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『とりあえずエピローグです』


 ダイエット開始から約8ヶ月足らずで、100キロ近くあった私の巨体は魔王の過酷なダイエットのお陰? で、今では目標体重だった45キロまでやせて私は別人のように変貌してダイエットを成功させていた。


目標体重を達成して、魔王と無事に結婚の儀式も済ませて晴れて私は魔王の妻になってこれからはダイエットから開放される! と思っていたのに……。

そんな私を魔王はダイエットから開放してはくれなかった。


「オイオイ! これで終わったと思って安心すんじゃねえぞ! 気を抜いたらリバウンドって奴が待ってんだからな!! 毎日ジョギングとストレッチ5セットは続けろよ!」

「え~~~~!? やだ~! 面倒くさ~~い!」


私が魔王に反抗した瞬間、すでに私の両頬は魔王に掴まれてグイグイ左右に引っ張られていた。


「言っただろ! オレ様の嫁になっても、反抗したら容赦しねえって!!」

「いひゃい!! いひゃいって!! はにゃして!! ごめんにゃひゃい~~」


痛がって藻掻く私を嬉しそうに眺めて笑っているその顔はやはりドSな魔王さまだった。


「忘れんなよな! お前はオレ様のモンなんだから、いつでも喰っちまえるんだからな!!」

「ふぁい! あうううう~いひゃい~!」


魔王は私の瞳にいっぱい溜まった涙を拭いながら、急に顔を近づけてきて唇に熱~い濃厚な接吻をしてから満足そうに声をあげて笑いながらどこかへ出かけて行った。


朝から魔王に濃厚な接吻をされた私は、暫くの間は部屋の長椅子に放心状態で固まったまま全く何も手に付かなかった。

実のところ……。夫婦の初夜というやつもまだ私は経験していなかったのだ。


魔猫が知ったら目くじら立てて怒りそうだけど……。

儀式の夜にガチガチに緊張してる私をかわいそうに思ったのか? 魔王は優しく接吻をしただけで何もしなかった。その代わりと言ってはなんですが……。

魔王は私のぷるんぷるんのふたつの胸の間に顔を埋めて子供のような顔をして眠ってしまったのだった。


だから、あの夜からまだ何も進展は無くて毎晩、魔王は私の胸に顔を埋めて眠って満足している。急にさっきみたいな熱い濃厚な接吻を不意打ちで朝からされてしまうと頭が真っ白にもなる訳なのですよ。


でもでも、もしかしたら魔王が私に何もしないのには他に何か理由があるのかもしれない。

何と言っても私は魔王の妻ですが、いつでも魔王が望めばこの魂は喰われてしまう魔王の食料でもあるわけだしね。


結局、魔王に言われた通りにジョギングを済ませてストレッチを5セット済ませた私は浴場で汗をスッキリと流してから部屋へ戻った。


すると、城内がいつもよりも何か騒がしかったから窓の外を覗いてみると遠くで火の手が上がっていた。


「あれ? 火事かな? どうしたんだろう?」


ぼぉ~っと私が窓の外を眺めていると、何か空に飛んでいるように見えてその下の方が真っ赤に燃えていた。


「美乃里さま~! ドラゴンです! ハグレ者のドラゴンが城下で暴れているそうです!!」

「ええええ! あれってドラゴンなの~~~!!」


驚いている私の手を引いて、魔物たちは城の奥にある一番安全な部屋へ私を連れて入った。


「魔王軍がすぐにドラゴンを取り押さえるそうですから、暫くの間はここで大人しくしてお待ち下さい!」

「大丈夫なの? 魔王軍って!? 魔王があれを倒すの?!」


私が心配して魔物に聞くと、魔物は少し笑って首を左右に振っていた。


「大丈夫です。あんなドラゴンくらいで魔王さまは出られませんからご安心下さい!」

「そうなの? わ、わかった。大丈夫なのね? 良かった……」


それでも、私にとっては生まれて初めての経験なので、暫く怖くて足の震えが止まらなかった。


すっかり日が落ちた頃に騒ぎは治まって、ドラゴンは魔王軍に取り押さえられたと魔物たちから報告があった。


 夕食を済ませて部屋へ戻ると、すぐに魔王が戻って来て勢い良くドアを開けて入って来たかと思ったら、私の方に黙ってまっすぐ歩いて来てギュぅっと強く私のことを抱きしめていた。


「怖がって泣いているかと思ったら、そうでもなかったんだな! クククク」

「な、泣いてなんか無いわよ! 確かに、怖かったけど……。へへへへ♪」


強がっている私を魔王は笑って優しくまた抱きしめてくれていた。


「こんな事は魔界では日常茶飯事だからな! お前もすぐに慣れちまうだろうな!へへへ」

「やっぱり魔界って……物騒な世界なのね」


私が大きな溜め息を吐くと、魔王は顔を近づけて私の耳元で囁いていた。


「お前はオレ様が絶対に守ってやるから心配すんな……それにお前がオレ様の秘密兵器なんだから、お前がいる限りオレ様は何者にも負けないぜ」

「私が秘密兵器!? 魔王の? どうしてそうなるの?」


魔王の言葉に驚いている私を抱き寄せて、魔王は黙って優しく私の唇に自分の唇を重ねていた。


「そろそろ、話しておいてもいい頃だから話してやる。お前はかなりの鈍チンだしな! 全く自覚もしてねえようだし、このまま知らないでいるのも危険だからな!」

「え!? 何の話? 私が鈍チンって何に?」


魔王は真剣な顔で私をベットに座らせて私の頭をポンポンッと軽く叩くと、隣に座って話し始めた。


「お前さ! ただの人間が、オレ様みたいな魔界の魔王さまを簡単に召喚出来ると本当に思ってたのか? 少しは疑えよな!? あり得ねえんだよ! そんな事は、絶対にあり得ねえんだ! お前がオレ様を召喚出来たのは、お前が普通の人間じゃ無いからだ! お前の中には、すげえデッカイ魔力が眠ってるんだ。オレ様にも何故そうなったのかは、まだわかんねえけどな!!」


「うううう~! うそ~~??? 冗談でしょ~? またまた~!」


私が無理に明るく笑って、顔をぴくぴくと引きつらせてうろたえていると、魔王は両頬を軽く引っ張ってから、顔を近付けてわざと耳元で深くため息をついた。


「嘘じゃねえし冗談でもねえよ! まっ! そのうち自分で自覚する時が来るだろうから一応教えといてやる! お前が人間じゃないってことだけはな! クククク」

「自覚って? どうやったら自覚出来るの? ねえってば!!」


魔王は私の問いには答えてくれずに、そのままベットに私を押し倒してすごく疲れていたのか? いつもの様に私の胸に顔を埋めて眠ってしまった。


魔王があまりにも気持ち良さそうに眠ってしまったので、私もそのまま魔王につられて眠ってしまった。


そして、あれから一週間経つけど私には何の変化も訪れることは無かった。


これから始まる魔王との結婚生活&魔界でのハプニングはまだまだ続きます。


               とりあえず……おしまい。



最後まで読んで頂きましてありがとうございます。

次回からはタイトルを変更して美乃里と魔王のお話は続きますので

これからもつたない文章ですがゆるりゆるりと御覧くださいm(__)m♪

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