喫茶WhiteAvenue
やっとの思いで運転免許証を取得した私に、余韻に浸っている暇はなかった。待ってましたと、内装業者からの詰の仕上げから、コーヒーの入れ方のレクチャーから、やらなければならない事が山積みだった。 私はまだコーヒーの入れ方さえ知らなかった。 メニューの仕入れ先はuccだった。営業マンは、私が高校生の時から家にきて、いろいろ教えてくれた。 コーヒー豆は何にするか、何種類置くか、紅茶の種類もだ。 その営業マンは、コーヒーは何が一番美味しいかわかる?と聞いてきた。 キリマンジャロやらブルーマウンテンだの言ってるけどブレンドが一番美味しいんだよ。と なぜならコーヒーソムリエが万人の口に合うようにしてるから誰が飲んでも美味しくできている。 コーヒーのメーカーはヒルズに決まった。1キロ3000円の仕入れ。 コーヒー300円に対して100杯とれる計算だ。コーヒーは儲かる。 注文が入ってから一杯分をミルにかけ一杯一杯手で入れる。格好だけはプロだ。他ミートソースやパンにつけるマーガリンなどは、ロイヤルシェフというメーカーに決まった。 メニューには質のいい物を使いたかった。営業マンもそれに気づいていて沢山アドバイスや提案もしてくれた。決して押し売りではなく、いいお店にしたいと熱心に指導してくれた。 彼は30代半ばで、身長は低く、ガッチリとした体型で、子供が出来ない事を悔やんでいた。諦めないといけないんだと。彼は食通でいろいろな味を教えてくれた。実話、紅茶にはレモンじゃなく、オレンジが合うとか、たしかにレモンは香りにトゲがあり、味も苦味がある。オレンジは香りも味も甘い。しかし、万人にはレモンだろうとの事でメニューにはレモンティーを載せた。その他に、しゃぶしゃぶにトマトを入れて、ぽん酢で食べると美味しいとか。私も料理が好きなので、2人でキャピキャピしながらメニューを考えた。目玉はホットサンド。ツナと卵を中に入れる。これは焼く機械がなくて探し回った。そして店の名前が入った、アベニューピラフ。ピラフの上にホワイトソースをかけた物だった。 店の名前はホワイトアベニュー。 喫茶店をすると決めてからすぐに自分の中で決まっていた。いわゆる降ってきた名前だった。まー店の内装も白と黒で統一していて、壁も白いし、これで行こう。 あれこれ準備の中で、店のドアに付けるオープン、クローズのプレートがない事に気がついた。オープン前日だ。あわててホームセンターで白いプラスチックの板を買い、きりで穴を開け、マッキーで表にOPEN、裏にCLOSEと、自分で書いた。散々オシャレに徹した内装だったのに、まさかの誤算だった。




