第11話:他の女の子も、彼を狙ってた
その日の午後、モランお婆ちゃんは、ソフィーとジャッキーに、台所で夕食の支度をするよう言いつけた。大佐は正午に、部下に命じて、海老や魚介類を届けさせていた。それは、今夜、ソフィーの歓迎会を開くためのものだと言う。
「この戦時中に、こんな魚介類なんて、とんでもなく貴重な食材よ。私の時は、こんな歓迎会なんてなかった。よっぽど、あなたのことを特別に思ってるのね」
そう言うジャッキーは、実は、それなりの恋愛経験があった。彼女はとっくに、ソフィーが大佐を見る目つきが尋常ではないことに気づいていて、わざとそんな言葉で彼女をからかったのだ。
ソフィーは平静を装ったが、つい緩んでしまう口元が、彼女の本心を隠しきれていなかった。
すると突然、彼女はある重大なことを思いつき、尋ねた。
「大佐は……あなたを助け出した時、あなたの腰に、手を回したりした?」
ジャッキーは彼女の心の内を察し、深く考えもせず、正直に答えた。
「いいえ。ただ、『ついて来い』って言っただけ」
それから、彼女は言葉を付け加えた。
「あの時は、私も怖かった。自分が誰かに辱められるんじゃないかって。でもね、どうせ誰かに辱められるなら、大佐にされるのが一番いい選択だって、そう思ったの」
それを聞いたソフィーは、顔を真っ赤にして、何も言えなくなった。心の中では、ジャッキーの意見に、全くもって同意していたのだ。
ジャッキーは言葉を続けた。
「正直に言うとね、大佐はきっと私には手を出さないってわかってても、あの綺麗な顔を見てると、本当に手を出してほしいって期待しちゃうのよね。夜中に、彼の部屋のドアを、ノックしたくなったこともあるくらい」
ソフィーは、見開いた目をさらに大きくして、信じられないと言った。
「ドアを、ノック? どんな娘が、そんな恥ずかしいことするのよ!」




