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いつもの仲間と異世界道中!  作者: ミドリムシ
学園編
52/70

第五十話 またしても走る

直樹達はビビに「また」と言って仮眠室に戻って明日に備えた。



~674年、風の月、第4日~


朝一に直樹達は騎士達と交渉し(主にアルフィンが)、ビビと偽者達を連れて王都に向かうことにした。王様に直談判するために。


直樹達5人は例の如く走りで、アルフィンは馬に乗っている。ビビは5人でジャンケンをし、負けたものが背負いながら走るという事で現在は佐東が背負っている。


背負われる側のビビは残念賞扱いなので不満そうだが、拘束はほぼしていないので楽なのは間違いないだろう。


偽者達は死体なので良平のアイテムボックスの中だ。誰かという事くらいは顔を見れば分かるだろう考えのもと、一応証拠になると信じて持ってきた。直樹、宮本、佐東の3人はが顔を攻撃しなくて良かったと安堵した。


ビビ曰く偽者達はラスウェル王国の暗殺部隊の者だそうで、王様や宰相は顔を知っているかもしれないと言われた。


しらを切られてもアルフィンと勇者(一条)が襲われたという事実と召喚者を隷属化した事実があるのでなんとか王女に仕返し出来ると考えている。


ただそれを防ぐ為に、王女は妨害工作を企てる可能性があると昨日の夜に話し合った。所謂(いわゆる)口封じである。死人に口無しということだ。


実際にそれは起こった。直樹達が学園都市ルスティアから出発してから6日後の夜だった。王都までは後、3日かからないだろう距離でだ。


直樹達は街道沿いに焚き火をして少しゆったりしながら話し合っていた。


「やっぱ野宿の方がいいよなー」


「もう、その話何回目さ…」


直樹が焚き火を見ながらわくわくした顔で言うと、良平はうんざりした顔で言った。


「えーっと、ルスティアを出てから毎回言ってるから6回目だな」


「わかってて毎回言ってるんだね…」


「もちろんだ!」


「はぁ…」


良平はこめかみを押さえながら大きく溜め息を吐いた。


「そんなに溜め息吐いてたら幸せが逃げるぞ?」


「誰のせいだ!誰の!!」


良平を見ながら直樹が言うとキレた。いや、キレた言うほどではないが、最近の溜まってきたストレスを発散しているのだろう。それが直樹の狙いでもあるのだが、その行動も良平のストレスが溜まる要因の1つでもあるため良いか悪いかは微妙だ。


良平はこの5人の中ではまだ常識人で、パーティーの頭脳で間違いない。その自覚があるせいか1人で考えてしまい、抱え込みすぎるきらいがある。


他の常識人の智哉もいるが、智哉も時には宮本と佐東に引きずられて色々やらかしてしまうことがありプラスマイナス0なのだ。そして良平に負担が掛かってしまいストレスが溜まる。


直樹が何とかしてストレスを発散させようとするが大抵裏目に出るのでどうにかならないかと考えている。良平が愚痴を吐いてくれたりすれば楽なのだが、そんなことは無いため、いつか潰れてしまわないか心配なのだ。


良平に女が出来れば変わるんじゃね?と考えているが、今のところ良平が好意を寄せている女性がいないのでどうすることも出来ないでいる。


そういう事をこういうゆったりとした時に考えていると、同じ様に目を瞑ってゆったりとしていた佐東に反応があった。


「誰か来るぞ」


「何人だ?」


「数にして20~30だな」


「わかった」


その誰かは全員が予想出来ている。王女がまた暗殺部隊を仕向けて来たのだ。そして直樹が指示を飛ばす。


「アルフィンとビビは同じところに固まってくれ。宮本と智哉はその2人を守れ。佐東は遊撃を意識を奪うだけでいい。良平は援護を頼む。俺は良平を守りながら暗殺者を迎え撃つ。いいか?」


「わかった」「いいよ」


「「「「おう!」」」」


直樹達は身軽だった今来ていた旅人の服を戦闘用の装備に切り替えた。


そしてそれぞれの役割をしっかり果たす為に敵が来ると思われる背後の森の方を向き身構えた。


そのまま数分が経過して、やっと敵の姿が見えた。黒い服装で口元も覆っていて目しか見えなかった。


「止まれ!お前らは誰だ!」


直樹が大きな声で問い掛ける。それは絶対相手に聞こえただろう。しかし、相手は答えずにただこちらに向かってくる。


直樹達は5人とも先頭にいるやつに"鑑定"した。


―――――――――――――――――――――――

名前 ゴルゴッサ 年齢 35 性別 男 

レベル:42

種族:人族 天職:暗殺者 

体力:426

魔力:67

筋力:93

敏捷:121

耐久:68

魔攻:69

魔防:58

属性 無

スキル暗殺術 短剣術 隠密

エクストラスキル

称号『影に潜む者』

―――――――――――――――――――――――


「「「「「サーティーン!?」」」」」


そして5人揃ってつっこんだ。


「スナイパーじゃないのが残念なところか」


「思い切り接近戦だな」


「佐東と宮本は冷静に解析しなくてもいいから!!」


最後に智哉が2人にツッコミをいれた。


それを見てアルフィンが驚き、ビビも"鑑定"したようで納得したように頷いていた。


直樹達は驚きからすぐに立ち直ったが、ゴルゴッサしか見れず他の者達もあと数mまでやって来ていた。


暗殺者達は何も言わずにただ短剣を振るって来た。中には弓で遠距離で攻撃してくる者、魔法で支援していたり援護を行う者、吹き矢を使ってくる者もいた。


ただそれを直樹は


「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!」


と言いながら全ての攻撃を身体強化魔法と気闘で防ぎながら暗殺者を切り捨てている。しかしどれもが急所からは外れている場所で、致命傷にはならずに最後は首の後ろを空いている手で叩き気絶させている。


良平は安全に魔力障壁という、魔力でできた壁を用いて攻撃を防ぎ無詠唱で雷魔法『スパーク』を使い、死なない程度の電流を流し気絶させている。


佐東は気闘を使って身体強化を行い、闇魔法『シャドーハイド』とスキル"隠密"を使いながら敵の背後を取り意識を奪い取っていく。『シャドーハイド』は闇に隠れて気配、臭い、音などを相手に感じさせないようにさせる魔法だ。闇の中や影がないと使用できないという欠点があるが逆にその中でなら強い。それに加えて"隠密"を使用している為により気付かれずに相手の背後を取ることが出来る。まさに天職暗殺者に相応しい。


宮本と智哉は敵が背後からも来るかもしれないと周りを見るが周りは街道で特に何も見あたらず特に何もすること無く3人の戦闘を見守っていた。その中でも警戒は怠らなかったのは流石である。


それから十数分後戦闘は終わった。もちろん誰一人殺してもいないし、直樹達も怪我をしていない。


智哉を2人の守りを任せて残りの4人で合計26人いる暗殺者達を縛った。自害させないように服も剥いで口も布を猿轡代わりにして縛った。


そしてまず1人を起こして更なる情報を得ようとした。




次回更新は明日か明後日の20:00頃です。

用事が入るか微妙なのですみません…

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