 おじさんの家に来た。

 慣れないドアノブに鍵を差し込み、慣れた手つきでドアノブをまわす。

「おじゃましまぁす」

 いつもよりは小さい声で言った。普段ならおじさんがいるからもう少し大きい声で言うけど、今は家にいないことがわかっているので小声で言ってみた。

 普段もとくに声が返ってくるわけでは無いけど、いないとわかっているとなんとなく寂しいのだと実感できた。

 いつも通りおじさんの書斎にあるソファに鞄を放り投げ体も預ける。

 足を延ばして天井を見る。いつものクリックの音やキーボードをたたく音、飲み物を取りに行く足音、煙草の匂い、一人の影。なんとなくこの部屋に来て当たり前にあったものがないと強烈な違和感に襲われる。

 なんとなくできていた場所が居心地のよかった場所が場所に来ていたのではないのかもしれないと私に言ってくる。

「あぁー、自由だぁ」

 私はソファを立ち冷蔵庫のある部屋に行き飲み物を物色する。

 お茶のペットボトルがあったのでそれを私のマグカップに注いで一気に飲み干す。

 飲んだマグカップを洗剤を使って洗って、水切りできる場所において私は家を出た。ついでに合鍵をドアポストに投げた。

 あと2日は退屈になる。

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