9.こいつが魔王
カテゴリに『魔王』って入ってたから、いつ魔王来んのかって楽しみにしてたけど。
…はぁ、お前が魔王だったのか。
確かに魔王っぽいけどな、自己チューな辺りとか。
…って、魔王!?
「…お前、人間と仲良くする気はないの?」
何で俺がこいつを説得しなけりゃならないんだ。
そんな事思いつつ説得する俺はアホなのか?
「何故あんな奴らと慣れ合わなくてはならない」
「平和のために」
ここで「俺のために」とか言ったら…仲良くしてくれんのか。
(そりゃないだろうな。)
「…別にいいけど」
「は!?」
…こいつ、本気か?
(いや俺が本気じゃないから、そんな事言うつもりはないんだけど。)
「でも俺、そんな事言うつもりないし」
「なら人間を絶滅させるだけだ」
「絶滅!?」
フとディオは楽しそうに笑った。
「幸いこちらの方が数は上だ」
「数だけで勝てると思うなよ!」
「人間ごときが魔物に、魔王に勝てると思うか」
「!!!!」
俺は、ディオの突き刺すような冷たい視線に圧倒される。
「…魔王が全てを圧倒しないでどうする?」
「…っ」
このままここにいたら、ディオの気に圧し潰されそうな気がした。
これが、『魔王』?
「…大丈夫か」
「大丈夫な、わけな…いだろ…っ」
それが『恐怖』なのかもしれない。
でも、ディオは楽しそうに笑っていた。
「今のは軽く気を放っただけだ」
「今ので軽くかよ…」
こいつの傍にいたら俺死ぬ。
「人間とは軟弱なものだ…だから嫌なんだ」
俺の思いを読んだかのように、ディオは言った。
人間バカにしやがって。
「じゃあ何で俺を連れてきたんだよ!?俺だって人間だぞ!!」
ディオの目は、冷めていた。
「お前が好きだからだ」
次回は番外編のつもりです。




