表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
301/301

みっちゃん道々…

 昨日さよならをしてきました。


 既にご飯を食べなくなって10日程、水分もほぼゼロが4日…お看取りの為の口腔ケアを頻回に…食事が取れなくなってからも、週に二回のシャワー浴…


 ご飯は、三か月以上前から完全介助となっていました。ご飯を認識できない…口に入れば何とか嚥下していたのですが、その嚥下も忘れてきて、口にためるようになりました。そのうち、口を開けてくれない為、時間をかけて栄養プリン一個がやっとに。

 

 入所時は歩いていました。トイレも自分で行かれていたので、排便があったのかどうかがわからない。パットに付着があると「出たのかな?」で排泄チェック○にしていました。

 同じ頃に入所した方も似たようなADLだったので、よく一緒に居ました。あちらはかなりの怒りんぼさんでしたが、この方は、話が頓珍漢なだけで、いつもニコニコ…穏やかな認知症でした。

 

 入浴の時だったと思います。お通じが紙パンツを脱いでいる時に出てしまい、私が思わず

「みっちゃん道々…」とつぶやいたらば、それを受けて最後まで歌い出したのです。既に会話にならない方が…

「え?知っているの?」

そこの答えは、???だったのですが、しっかりと…そして、見たこともないような大笑い。


 そんなことがあったので、食事介助をしている時に口を開けてくれないでいると

そっと耳元で「みっちゃん道々…」と言うとその後を歌うために口を開けてくれます。

その頃は口に入れさえすれば、ちゃんと食べてくれていたので…


 そろそろ水分も取れなくなってきたからと、ご家族に面会をお願いしました。


 近くにいらっしゃるのですが、入所以来数回しかいらしていなかったと思います。でも、優しそうなご家族…曾孫さんが滅茶苦茶可愛い

「おおばあば、あ~ンだよ」

こんな具合ですと水分ゼリーの介助を見てもらっていたらば、手を握って言ってくれました。

つられて少し微笑んでくれたかな?でも、やはり数口で終了。

「ああ、あの歌を耳元で囁けば、ちゃんと歌って大笑いするんだけどな~」

でも、流石にそれは…


 食止めになっているので、今日か明日か…土曜日の夜ならば、ちょっと遅くても先生呼ばないと、日曜の朝に呼ぶと機嫌悪いし~等と心配していたのですが

「あのさ、まだ歌えるよ」で、大丈夫だろうということに…


 日曜の夜帰る時に

「これから夜ですよ、ゆっくりと寝ていてね、明日の朝私が早く来るから、そんで「おはよう~」って言うからね、それまでの寝て待っていてね」

 朝先ずはお部屋に行きました。スヤスヤ眠っていたのですが「おはよう~」と声をかけると、目を開けてくれました。視線も追ってくれます。そして

「みっちゃん道々…」と言うと声は出ませんが唇が動きます。そして優しいお顔に…思わず抱きしめてしまいました。


 「おはよう~」って伝えちゃったから、そろそろかしらと思っていたのですが、夕方になっても呼吸が乱れず…


 さよならをして帰りました。


 今日は休みなので、もう会えないかな

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ