きっとあれですよ!あれ!
私は叔母の言う通り大きな病院に行っていたら
「子宮の中は空洞です。中で亡くなってますね」
なんて言われてさっさと堕ろされていたのかもと思うと、ゾッとした。
あの医院では、先生が自分で私の尿を30倍に薄めて目の前で検査してそれでも妊娠反応があるからと、それでもう少し様子を見ようでこの結果になった。 大きな病院ではたしてそこまでしてくれただろうか。
私はこの妊娠で、点滴が入らず漏れて痛い思いもしたし、血液検査をすれば
(あれ?手の平がなんか濡れてる) 見ると、肘の裏の採血をした所からダラダラと血が流れていたり(血が止まりにくくなった)
身体に異変が起きていたが、なんとか赤ちゃんも確認ができ、毎月の受診を楽しみにしていた。
相変わらずまだまだつわりがあるため車の運転ができなくて病院は父に連れて行ってもらっていた。
時には、母も店の買い出しついでについてきたりマルチーズのタラちゃんも車に乗って、一家総出で病院に来ていた。
ある日母が初めて病院について入った時の事だった。
私の背中越しに母の震えた声が
「く、く、くるみちゃん」
私が振り向くと同時に
「マーブル!!」
と、叫ぶ先生の声
見ると、病院のロビーのドアが開いていて外に大きな立派なコリー犬がいた。
どうもそのコリー犬が身長150センチほどの母を後ろから両肩に手を置く感じで抱きついてきたらしい。
母はあわわ、あわわ、と震えていたが
私は
「カワイイ!」
だけどマーブルは怒られたから私には近寄ってくれなかった。
「こっちに来たくてしかたないんだよ」
と先生が言った。
あー。なんてステキな病院。
「マーブルはとても人が好きなの、だけど郵便の人に意地悪されて郵便のバイクの音を聞くと吠えるのよ。」
だけどそれ以外はとてもいい子なのと看護師が教えてくれた。
その医院は病院と先生の邸宅が渡り廊下でつかながっていてぐるりと塀や柵で、覆われていてマーブルは自由だった。
名前を呼ぶとスゴイ勢いでやってくる私は、柵越しに長い鼻を撫でていた。
ある日の昼前だった。
訪問販売らしき1人の男が来た。
無料で姓名判断をすると言ってきた
占い好きの私は、両親と私の姓名判断をお願いした。
すると、男は私に将来お腹を切る事が起きると言ってきた。
母が慌てだした。
帝王切開になるんじゃない?
心配する母に
「この印鑑セットを買うと回避できます。」
と、男が言った。
箱に、いろんな大きさの印鑑が5本ほど入っていて10万円也。
父は違う視点だった。
「結婚したし、実印もいるだろうし店をしていたら印鑑を使う事もあるからいんじゃないか」
父は値段が高い=良い品 と思う所もあり父は買ったらいんじゃないか。
だった。
母はすでに買う。買う。だった。
私は男にこれからお昼だし、手元にお金がないからお昼からまた来るように言って帰ってもらった。
待てよ。私が言った。
「ちょっと待って!お父さんやお母さんは過去に大病をしたりで2人ともお腹かっさばいてるじゃん!それを当てたら信じるけどそれに触れてないじゃん 過去を当てたらスゴイけど未来はの事はなんとでも言えるじゃん!」
一気に空気が冷めた。
「やめ!やめ!」私が言った。
昼からまた男が来たが、やはり買えないと伝え帰ってもらった。
その出来事とは全く関係ない事として当時、店で話題になっていた事があった。
町内でなかなか出会いがない男性が結婚ができなくて宗教に入ったら結婚できたという話。
みんなは、そんな事ってできるの?
宗教に入ったら結婚できるってどういう仕組み?
でも結婚相手、自分で決めれないんだって。
なんだ?それ。
店の客とそんな話をしていた。




