仮免受かりました。
今日は仮免許の試験日だ。
朝、教習所に着いたら、受付で名前を言うように、送迎車の教官に言われた。
Tちゃんらより、1日早く入所した私だけが、今日を迎えた。
受付に行くと、
「2階の教室で、もう始まってるよ」受付の人に言われ
「え?」と私は、焦った。
始まってるって私今送迎してもらったばかりなのに、遅刻なの?
ドキドキしながら、教室の扉を開けると、ほとんどが男子でうめつくされていたが、談笑しながら、和気あいあいと、プリントに書き込んでいた。
顔見知りの男子が声を掛けてくれた。
「はい!これ試験用紙」と。
教官は?なんで君が渡すの?
そして彼は試験用紙と、同時に
「はい!これカンニングペッパー」
と、1枚のキレイに折り込まれた紙を渡してきた。
「これは、歴代のセンパイらが作ったカンニングペッパーや、試験はな、No.1~No.8まであって、試験問題はくるくる回されて主題されていて、出る問題は決まってるんや。」
と、言うのだ。
「今回はNo.5や。カンニングで100点とるのが、心苦しいようなら、1、2門間違えといたらえー」との事。
戸惑う私に、
「えーから、えーから」と。
私は言われるがまま、答えを丸写しした。
一応、チャイムが鳴るまで、教室にいる事にはなったが、何やら変な感じだった。
昨日は昨日で、実技の授業終わり、受付の人から、大至急この番号に電話するように言われ、電話をすると、不倫の果て駆け落ちし結婚したいとこのお姉さんの旦那が電話口に出た。
「ばあさんが、危ないんだ。」
が、第一声で、すぐ母が電話に出た。
母の兄嫁(母の花札仲間)のおばさんが倒れ、危篤だと。もうダメかもしれないとの内容で、
「帰る?帰らなくていいでしょう」と、言葉だった。もう結論が出てるんなら、ほっておいて欲しかった。
ただただ、動揺させられた。と、言う事だけだった。
昼からは、実技の試験だ。
それも、カンニングペッパーが、一瞬だけ回ってきた。
カンニングペッパーと、いっても、当たり前事を書いている。
運航前点から始まり、踏切では、窓を開けて、遮断機の音や列車の音を聞く。
強いて言えば、S字クランクは、ポールが何本目が見えたらハンドルをきるとか。書いてあった。
「あー、見たけど、次、回さないといけなうから、ざっくり過ぎて頭に入んない。何故かマニアックな坂道発進だけ自信があった。
だが不安をよそに、合格だった。
もちろん筆記試験も、合格だ。
女子の受験生は少なかったが、私を入れて2人だけだった。
家に電話をして合格を伝えると、
「スゴいじゃないか!お前は補修券も一度も切られてないし!」
との、絶賛だった。
電話を切り、ホッとした時、館内にアナウンスが流れた。
「仮免合格者は、今晩8時から路上授業があるので、館内にいるように」だった。
「はぁ?今晩8時?くたくただよ。」しかも4時間くらい待たなくてはならなかっ
た。
長く待たされ、ようやく8時になり、教習車に乗り込んだ。
「お前が、受かるとは思わなかった」
みたいな事を、言われた。
私「…」(珍しく意見があったな)
「お前が受かったせいで、この車に乗れなくなった子がいるんだぞ
みたいな事を言われた。
「仕方ないだろう。それをうたって県外から、生徒集めてるんだろ。それがなかったら、こんな田舎の教習所地元の子だけなら、お前ら、とっくに失業だ。
「まっ、いい。受かったんだから」
みたいな事を言われ、私は車を発進させた。
真っ暗、知らない町、初めての路上、そしてどしゃ降り。
この県は、私の県人から、この県に行く時は
「弁当は忘れても、傘は忘れるな」
と、言われるくらい雨が多い。
「もっと、スピード出せ!」
みたいな事を横で、ずっと言われた。
さっきまで、教習所内でトロトロ走っていたのに。
まして、ここは川沿いの土手らしい。
真っ暗。ガードレールもなく、右も真っ暗左も真っ暗、
先も真っ暗のどしゃ降り。
私は必死でアクセルを踏み、2時間輪島と夜のドライブを終え、ボロぞうきんのようになっていた。
そして、10時まで待ってくれていた教官の待つ、マイクロバスに乗り、長い1日を終えた。




