最終話 祝の巻
春花の呪いが解かれ東野郡を支配しようとしていた悪魔の大蛇ジャジャーンを見事に倒した東野連合軍。
激しい戦いに勝利したことで再び平和を取り戻した東野郡は、4つそれぞれの村が歓喜に沸いた。
そして里見村にある『ウラオモテヤマネコ公園』の会場では、盛大なセレモニーが開催された。
セレモニー会場の中央にある祭壇の最上段には、白装束を着た猫上様が悠々と椅子に座っている。機嫌の良い猫上様はメンテナンスしたばかりの長いヒゲをゆっくりと撫でながら、華やかなセレモニーの雰囲気を味わっていた。
そして猫上様が座っている椅子の下の段には、まるでどこかの女王様かお姫様のような真っ白で美しいドレスを着た伏夜と春花が凛と立っていた。
セレモニー会場の広場には、大蛇ジャジャーンを倒した八ニャン士・八ポン士・八チョウ士・八ケロ士の32人の剣士たちが真っ直ぐに整列している。そして広場の周りにある客席には、東野郡に住んでいるたくさんの村民が剣士たちを祝福する為に集まっていた。
トランペットによるセレモニーのオープニングファンファーレが鳴り響き、勝利の行進曲が流れる。
整列している東野連合軍の各リーダーであるニャン太郎・ユズポン・イーグ・ケロイチが数歩前に出て、横1列になりながら行進曲にあわせて歩き始めた。東野郡の村民は歓声を上げながら盛大に拍手し、勇敢に歩くリーダーの4人たちを温かく迎えてた。
各リーダー4人が階段の下に並ぶと、白いドレスを着た伏夜と春花が1人1人にメダルをかけながら握手していく。
そして4人はお辞儀をした後にメダルを高く上げると、東野郡の村民から盛大な拍手と喝采が飛んだ。
ニャン太郎は一歩前に出て赤く光る八ニャン剣をシュンと高く掲げると、広場にいる群衆の前で堂々と叫んだ。
「正義は東野郡だぁ!」
東野郡の村民はお互い抱き合いながら、大戦争の勝利を喜んだ。それは東野郡にある4つの村が、改めて1つになったという瞬間でもあった。
そして上からは紙吹雪が舞い落ちて、遠くの空には大きな花火が上がった。
最後にニャン太郎・ユズポン・イーグ・ケロイチがお互い仲良く肩を組みながら大きく笑うと、盛大なセレモニーの幕が降りた。
『東野郡大戦争 TONO WARS』 終
主演
伏夜 ・ 春花
八ニャン士
八ポン士
八チョウ士
八ケロ士
ジャジャーン
猫上様
スペシャルサンクス
大猫神様
似星連太郎
監督
譲二・ニャーカス
ーーーーー
里見村にある映画館で上映が終わり、ブザーと共に館内の照明が明るくなった。
『東野郡大戦争』の映画を見ていた伏夜と春花と32人の剣士たちは、目を点にしながら呆然としていた。
「え? 何この映画? 春ちゃん、酷くない?」
「B級映画だね、伏ちゃん。 私恥ずかしくて、大和田村を歩けないよ」
「ニャンだ、これ?」
すると映画館の壇上に監督と司会者が現れ、上映会の挨拶が始まった。
「ええ、ご来場の皆さま。 これから『東野大戦争』を作った譲二・ニャーカス監督によるご挨拶がございます!」
手を振りながらマイクを持つニャーカス。
「皆サーン! 私ハ ジョージニャーカス デース! コノ 映画ハ 東野郡ノ PR ノタメニ 作リマシタ!」
伏夜 空いた口が塞がらない
「東野郡のPR? それ何の為よ?」
「イマ 日本ノ村ハ 過疎化ガ 進ンデイマス。 ソレヲ 防グタメニ コノ スバラシイ映画ヲ 私ハ 作リマシタ!」
春花 同じく空いた口が塞がらない
「過疎化問題の映画なの? 何か逆効果じゃね?」
「私ハ 東野郡ノ 平和ト発展ヲ 心カラ 願ッテイマース!」
「ありがとうございます! 譲二・ニャーカス監督からの素晴らしい挨拶でした! 皆様、盛大な拍手をお願いします!」
映画館にいる全員は拍手もせず、監督の挨拶をイライラしながら聞いていた。
するとニャン平とガチャポンとペリーとケロハチは、突然ケンカを始めた。
「東野郡の平和だと? 冗談じゃねぇっす、いつまでもコイツらと仲良く出来るっすか! ああ腹減った!」
「ああ? 仲良く出来ないなんてよ、それはこっちのセリフだってよ! はぁ眠い眠い!」
「お2人とも何を言ってるザマスか? いつまでもふざけたこと言ってると、私の大きな口に入れちゃうザマス!」
「ケーロー! ケーロー!」
今度はニャン斗とスッポンとコンコとケロナナが、突然ケンカを始めた。
「もう皆んなぁ、ケンカはやめようよ。 ケンカなんてさぁ、全部お金で解決しようよ」
「ヘイユー、東野郡でナンバーワンのブサイクのユーが、また辺なこと言うじゃないヨウ!」
「おいおいおい! お前たち2人も別に大したことねえじゃんねえじゃん。 結局2人ともブサイクなんだよなんだよ。 それでねそれでね・・・」
「ケロケーロ! ケロケーロ!」
そしてニャン丸とデコポンとホクとケロロクは、突然ケンカを始めた。
「チッ、何だテメェ、俺にケンカ売ってるのか? テメェなんか✖️✖️✖️してやるぜ!」
「何じゃあ、剣が下手くそなチンピラ猫がぁ! おどれぇこそ✖️✖️✖️してやるけぇのぉ!」
「おぅ、ケンカぜよケンカぜよぉ! ニャン丸とデコポン、おまんらぁまとめて✖️✖️✖️にしてやるきぃの!」
「ケーロ✖️✖️✖️ケロ! ケーロ✖️✖️✖️ケロ!」
※今の発言は放送禁止の為、ここでは控えさせていただきます。
さらにニャン助とクーポンとクロとケロゴが、突然ケンカを始めた。
「僕は可愛いクーポンちゃんとラブラブしてるからん、他のヤツらがケンカしてもいいもんねん。 ねぇ、クーポンちゃん♡」
「無理ポン無理ポン! だいたい私は人妻ポンだし、八ポン士のガチャポンが旦那ポンだし!」
「カッカッカ! お前ソッコーで振られてんのカー! 凄くカッコ悪いカー!」
「ケケロロー! ケケロロー!」
それからニャン蜜とガンポンとホーホーとケロヨンが、突然ケンカを始めた。
「まったくにゃあ、どいつもコイツも私の言うこと聞かにゃいんだからにゃあ。 軍師として疲れるにゃん!」
「ホッホッホー、ところでニャン蜜さん。 はっきり言っておきますけど、あなたは軍師には全く向いていません。 早くお辞めになった方が良いですよ」
「そうそう、私もそれを思っていました。 あなたは早く可愛いニューハーフに戻って下さい」
「ケーロッケーロ! ケーロッケーロ!」
さらにニャン子とチャンポンとピヨピヨとケロサンは、突然ケンカを始めた。
「ちょいと中国狸のお前さん、五重塔の決着をここでつけようじゃないの。 このあたいをナメんじゃないよ!」
「あなた 何を 言っている。 あなたの 足蹴り まだまだ甘いよ。 この ネコババ!」
「ピーヨー、ピーヨー!」
「ケロッケーロー! ケロッケーロー!」
加えてニャン吉とウエポンとスワロとケロニが、突然ケンカを始める。
「ぼ、僕は早く家に帰って猫アイドルのDVDを見たいし、鳥アイドルのスワロちゃんと一緒に遊びたいなぁ」
「キャハハハ! おいチビ、お前は俺の機関銃から逃げられると思うなよ! キャハハハ!」
「スワちゃんはぁ、とっても可愛い鳥だからぁ、ケンカなんてぇ、しないのでぇす! だからぁ、ニャン吉くんとはぁ、一生遊びませぇん!」
「ケーロッケー! ケーロッケー!」
最後にニャン太郎とユズポンとイーグとケロイチが、突然ケンカを始めた。
「あぁあ、せっかく4つの村が仲良くなれたと思ったのに、また皆んなバラバラ東野郡だよ!」
「ニャン太郎殿、里見村の猫と大和田村の狸が仲よう出来るわけがなかろうが。 そしておぬしは、これからもずっと悪役でござるよ」
「ヘッ、ニャン丸と同じ、俺もお前のそのキラキラした目が嫌いやねん。 俺が全員まとめて、ボッコボコにいわしたるわい!」
「イーグ、嫌いなのはお前だケロッ! そしてニャン太郎は必殺技とかケロ、イチイチうるせえんだよケーロッ!」
八ケロ士のケロイチの言葉を初めて聞いて、全員が目が点になる。
「へ? うるせんだよケーロ? お前まさか・・・?」
「ヤベケロ! バレたケロ?」
「ケロイチーッ! お前普通に喋れんのかよぉ!」
それから映画館の館内では、八ニャン士・八ポン士・八チョウ士・八ケロ士のケンカで大乱闘になった。
伏夜と春花は溜息をつきながら、32人の剣士の乱闘を館内の遠くから見ていた。
「あぁあ。 ねぇ伏ちゃん、東野郡の皆んなはやっぱり仲が悪かったみたいだねえ」
「ハハハ! でも春ちゃん、これも東野郡らしくていいんじゃない!」
「東野郡らしい?」
乱闘を見ながら笑う伏夜。
「私はそんな東野郡が大好きだよ!」
「そうだね、フフフ・・・ハハハ!」
映画館の中で乱闘している32人の剣士を見ながら、伏夜と春花はいつまでも笑っていた。
終わり
この物語はすべて『東野郡大戦争 TONO WARS』の映画だった、という話でした!
結局32人の剣士たちは大ケンカしていますけど、何だかんだ東野郡は仲が良いですから、皆さん安心して下さいね。
ところであの譲二・ニャーカス監督って、なんか怪しい人ですよね?
伏夜と里見村を守る八ニャン士の物語は、これからもまだまだ続きます。
これからどんなことが待っているのか!
戦え!『里見八ニャン士』!
また次回まで、お楽しみニャン!
『里見八ニャン伝 東野郡大戦争』 完




