<EP_011> 新しい命
魔王アホモスを討伐して1年が過ぎた。
ゼロはアリスとともにボケータ国の郊外の森の端に建てたログハウスで、ターニャとともに幸せに暮らしていた。
家の周りに作った畑をボーン・サーヴァントとともに耕し、ターニャとともに森で狩猟する。
家に戻れば、美しいアリスがにこやかに迎えてくれる。
そんな毎日が続いていた。
「ゼロ様。さきほどマリアから連絡が来ましたわ。なんでも無事に出産したそうですわ」
狩りから戻ってきたゼロにアリスが伝えてくる。
「そうかい。無事に出産できたんだね。それじゃ、明日はお祝いに行こう」
「わーい、明日は街でご馳走にゃ」
ゼロの言葉にターニャは無邪気に喜んだ。
翌日、魔王討伐の貢献から近衛騎士団長になったバーカスとマリアが出迎えてくれる。
マリアの胸には白いおくるみに包まれたトンマが抱かれていた。
「わー!可愛いにゃ」
「ホントに可愛いね。マリア似かな。バーカスに似なくて良かったんじゃないかな」
「へん、言っとけよ。男は顔じゃないぜ。まぁ、マリア似のほうが良いだろうけどよ」
すっかり父親の顔になったバーカスがゼロの軽口に答えてくる。
「ふふ。次はアリス様の番ですわね」
マリアがトンマをあやしながら言ってくると、アリスは赤くなって俯いた。
「そうだぜ。ゼロが姫様を奪って王位に就かないんだから、孫の顔を早く見せてやれ」
「いや、それは……」
ゼロも赤くなって俯いてしまい、それを見たバーカスとマリアは声を出して笑ってしまう。
それまでトンマを様々な角度で見ていたターニャが声をあげた。
「ゼロ!アタシも赤ちゃんが欲しいにゃ!」
ターニャの言葉にゼロはまじまじとターニャを見る。
出会った時は子猫のような少女であったターニャだが、今はすっかり成長し身体に丸みを帯び、立派な身体となっていた。
「そうだね。ターニャにもそろそろお婿さんを考えないとな」
「嫌にゃ。アタシは強い男が好きにゃ。ゼロ以上に強い男はいないにゃ。だから、ゼロの子供が欲しいにゃ!」
「いや……それは……」
ターニャの剣幕にゼロは困った顔でアリスを見てしまう。
「ゼロ様がお望みならば、私は構いませんわ。ターニャを愛してあげて下さいませ」
アリスはいつものように完璧な微笑みを浮かべた。
「おいおい、ゼロ。両手に花だな。羨ましいぜ」
「まぁ、ゼロ以上の男なんて、他にいないものねぇ」
「お、おい、マリア。お、俺は?」
「バーカス。もちろん、あなたも素敵よ。でもゼロと較べるとねぇ……」
マリアの言葉に焦った様子を見せるバーカスに、その場は笑いに包まれた。
しばらく経つとアリスの妊娠がわかった。
アリスの懐妊をゼロは心から喜んだ。
身重になったアリスのためにゼロは家事を代行できるボーン・サーヴァントを増やし、家の拡張にも手をつけていく。
そんな中、いつものようにターニャを連れて狩りへと繰り出していった。
鼻をひくつかせながら前を歩くターニャの尻がゼロの目に入る。
「ゼロ。あの茂みに鴨がいるにゃ」
獲物を見つけ振り向いたターニャの顔にゼロはドギマギしてしまう。
ターニャは茂みにしなやかに近づき、獲物を追い立てていく。
ターニャの動きに鴨が飛び立とうとする所をゼロは弓を放った。
「やったにゃ」
落ちた鴨へターニャが走り、ゼロも続こうとした。
ゼロは地面の木の根に躓いてしまい、ターニャの上に覆いかぶさってしまう。
ターニャの柔らかな肢体がゼロに伝わってくる。
アリスの妊娠から、おあずけになっているゼロの欲望が少し動いた。
【EDEN System Activate.】 Target: Tarnya(ID005) -> Relationship: Love. Status: Complete!
ゼロの背後に半透明の画面が現れ、すぐに消えた。
「あ、ごめん、すぐにどくね」
身体を起こそうとしたゼロにターニャが抱きつき、キスをしてくる。
ゼロが驚いていると、ターニャは唇を離し、潤んだ瞳で見つめた。
「ゼロ。前にも言ったにゃ。アタシ、ゼロの子供が欲しいにゃ」
「で、でも、ボクには……」
「最近、アリスとできにゃいのでしょ?ここなら、誰にも見つからないにゃ」
ターニャはさらに強く抱きつくと耳元で囁くと再びキスをしてくる。
ターニャの誘惑にゼロは抗いきれず、そのままターニャへと覆いかぶさっていった。




