第31話:再会
青年の命は、先輩冒険者によって救われた。
青年の心は、その先輩冒険者の息子によって救われた。
青年は少年と約束した。
立派な冒険者になって再会しようと。
青年には、輝く宝石の様な思い出となった。
そして、青年はついに少年と再会をする。
輝く宝石の様な思い出は・・・少年は・・・
リアース歴3235年 6の月20日。
今、エターナの町に着いた。
う~、今回は今まで一番疲れた。
今回のルタの村からエターナの町の道中は、魔物と何度も遭遇して大変だった。
ゴブリンや一角ウサギ、単独行動のシルバーウルフなどだ。
こんな事は初めてだよ。
狩れば取りあえず収入となる魔物。
そのまま見逃す様な事はせず、出会う度に狩り続けて来たのだ。
お腹が減った~!
今日はいつもの露店の肉の串刺しじゃなくて、酒場で酒でも飲みながらガッツリ食べたい気分だわ。
露店のおっちゃんゴメンよ~。
「イナリ、今日は先に冒険者ギルドで用事すませるからな。
それからゆっくり飯にしようぜ」
「キュ!」
了解だってさ。
まず、先に郵便物を冒険者ギルドに届けに行く。
冒険者ギルドのドアを開けた。
「こんばんは~!ルタの村からの定期郵便で~す」
誰からも返事がない。
う!寂しい。
今日は時間が少し遅いから、フロアに居る人が少ないね。
さっさと受付カウンターのお姉さんに郵便物渡して、報酬貰って飯食べに行こうっと。
「あ!お・お前ルークか?」
へ?
話かけられた方に振り向く。
ん~~~?
あなたはどなた様ですか~?
ワインレッド色の髪で、目が黒っぽくて、大きな人・・・
ん~、この顔どこかで・・・
あ!
「も・もしかして、フォ・・フォッカーさんですか?」
「そうだ!フォッカーだ。大きくなったな~ルーク」
ガシガシと俺の頭を撫でるフォッカーさん。
存在をすっかり忘れていました。
ゴメンよフォッカーさん!
顔や腕に傷がいっぱい増えたねぇ。
ワイルドさが増したねフォッカーさん。
そして、老けたね・・・
「フォッカーさん、生きていたんですねぇ。こんなに老けちゃって・・・」
ワザとらしく泣くマネをした。
目を丸々として驚くフォッカーさん。
「お・お前、正確悪くなってないか~?前はあんなに可愛かったのに・・・」
失礼な!
可愛くなくてすいませんね。
元からこんな性格でしたと思うけどね。
「全然会えないから、避けられているかと思っちゃいましたよ僕。
僕のハートは傷ついているのですよ」
『ウソだ!』って今思ったそこのあなた。
僕の心は本当にガラスのハートなんですよ。
すぐに砕けてしまう脆いハートなんです。
・・・ウソです!ゴメンなさい。
「お前との約束を守るために、こっちは必死で依頼をしていたんだよ」
あ!半ギレしている。
大人気ねぇ。
「約束なんてしていましたっけ?」
「お・お前なぁ~!」
今度はガックリと項垂れる。
何かが壊れた様っす。
「冗談ですよ!今、B級に一番近いって噂ですよねぇ。凄い凄い!」
あ!フォッカーさんが真っ白に燃え尽きている。
(燃えたよ、燃え尽きた、真っ白にな・・・ by 矢吹ジョー)
ジョー!
この人、からかうと面白ぇ~。
「お!ルーク来ていたのか」
ギルド長のベルクーリさんの登場っす。
「ギルド長こんばんは。今、到着したばかりです」
「そうか!飯でも一緒に食いに行くか?好きな物何でも食っていいぞ」
ラッキー!
晩飯代浮いたよ~。
「ん!フォカーどうした?何を落ち込んでいる?」
あぁ~、まだ落ち込んでいたのかこの人。
からかい過ぎてゴメンなさい。
灰になったフォッカーさんを引きずって酒場に来ました。
酒場にてガッツリとオークの肉を食べている俺です。
イナリもひたすら食べています。
「よく食べるなぁお前達!」
呆れるベルクーリさん。
「成長期なんで!」
ウソです。
もう止まっちゃいそうです。
今日はウソばかりの悪い子の俺です。
チックショー!
「フォッカーはあまり酒を飲み過ぎるなよ。明日はエターナ森林の大討伐だからな」
フォッカーさんは何かやけ酒みたいです。
何かあったのでしょうか?
え!
俺のせい?
何かやらかしたの俺?
「大討伐?ギルド長、それ何ですか?」
エールをクイっと一飲むベルクーリさん。
「最近、エターナ森林の奥にゴブリンのコロニーが出来たらしいんだ。
その影響で行方不明者や死者が増えて来ていてな。
森林内だけでなく、街道沿いにも被害が出始めたのさ。
それで、明日からゴブリンの大討伐が始まるって訳さ」
「あぁ、それでか!道理で道中にゴブリンと出会った訳だ」
俺は、今日の道中を思い出しながら肉を口に放り込む。
「お前もゴブリンと出くわしていたのか!よく無事だったな。
まぁ、クロード様から手ほどきを受けていれば、屁ぇ~みたいな相手か」
食べている最中に屁ぇ~はないわ~。
ベルクーリさん、下品っすよ!
「師匠との修行に比べたら、ゴブリンなんて屁ぇ~以下っすよ。『実』には程遠いっすね!」
「ゲホっ!」
あ!フォッカーさんが吹いた。
俺の方がもっと下品でしたね。
居酒屋の皆の視線が痛いっす。
フォッカーさんの目は死んでいる様です。
俺のせいなんですか?
本当にゴメンなさいです・・・
それにしてもゴブリンの大繁殖ですか~
何だか嫌な予感がするなぁ・・・
そう思いながら、オークの肉をバクバク食べる俺。
皆の視線は相変わらず痛かった・・・
次回『第32話:幸せな時間』をお楽しみに~^^ノ
今度はあの人が再登場~。




