↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「かりそめの花嫁になれ」と冷遇されましたが、むしろウェルカム!~問題ありません、私は魔法の研究と実験さえできればそれで!~  作者: YoShiKa


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
18/30

18.不穏な招待状

 アレンが定期的に訪問する――それは私だけではなく、離宮について来させられた侍従たちをもざわつかせた。

 身体の弱い王子妃を離宮に追い遣り冷遇している王子が、急に訪ねてくるようになった――と。

 傍から見れば意味が分からないことこの上ない。

 事情を知っている私ですら意味が分からない。


 そして、もっと意味が分からないことが起きてしまった。

 私のもとに、とある招待状が届いたのだ。

 それはまさしく、離宮ライフを脅かす第二の刺客でしかない。


「王宮の庭園でお茶会しませんか、ってことね」


 丁寧にしたためられた文章はたくさんの言葉で飾られていたが、そうするにそういうことだった。

 差出人の名前には覚えがない。侍女に聞いてみると、それは第一王子派閥の公爵令嬢とのこと。

 第一王子ということは、アレンの兄だ。

 それがわざわざどうして、第二王子の妻であるレティを招待したのか。


「出席しないといけない……?」

「ご気分やお身体が優れないようでしたら、その旨でお返事いただければと思いますが……」


 髪を梳かしてくれている侍女が首を傾げた。

 ああ、出た方が良いのだろう。それはそうだろうけど、究極に面倒くさい。

 ただでさえアレンが訪問するせいで自由な時間が削られているというのに。

 表向きは交流会とはいえ、平民上がり(ということになっている)レティを値踏みする気満々なはずだもの。

 そんな女達が犇き合っているような戦場に突撃したくはない。


 でも、ちょっと興味はある。

 第一王子派閥のご令嬢がどんな意図で招待してきたのかも気になる。

 アレンが隣国の件をごく一部にしか伝えていないと言っていたけれど、王宮内の状況も少し気になる。


 (……完全に興味本位だけど)


 私は鏡越しに侍女を見た。


「……出席します。そう伝えていただけますか」

「はい。かしこまりました」


 面倒臭いけど、好奇心が勝った。

 一度くらい出席しておいても良い、はず。


「レティ様」

 

 侍女が少し心配そうにしながら言った。


「ご招待くださった方を含め、ご出席される皆さまのお名前とお顔を知っておく方が良いかと思われます」

「……そう、よね」

「はい。一度確認の上、お伝えさせていただく形でよろしいでしょうか?」

「……お願いします」


 確かに何も知らないままだと、厄介なことになりそうな気配はしている。

 ああ、面倒ごとが増えてしまった。

 私のげんなりとした顔をどう勘違いしたのか、侍女は更に心配そうに言った。


「もしお身体に障るようでしたら欠席をお伝えいたしますので、当日でもお申し付けください」

「ええ……大丈夫です。でも、そのときはお願いします」


 そう、私はカラダが弱くて第二王子に冷遇されている地味な娘。

 アレンが離宮に通うのなら、少しくらい王族としての務めを果たす必要もある、はず。

 それは分かっているけれど、急速に気が乗らなくなってきた。


 でも、仕方ない。

 好奇心は確かにあったから。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。