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ももレヴォ  ~桃太郎が世界に対し革命を目論むお話~  作者: 有限よしみ


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第1話 『アイデンティティ崩壊、少年は世界に復讐を誓う』

むかしむかしあるところに、お爺さんとお婆さんと、桃太郎という少年が一緒に暮らしていました。

その日は桃太郎の誕生日でしたが、お婆さんは桃太郎を盛大にディスりました。

「桃太郎、お前は畑仕事もしないで山賊みたいなことばっかりやってる。ご近所さんにも後ろ指差されてあたしゃ肩身が狭いよ。唾棄すべき忌々しきクソガキめ。さっさと天罰が下ってドブにでもなるがいい」

お婆さんはとても悪口が達者でした。

お婆さんに悪態をつかれた当の桃太郎は今日が誕生日、元服を迎えました。つまり大人として扱われる年齢に達したのですが、まだ幼さの残る顔をしています。ともすると女の子のようにも見えるほどやさしい顔つきです。

「黙れババア。兵法者と山賊の区別もつかない田舎者め。そんな事より今日は僕の誕生日だろう。ケーキくらい出してみたらどうなんだ。まあうちみたいな貧乏ぐらしじゃ干からびたトカゲでも出てくれば上出来だろうけどね」

桃太郎もお婆さんに負けじと憎まれ口を返しました。

二人が言い合う様子にお爺さんはハラハラしました。

「育ててもらった恩を忘れてよく言ったもんだ!いいかいクソガキ、お前はな、あたしが川で洗濯してた時に上流から流れて来た桃から生まれたんだよ!」

お婆さんは桃太郎の顔に人差し指を突きつけながら言いました。

「ば、婆さん!」

お爺さんがお婆さんを止めようと手を伸ばしました。お婆さんはお爺さんの手をはたき落としました。

「なに言ってやがるババア。ついに夢と現実の区別もつかなくなったか」

桃太郎は小馬鹿にしたようにお婆さんをせせら笑いました。当然です。果物から出てくるのはせいぜい種か、運が悪ければ虫が出てくるくらいのものです。哺乳類が生まれるなどという話は聞いたことがありません。


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