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とどかずとらず  作者: 飛鳥恵佳


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2/12

メッセージなし

 とりあえずおじさんに渡された本を読んでみようと思ったと思う。当時暇だと感じることが多かったし。

 内容は確か本当に変哲のない異世界転生ものだった気がする。面白いか面白くないかで言えば普通だった。特別メッセージ性のある作品には当時の私には思わなかったし、今も別にそういう作品だとも思わない。なぜあの時おじさんがあの作品を渡してきたのかもう分からない。

 ただ、趣味を共有したかったのか、それとも何かを伝えたかったのかその一冊だけでは私は掴むことが出来ない。



「読み終わったのか?」

「うんー」

 最近私はおじさんの家に行くと本を読んでいた。けど私が本を読まずにスマホを触っていたので聞いてきた。なんとなく珍しいと感じた。

「どうだった?」

「なんかよく分からないけど、異世界ものだなって感じた」

「そうか……。まぁそんな作品だ」

「んー、こういう時ってほら、、なんかメッセージある系のもの渡してくるんじゃないの?」

「別にそういう決まりはないし、それにその作品にメッセージが込められてないと決めつけられるほど君はその作品を理解できたか?」

「そういわれるとどうしようもないけど」

 おじさんはいつもこうだ。何かを伝えるときにあまり表現を直接口にはしない。

 いや、なんか確信めいたことはたまに言ってくる。確信めいたことなのかな?まぁ要するに気まぐれ。伝えたいことは口で伝えるし、伝えたいことでもおそらく喉に引っかかるのか何かセーフティーが働くのか分からないけど、何かを伝えるときは遠回しにする。気まぐれだ。

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