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ももレヴォ  ~桃太郎が世界に対し革命を目論むお話~  作者: 有限よしみ


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21-5

お婆さんはお爺さんの非難に負けじと目を吊り上げて

「いいんだよあれで!あの子が本当の事を知ってなんかいいことあんのかい!?あの子の母親を覚えてるだろ?上等の着物を着ていた。きっと名のある貴族かお武家様なんだろうよ。だから戦で矢を射られて川に落とされたんだ」

と言い返しました。

「だからって何もあんなふうに言わなくても…」

「桃太郎が自分の生まれを気にして調べたらどうする?それでどこかのお偉いさんの子供だってわかったらどうなる?きっと厄介に巻き込まれるに決まってる。偉い奴らはいつでもそんな事ばっかりしてるんだ。あの子は田舎の村のただ悪ガキだ。それでいいんだよ」

喜一は手を上げてお爺さんとお婆さんの言い争いを止めました。

「桃太郎の母親の事はワシ以外には話していないのだね?」

喜一が尋ねました。

「あたしと爺さんと和尚さんしか知らない。変な噂でもされたら面倒だからね。ぼろを着た女だった、と村人には言ってある」

お婆さんが答えました。

「けっこうだ。言い方は問題あるにせよ、出生の事は知らぬが仏だろう」

喜一はそう言うと、西の方角を見て目を細めました。

「和尚さん、桃太郎は西に旅に出たと言うてましたが大丈夫じゃろうか。戦が始まりそうじゃとみんな言うていますが」

お爺さんが心配げに喜一に聞きました。

「ワシも心配している。だが桃太郎も、もう大人だ。自分の道は自分で切り開かねばならん」

喜一が答えると、お爺さんもお婆さんも喜一の視線を追って西の方を見やりました。

三人の視線の先には山が見えます。その向こうにも山が連なっているはずです。

「無事でいてくれたらいいんじゃがのぉ…」

お爺さんがつぶやくのでした。




第21話 おわり

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