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第29話 力には力だ。

僕が【時空転移】を発動すると桃色のドアが出現した。


レナと一緒に桃色のドアを開くと、その先には湯船に浸かっているシルバーの姿があった。彼女は浴槽の中で体育座りをしており、彼女の胸の膨らみが浮力により水面にぷかりと浮き出しているのが見える。


シルバーは素っ裸の僕たちに気付き、顔を上げた。


「京太さん……、レナ……」


シルバーは驚いた様子で呟いたが、僕とレナは構わず浴室に入っていった。


「シルバー、突然ですまないが一緒に風呂に入らせてくれ」


「えっと……、うん……」


彼女は何やら戸惑っているようだったが、了承してくれたようだ。


「実は、僕はもうシャワーを浴びてしまったんだけど、せっかくだからみんなで入ろうと思って……」


「……そっか」


彼女は小さく返事をした。そして、何か言いたげにこちらを見つめている。


「どうかしたか?」


「……なんでもない」


彼女は顔を赤らめて俯いた。彼女はなぜか恥ずかしがっているように見える。僕は不思議に思った。すると、僕の隣にいるレナが口を開いた。


「キョウタ、シルバー……、私はまだシャワー浴びてないから、借りるね……」


そう言って、レナはシャワーで体を洗い始める。シルバーはというと、何故かじっと僕のことを見つめていた。僕は彼女に尋ねる。


「どうした?……僕の顔になんかついてるか?」


「……そういうわけじゃないけど……。ただ……、なんていうか、しばらく会えないと思ってたのに、急に目の前に現れたからびっくりしちゃったのよ」


「ああ、なるほどな」


僕は納得して相槌を打つ。確かに、数日前にこのアンダーワールドの59階層の宿で彼女と一晩過ごしたばかりだ。こんなに早く僕がタイタンに来るとは思ってなかっただろう。


「シルバー、僕も湯船に浸かってもいいかな?」


僕が尋ねると、シルバーは黙ってこくりと首を縦に振って答える。僕は湯船に足を入れて、ゆっくりと腰を下ろしていく。体育座りをしている彼女と向かい合うような形になる。お尻が浴槽の底に付くと、全身にじんわりとした熱さが伝わってくる。少し熱いくらいだが、それが気持ちよかった。少し視線を落とすとお湯の中で彼女の美しい肢体が揺れ動いているのが見える。それから、彼女の胸の方に視線を向けた。お湯の上に浮かぶ彼女の膨らみは、まるで岐阜県大垣名物の水まんじゅうのようであった。ツヤがあり、プルンとしている。僕は思わず、彼女の大きな二つの水まんじゅうに見惚れてしまう。そして、眺めているうちにどうしても我慢ができなくなり、ついにその水まんじゅうに手を伸ばして触れてしまった。僕の指は柔らかく沈み込んでいく。それはとても温かく、手に吸い付いてくるように滑らかだった。


すると、シルバーはびくりと震えた。彼女は驚いているのか、それともその行為を受け入れてくれたのか、どちらなのかよくわからない反応だった。


「ちょっと……」


彼女は頬を赤く染めながら言う。怒っているわけではないと思う。僕はシルバーの大きな胸の膨らみに両手を添えて、それを揉んでみた。彼女は抵抗しない。むしろ、受け入れてくれているように見えた。彼女の胸はとても柔らかい。それに温かい。ずっと触っていたいと思った。しかし、ふと我に帰った。隣にはシャワーで体を洗っているレナもいるし、これはまずいと気付いたのだ。今、僕は何をしているんだろうと……。


僕は恐る恐る顔を上げて、シルバーの表情を確認した。彼女は相変わらず無言のままだ。その瞳はまっすぐに僕を見つめている。しかし、どこか物欲しげな感じにも見えた。


僕は彼女の胸から手を離す。すると、彼女は残念そうな顔を見せたが、すぐに元のクールな顔に戻った。それから僕は自分の顔が赤くなっていることに気が付き、慌てて顔を伏せた。


「ごめん……」


小さな声で呟くと、シルバーは微笑む。


「別にいいわよ」


僕は安堵のため息をつく。シルバーは怒ってないみたいだし、良かったと安心する。


「でも、いきなり胸を触って来るとは思わなかったなぁー」


シルバーは悪戯っぽく笑う。僕は恥ずかしさで顔がさらに熱くなるのを感じた。


……


しばらくシルバーと向き合って湯船に浸かっていると、レナは体を洗い終え、浴槽の方へと近づいてきた。彼女の橙色の髪は濡れていて艶やかに輝いている。彼女の白く若々しい肌は新車の撥水コーティングのように水を弾いていた。肌の表面の丸い雫が重力に逆らうことができずに下へ流れ落ちていく様子は、まるで、洗車したばかりのフロントガラスのようだ。水滴が彼女の体の上を踊っているかのように見える。その姿は美しく、芸術的でさえあった。


そして、レナは、向かい合って体育座りをしている僕とシルバーの間に割り込むようにして入って来る。彼女のお腹から腰、太ももにかけて、洗ったばかりの美しい肌が眼前に迫り、思わず見入ってしまう。彼女の体つきにはまだ幼い感じも残っているが、柔らかそうな脂肪が程よく乗っていて、女性らしい丸みを帯びていた。特に、お尻や太ももの柔らかそうなお肉は、思わず触れてみたくなってしまう。


レナは僕とシルバーの間にしゃがみ込むように湯船の中に入って来てから、僕の方に背中を向けて寄りかかって来た。そして、そのまま、僕の肩に頭を乗せてくる。シャンプーの香りだろうか?柑橘系の爽やかな匂いが鼻腔を刺激してきた。彼女の髪についている水滴が、僕の方にも落ちてきて、首筋に触れる。彼女の髪から流れてくる雫は空気に触れて少し冷えているが、肌に伝わる感覚は何とも心地よいものであった。


それから僕は、あまりお互いの敏感な部分が触れないように注意しながら、腕を彼女のお腹の方に回してそっと抱きしめた。彼女の体は柔らかく、温かい。彼女の体温を感じると心が落ち着くような気がした。


シルバーはそんな僕らの様子を見て、微笑んでいるようだった。


「京太さんとレナって……、本当に仲が良いのね」


シルバーは優しい口調で言う。


「うん!」


レナは元気に返事をした。その声を聞いてシルバーは優しく微笑む。


「ところで二人は、これからどうするつもり?」


「そうだな……、それじゃあ、本題に入ろう」


僕はシルバーからタイタンの状況について知っていることを聞きたかったし、これから僕とレナがやろうとしていることを説明しようと思っていた。


「シルバー、今朝ニュースで見たんだけど、タイタンの各地で原因不明の爆発が起きてるよね。あれについて何か知ってることはないかな?」


「ああ、アレね……。私もよく分からないけど、おそらく、アンダーワールドの武装集団による攻撃じゃないかしら」


「そうか、僕たちもそうじゃないかと思っていて……、それと、レナが過去に販売した時限爆弾が使われたんじゃないかと思ってるんだ」


「えっ!? そうなの?」


「うん……、その可能性が高いと思っている……」


「…………」


「……レナの爆弾が悪用されてしまったことはさておき、とにかく、僕たちは犯人を見つけて、テロ行為を止めさせないといけない」


「そうね……」


シルバーは納得するように言った。


「……それで、私の【探索】スキルで犯人を捜してほしいということかしら?」


「うん、100階層に武装集団が潜伏しているという噂があるそうだけど、君の力で彼らの居場所を突き止めることはできるかい?」


「えっと、私の【探索】スキルはレーダーみたいなものなの。爆弾を検知することもできるけど、障害物が多すぎると探せないこともあるわ。だから、100階層まで行ってからじゃないと、見つけられないかも……」


「いや、それでも十分だ」


僕はシルバーに礼を言う。彼女のスキルは生命体の反応を検知できるし、レナが作った爆弾の反応を検知することができるなら、武装集団の隠れ家を見つけられる可能性は高いだろう。


「それで、もし私が敵の居場所を特定できたら、どうするの?」


「敵の隠れ家にレナの時限爆弾や地雷を設置してから、敵を脅迫するつもりだ。彼らの逃げ場を無くして降伏させる。もちろん、敵が投降しない場合には爆弾を作動させることも考えているよ。それが僕たちの作戦なんだ」


「ふーん、なるほどね。でも、武装集団はどうしてテロを起こしているのかしら? その理由が分からなければ、最悪の場合、いくら爆弾で脅迫しても彼らが言うことを聞かないかもしれないわ」


「その可能性もあるけど……、それは僕たちがなんとかして聞き出すしかないと思う。何れにせよ、相手に釣り合うだけの武力がないと相手にもされないだろ?」


「それもそうね。それじゃあ、私はそろそろ上がることにするわ。二人とも長風呂はしない方がいいわよ。のぼせちゃったら大変だし」


そう言って、シルバーは立ち上がってから浴槽から出て行こうとする。僕はその彼女の後ろ姿をじっと眺めていた。彼女の背中は美しく魅力的だった。色白で、ウエストは細く引き締まり、女性らしい滑らかな逆三角形を描いている。そこから視線を下げていくと、腰の辺りからお尻にかけて美しい曲線美を描いていた。肉感的なヒップはキュッと上向きに上がっている。そして、筋肉質な美脚はすらりと伸びていて、足首は細い。彼女が歩くと、薄く柔らかい脂肪の中で大腿やふくらはぎの筋肉がうねっている様子が見える。その様子が妙に艶めかしい。僕はそんな美しいシルバーの姿に見惚れてしまっていたのだ。


すると、シルバーはそんな僕の気持ちを知ってか知らずか、こちらを振り向いて微笑みかけてきた。その瞬間、僕の心臓の鼓動が高鳴り、慌てて目を逸らす。


彼女は微笑みながら浴室を出て行った。


……


シルバーがいなくなると、途端にレナが僕の方に振り向き、僕の体をギュッと抱きしめてきた。彼女は顔を真っ赤にして恥ずかしそうにしている。そして、僕の耳元で少し甘えたような声で囁く。


「シルバーの体、すごく綺麗……。私とは全然違う……」


それからレナは自分の体を確かめるように胸を揉んでみたり、下半身を撫でたりしてみた。確かにシルバーの体と比べたらレナの体は普通の女の子という感じに思える。レナは胸の大きさこそ顔立ちの割に大きめであるが、全体的に子供っぽい印象を受ける。しかし、僕はそんなレナの体型が大好きなのだ。


「いや、レナだって十分可愛いじゃないか。それに胸も大きくて、女の子らしくていいと思うぞ」


「えへへ……、ありがとう。でも……、シルバーと比べるとやっぱり見劣りしちゃうかなって思って……」


「そんなことないって。レナはスタイルもいい方だと思うぞ」


「そうかなぁ……、そうだといいんだけど……」


レナはそう言いながらも嬉しそうに笑っていた。


「それじゃあ、僕たちもそろそろ出るとするか」


「うん!」


僕たちは湯船から上がり、脱衣所に向かった。



つづく

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