表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/595

第48話 お粥


 目が覚めると体が重い。何というか物理的に重い。

 そう誰かに乗っかられているようで・・・

 視界もクリアにならず真っ黒く柔らかい物が乗っかっていて・・・


 息苦しい中乗っている人を揺する。そのたびに顔の上で形を変える柔らかい物。

 お胸様である。


 「ふぅ~ふふん~ふふふぉ~」メイドちゃん起きろ~


 息がこもり、顔全体が暑くなる。早く起きてほしいものである。


 それはゆっくり離れ意識が覚醒したのか、マウントポジションをとるメイドちゃんが発した言葉は「優様大胆です・・・」お前がな!


 「メイドちゃんどいてくれないかな?」


 冷静な判断力が戻ったのか「ひゃいっ!」崩れるように僕の上から離れたメイドちゃんは真っ赤な顔でぜいぜいと肩で息をしている。


 「昨日の夜はお楽しみでしたね」


 秘書ちゃんも見てたのなら助けてよ! まったく僕に係る人は意地悪な人が多い。


 「メイドちゃん落ち着いた? 秘書ちゃんも意地悪言わない。昨日は二人共ありがとね。遅くまで看病してくれたんだろ?」


 起き上がり時刻を確認。もう7時。久しぶりの遅刻である。体の方はややだるいぐらい。あっても微熱だろうか?


 「優様、申し訳ありません。私も起きたばかりで、その、あの、すいません」いやいや、ありがとう。


 「秘書ちゃん縛ってもらってもいい?」緑のシュシュを手渡す。


 「今日は休まれるのですか?」


 普段は学校用のシンプルな黒のゴムしか使わないので気が付いたようだ。たまにはサボリでもいいだろう。


 「微熱もありそうだし今日はゆっくりするよ。放課後のスケジュールも全部キャンセルしてもらっていい?」


 「畏まりました」それだけ言ってその場を去る秘書ちゃん。


 「優様、こちらに体温計がゴホゴホゴホ」


 「まずはメイドちゃん計ろうか」


 計り終えた音を聞き、表示された体温は38度。完全にうつしてしまった。

 そもそも僕の上で寝ていたのだから、メイドちゃんの自業自得・・・ありがとう!


 「メイドちゃん動ける? 自分の部屋で「ここがゴホッいいです!」そう、僕がお粥作って来るから休んでてね」



 炊飯器にお粥をセットして朝食作り。途中で秘書ちゃんにスポーツ飲料などの簡単な買い物を頼んだ。その後おでこに貼る熱さましとメイドちゃんの好きな緑茶を差し入れた。


 「優様、申し訳ゴホりません」


 「今お粥焚いてるからもう少し待ってね。何か食べたい物とかある?」


 「優様の手料理なら何でも大好きです」なんだろう、このかみ合わない感じは。


 「まぁゆっくり休んでね」そう言いながら優しく頭を撫でる。目をつぶり少し頬を染めるメイドちゃん。わんこに似た可愛さがある。

 5分程だろうか、撫で続けたら寝てしまった。今度わんこにでも試してみよう。


 キッチンへ戻りお粥に合う付け合わせの用意だが、ある事を思い出した。欠席の連絡を入れていない。

いや、これは秘書ちゃんにお願いしよう。その方が説得力のある報告になるだろうし。


 「ただいま帰りました」

 コンビニ袋を片手に帰って来た秘書ちゃんに学校への連絡を頼むとすでに終わっているとの事。やはり優秀である。


 「秘書ちゃんは今日の仕事どうするの?できたらメイドちゃん連れて病院へ行ってほしいんだけどさ」


 「もちろんです。優様はどうなさいますか? もう大丈夫なようなら家でゆっくりされた方がよろしいのでは?」


 「そうだね。さて、朝ごはんを完成させますか」


 まずは基本の梅を叩いてペースト状へ、そこに白ごまと鰹節を振り混ぜ合わせる。これで一品。

 大量の鰹節をボールに入れ、そこにみじん切りの長ネギと味噌を入れよく混ぜる。これで二品目。

 昨日母の冷蔵庫からくすねてきた卵の黄身の味噌漬けを添えて三品目。

 冷蔵庫で眠っていた牛時雨に万能ねぎを散らして四品目。

 メイドちゃんと僕はこれでいいだろう。後は秘書ちゃん用にサラダを添えて朝ごはんの完成。


 3合のお粥は半分残して食べ終わった。二人「「共美味しい」」と毎回言ってくれるのが本当にうれしいものである。


 時刻も十時になり二人は病院へ。それを見送り洗濯を干す。ベランダからはもうすぐ梅雨明けだろうか?久しぶりの太陽がまぶしかった。

 それにしても女性の下着を干すのは、いつになったら慣れるのだろう。モデルでブラは着ける事がある(胸のサイズUPのため)が、自分が付けた物と他人が付けた物ではこうも違うものなのだろうか。

 首を横に振りながら「無心、無心、無心」とひとりで呟く。何をやっているのだろうか。



 お昼になると二人とも帰ってきた。

 点滴を打ってもらったメイドちゃんはすっかり元気の様子。それを宥めてベッドに寝かせる。

 昼食は朝作ったお粥にタマゴを溶き入れサケフレークをのせた。ジャガイモと生湯葉(これも母の冷蔵庫から拝借)を使ったお味噌汁を添えた。


 昼食の途中でメイドちゃんから「もっと元気が無かったら、あ~んしてもらえましたか?」と言われ、レンゲにすくったお粥をふぅ~ふぅ~「あ~ん」する。

 真っ赤な顔で口を開けるメイドちゃんが可愛かった。僕がうつした風邪だしこのぐらいはしてもいいよね?


 久しぶりにゆっくり過ごすおやつ時。この時までには熱も完全に下がり西日を浴びながら料理本をめくり夕飯を考える。ミルク粥とカボチャのポタージュに蒸し鶏にオレンジソースを合わせたものでいいかな。


 そんな事を考えている梅雨明けまじか。この時、僕は巨大台風が来るとも知らずのんきに洗濯物を取り込むのだった。



 風邪描写を書いてる時にリアルで風邪引くとは・・・

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ