5話 有能な司令
「あーぁ....いやねぇ」
本部・公安4課
「あぁーいやねぇ」
次の日
「あぁ、やだなぁー」
その次の日
「あー、いやだ」
そのまた次の日
「はぁぁぁぁぁぁ....もー!」
「おいもう4日目だぞ」
「末期か、シラユキさん。」
「夏芽さん、早く帰ってきてー!」
「何がそんなに嫌なのだろう」
「あの人があんな風になるなんて...」
そのまた次の日
「.....」
ゴツンと大きな音を立てて、注目を浴びるシラユキは、机に頭を打ち付けて、気絶したかのように動かない。
「あの、シラユキ...さん?準司令が及びで」
「ちっ」
「ち??!」
「うるせぇ.....って言っておきなさい。」
「え?いやそれはー....」
次の日
「アサカ・夏芽ただいま戻りました!!!...あれ?シラユキさんは?」
「シラユキさんは、いま司令に呼び出されてて
「...なんの用でしょうか」
「シラユキくん。うるせぇ黙っておけとはどういう意味かな」
「そのまんまの意味です。言葉の意味も分からないおじいちゃんになりましたか?」
「「......」」
その場にいた秘書は、失礼します。と言ってその部屋を出ていった。
「あのねぇシラユキくん。君分かってる?いまや入ってきたばかりの頃の君を知るのは異能者公安委員で1部の人間だけなんだ。まぁ、今までボロが出なかったことを考えれば頑張ってきたかもしれない。でも今は頑張りどきだよ、シラユキくん」
「お言葉ですが司令、司令になったからと言って、私の中ではまだ部下に缶コーヒーも買えない貧乏人真っ只中ですので。」
「それは昔のことだろう!!」
「「.....」」
公安 司令 カンジ・秀介
司令はコホンと言って仕切り直した。
「とにかく、今受け持っている仕事を早急に迅速にこなすんだ分かったかい?シラユキくん」
「......はぁ、何もあの事件のことを当事者にやらせなくてもいいじゃないですか...そもそもなんで今更...」
「君が当事者だからといって、あの事件の根本は分からないのだろう?アラキ・宰とは、会ってないのか?」
「.....」
「はぁ、早くこの冬も終わって欲しいものだねぇ」
沈黙が続く司令室
「.......」
「あの、有能司令らしくしなくていいので、本題を言ってくれませんかね」
「有能司令.......その発言は無かったことにして置いてあげよう。」
「いや別に」
「本題はこれだ!」
司令はタブレットをシラユキに渡す
「....これは」
「それは昨日のマフィア支部前の映像だ。見て分かる通り」
「襲撃ですね。」
言葉を遮るシラユキに腑に落ちない司令
「...あぁ、この間もそうだが公安委員の南署に続いて、マフィアの支部までもが襲撃されている。つまり」
「今後、本部が襲撃される。もしくは、大きな事件が起こる、起こすという脅迫...ということ」
「なんでそんなに被せてくんのさ」
「面倒...厄介なことになりましたね....考えたくありませんが、3大組織のうちの2つに喧嘩を売られたということは。」
「はぁぁぁ」
シラユキは大きなため息をついた。
「ここからは君次第だ。君の過去の人脈を使うか、正式に行くかだな。その場合、君の大事な部下たちは君の過去を知ることになるだろうが。そして君が....」
「分かっています。別に隠してるつもりはありません。言う必要もないから言っていないだけです」
シラユキは手に持っていたタブレットを司令のデスクに置く。
「一応確認だが....君にとって、夏芽くんはなんだい?」
「...さぁ、何なんでしょうね。アレは」




