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とどかずとらず  作者: 飛鳥恵佳


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13/13

準備

 クラスメイトに誘われて、とりあえず『いつ?』と返信した。

 その後『こっちが合わせるよ』とすぐ返信が来た。別に忙しい日は文化祭の準備のために学校に行く日以外は暇ではあるが、それでもおじさんの家に行ったり、学校の宿題をしたり、まぁいろいろとやることはあるんだ。うん、やることはいっぱいある。別にクラスメイトに暇なんだと思われたくないとかではない、そう決して。

「バイトでも始めようかな……」

 結局クラスメイトに返事ができていない。何か前進しそうで気持ちが重い……。

「行かなきゃか……」

 今日は文化祭の準備のために学校に行かなければならない日だ。

 こういうことが好きな人は楽しいのだろうけど私にとっては普通に学校に行くよりも憂鬱だ。

 コミュニケーションをとらなければいけないからだ。

 自分は何をすればいいのか、それを聞かなければならない。仕事が終わればそれをさらにやらなければいけない。それがとても苦痛だ。

 決して学校に行くのが嫌とか、仕事がするのが嫌とかではない、決して。

 唸ることができないほどの暑さの中歩いて高校に行く。

 はぁ、嫌だなぁ。

 学校に着き自分のクラスの教室に行く。

 深呼吸をしてドアの前に立ち開ける準備をする。

 ようやくの思い出扉を開けると自クラスには生徒が一人しかいなかった。

 その生徒は私の事を遊びに誘った文化祭実行委員会のクラスメイトだった。

「おぉー、きたぁ。始めよっか」

 私に何を説明もせずに淡々とやってほしいことを説明して、黙々と二人で仕事をしていた。

 気まずい、怖い、そういう感情はドアを開けた時が一番高く、二人で作業をしているときはとても、そう、心地よかった……。

 あぁ、この人もそうなのかな……。



「ありがとー」

 結局なんで彼女が私と二人で作業をしたのか、私となぜ遊びに行きたいといったのか、それを説明はしてくれなかった。

 けど、それがすごく、良かった……。

「こちらこそありがとう……」

 私は頭を下げた。

「それと、返事なんだけど……」

「うん」

「もう少し待ってほしい……」

「分かった」

 ようやく言えた。

 すごく緊張した……。

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