第54話:新居
これからイチャイチャ感が増えて行くでござる (*´д`*)
リアースで一人の成人が生きて行くとして、1カ月では銀貨7枚もあれば充分余裕ある生活が送れる。
リの国で、1人で宿屋に1泊するとなると、1食付きで大銅貨3枚前後が相場である。
地球で云えばビジネスホテルに1泊する金額と同等くらいであろうか。
長期利用となればもう少し安くなるであろう。
ルークは、これから成人者としてお金を稼いで生きて行かなければならない。
その第一歩は始まったばかりである・・・
リアース歴3236年 5の月23日8時過ぎ。
俺は二日酔いをヒールで治し、冒険者ギルドでイナリと朝食を取っていた。
いつもの露店のおっちゃんの肉の串刺しだ。
今朝のギルドは静かだ。
皆、二日酔いでグロッキーなんだろうなぁ。
う!黒歴史を思い出してしまった。
忘れるんだ俺!記憶から消し去ってしまうんだ~。
「あ!ルークお待たせ!」
「兄貴おはよう!」
アイシャとマシューが冒険者ギルドにやって来た。
アイシャの笑顔が眩しい~。
「キュキュ!」
(俺もいるぞ~!)
イナリがアピールする。
「イナリちゃんもお待たせ!」
アイシャがイナリの頭を撫でる。
イナリの顔が気持ち良さそうだ~。
俺も撫でて欲しいでござる!
「兄貴達は何時まで飲んでいたの?」
マシューが眠たそうな顔で聞いて来た。
マシューの奴、俺の甘えたい気分をぶち壊しよって~。
しかも忘れたい黒歴史を聞いて来るとは・・・
「あ・朝方までかな?・・・途中から記憶がないんだよ」
「げ!マジ?でも良いなぁ、俺も酒飲んでみてぇ~」
マシューが悔しそうに言う。
12歳のガキが生意気によく言うよ。
あ!そう言えば、俺って12歳からベルクーリさんに飲まされていたんだ。
人の事言えねぇ~!
「12歳のガキが何言ってんのよ!ねぇルーク」
アイシャは俺に相槌を求めて来る。
うわ~、俺って相槌を打つ資格ねぇんだってば~。
でも頷かないと何だか怖そう~。
「ハ・ハハハ!そ・そうだよね~」
返事がおかしくなる。
アイシャが不審そうな顔で俺を見つめる。
ゴメンなさい!刺すような目で俺を見ないでぇ~。
「まぁいいわ!」
ふ~助かった。
アイシャって前世の愛子の時もそうだったけど、真面目だからねぇ。
決まり事を破るのは許せない性格なんだよ。
「さぁルーク、早く新居を探しに行きましょ!マシューはしっかり稼ぎなさいよ」
アイシャが俺の左腕に絡みついて来て腕を組む。
アイシャの胸がムニュっと当たる。
ああ~ん!素晴らしいです。
「OK!マシューは頑張れよ」
にへら顔になる俺!
うほほ~い!新居だ新居、アイシャとの愛の巣だぜぇ~。
「け!ラブラブ全開かよ~。お邪魔虫は退散しますよ。
兄貴、姉ちゃんを頼むぜ!姉ちゃん、新居決まったら教えてくれよ」
「「分かっている」わよ」
見事なハモリ。
「か~、相性ばっちりってか!熱い熱い!」
悪戯顔でからかうマシュー。
真っ赤になるアイシャ。
「う・煩いわよバカ!早く行きなさいよ!」
「へいへい!」
マシューは背中越しに手を振って受付カウンターの方に歩いて行った。
なんだろう?マシューの背中が寂しそうだ。
姉ちゃんを取っちゃったのだから当たり前か。
マシューゴメンな!
「さぁ行きましょ!」
アイシャが俺の腕を引っ張る。
「う・うん!」
俺とアイシャは腕を組みながら冒険者ギルドを出たのであった。
大通りを歩きながら、取りあえず商人ギルドに向かう俺達。
アイシャには前もっていろいろと調べて貰っていた。
「アイシャ、何処か良い所ありそう?」
「商人ギルドの情報だと、小さい一軒家だと1カ月の家賃は最低でも銀貨5枚以上は掛りそうなのよねぇ。
宿屋とかだと、1食付の長期契約だとして二人で銀貨6枚くらいが相場らしいわね。
二人で冒険者稼業となると宿屋がベストっぽいけど、新婚としては・・・その・・・一軒家と云うのもありな気はするし~。
ルークはどう思う?」
アイシャがニコニコと嬉しそうに話す。
物事を決める前の段階って、いろいろ想像しちゃって一番楽しい時間だよねぇ。
この想像する時間が溜まんないだよ。
一軒家だと銀貨5枚か~、他の人に邪魔されず二人きりは魅力的だ。
だけど二人で冒険者稼業だと炊事とかが大変そうだよなぁ。
宿屋だと一軒家より少し高いけど、1食分付だからなぁ。
トイレや共同部分は宿主さんが掃除や管理をしてくれるし、俺達は自分の部屋の掃除くらいだけで済むしなぁ。
ん~、本当にどうしよう。悩むわ~。
あまりにも優柔不断だとアイシャに嫌われそうだな。
ここはビシっと男らしく決めるべきかな?
「アイシャ、俺としては・・・宿屋の方が良い気はする・・・かな」
「理由は?」
腕を組んで横に一緒に歩いていたアイシャが俺の顔を覗き込む。
うぅ~その表情可愛い、余りの可愛さに悶絶しそう。
「一軒家で、二人でずっと一緒と云うのは凄く魅力的だけどさ。
二人で冒険者やっていると朝早く出て帰りが遅くなるでしょ。
食事や炊事をするとなると結構大変になると思うんだ。
そうなると二人でイチャイチャする時間が・・・その・・・何と云うか。
それにさ、実はまだアイシャに相談していなかったんだけど、アイシャが成人して正式に夫婦になったら、ルタの村に挨拶がてら一緒に行って欲しいんだよねぇ。
ルタの村には俺の家があるからさ、そこで少しの間、二人きりの新婚生活気分は出来ると思うんだよねぇ。
だから、この町では宿屋で良いかなぁ~ってね!」
俺の思いをきちんと正直に話した。
アイシャの顔は赤い。
「二人でイチャイチャする時間か・・・ルークのエッチ!」
あぁ~その照れた顔も凄く可愛い。
ペロペロしてぇ~。
「ど・どうせ俺はエッチだも~ん!」
こうなったら開き直りだ。
俺の頭の中はアイシャとのエッチな事で一杯ですよ~だ。
「もう、バカ!ルタの村の家には、クロード様やジーク君がいるって言っていたよね?
それだと二人きりになれないんじゃない?」
「あぁ、それは大丈夫だよ。俺達が村に滞在している間、師匠達は孤児園で生活するらしいから」
「何だか二人に悪くない?」
「気にする事ないさ!師匠やジークは所詮居候だからね。
それにルタの村には、どうしてもやっておきたい用事もあるんだよね」
「ふふふふ!分かったわ。だったら宿屋を中心に聞いて行きましょう。
旦那様になるルークの意見を尊重してあげる」
だ・旦那様!
心臓がビクンと跳ね上がったよ。
何とも良い響きだぁ~。
「だ・旦那様ってなんか照れるね・・・」
俺の顔って今真っ赤なんだろうなぁ。
あ!俺の顔見てアイシャも赤くなった。
く~照れる~!
「バカ!早く宿屋に聞きに行くわよ」
耳まで真っ赤だよアイシャ。
照れて可愛い~。
新居となる宿屋はすぐ決まった。
冒険者ギルドから歩いて5分の『穴熊亭』と云う食堂も兼ねている宿屋です。
名前はイマイチなんですけどね・・・
町の英雄の名で、二人で1カ月銀貨5枚で良いと言われました。
勿論、日に1食付きです。
穴熊亭の食事は美味しくて有名だそうです。
嬉しいな!
部屋は2階の南西の角部屋で12畳くらいあるかな?日当たりが最高です。
普通サイズのベッドが2つ並んでおり、クローゼットもあって、机も完備されていました。
トイレと炊事場が共有ですけど綺麗でしたよ。
風呂場は残念ながらありません。
近くにある大銭湯をご利用下さいだとさ。
庭にある井戸の水は使いたい放題だそうです。
なかなか良い所が見つかって安心しました。
1カ月分の銀貨5枚をすぐ払い、今日から住む事に決めました。
ここがこれから俺とアイシャの愛の巣です。
メチャメチャ嬉しい!
こ・今晩がとても楽しみな俺なのでした・・・
ようやくアイシャとの愛の巣が見つかりました^^ 次話では・・・ (*´д`*)
と云う訳で、次回『第55話:卒業』をお楽しみに~^^ノ




