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ZERO 第一部  作者: 栂屋総一
ZERO 第1部 栂屋総一編
21/37

#21 雨宮琉衣の疑惑

九曽神家でのお祓いを終え、僕はベッドに寝転び、見えない天を見上げていた。


──ルインとは一体誰なんだ…。


それに繋がる唯一の雨宮社長と連絡が取れず、どうすることも出来ない。


──このまま時間の経過を待ち、体調不良から復帰した社長にルインの存在を聞けばいいのでは?


「いや、それじゃダメだ。」


総一が自問自答を繰り返している頃、真琴は美穂と会っていた。


「…という訳で、あのCDを聞かせるのを止めたいと思ってるの。」


真琴は美穂に経緯を話し、美穂にもお祓いを受けるように伝えた。


「でも、あのCDのお陰で、みんな喜んでるもんね…。」


美穂は真琴の気持ちを汲んで、決して反対はしなかったが、現状では同意を得ることの難しさに悩んでいた。


「そうなんだよ。何か問題があってからじゃ遅いのに…。」


「そうだよね。施設長に相談してみる?」


「でも、施設長とあいつの会社の社長は友達でしょ?何か言いにくくてさ。」


「確かにそうよね。この前、施設長と社長さんに会ったんだけど、仲良さそうだったもん。」


真琴と美穂もまた行き詰まっていた。


「あいつから社長に言ってもらおうか?」


「そうね。ルインさん?の事を聞いてもらうのがいいね。」


「よしっ」と真琴は総一に電話をかけた。


──ん?真琴?


総一が電話口に出るなり


「あ、あんた、社長にルインの事、聞いてよ?」


真琴はいつでも前振りなく本題に入ってくる。


「いや、それが出来ないんだよ。ずっと体調不良らしくて、出社もしてないし、電話にも出ないんだよ。」


「何それ?ほんと、あんたは使えないわね。」


「いやいや、仕方ないだろ?とにかく社長と連絡が取れ次第、ルインの事は聞くから。」


──子供たちに何かあったら教えてくれ。


と言いかけたが、それは言わなかった。


「分かった。じゃあ。」


用件が終わり、そそくさと電話を真琴は電話を切り


「社長さん、体調不良で連絡取れないらしいよ。」


総一との電話を終え、事態の進展が無いことを美穂に伝える真琴。


「え?そうなの?私が見たときは元気そうだったのに、急に体調崩しちゃったんだね。」


「いや、ずっと出社もしてないって。」


「え?ずっとってどういう事?」


美穂の驚いた態度に、真琴も驚く。


「い、いや、あいつがそう言ってたから。」


「でもね?真琴ちゃん?」


「ど、どうしたの?」


「さっき、施設長と会ってる社長さんに会ったって言ったじゃない?」


「うん。それがどうしたの?」


「それ、昨日の事だよ…。」


──いったい、どういうこと…。


真琴の中で総一の会社の社長への疑惑が大きくなっていく。

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