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いつもの仲間と異世界道中!  作者: ミドリムシ
学園編
44/70

第四十二話 最後の晩餐?

そして第二予選が始まり、それからはそこそこ真面目に仕事をして第八予選まで終わったのだった。


その日の夜、寮の食堂にて直樹達はアルフィンとビビと供に夕食を食べていた。ビビがいるのは食堂は男女共有だからだ。


「いやー、それにしてもアルの魔法はえげつないのが多いよな」


話題と言ったらやはり本日行われていたランキング戦の予選のことだった。


「あれは俺だけの知識じゃないぞ?何てったって一緒に良平と考えたんだからな」


言われた本人は恥ずかしそうに頬をポリポリとかいている。


「確かにあのコンボは以前俺達もやったことあったからな。あの時も良平の提案だったしな」


宮本が懐かしむように言った。それに佐東と智哉も頷いている。直樹は首を傾げてそんなことあったっけ?と呟いていたが誰にも聞こえず答えて貰えなかった。


「アルの属性が水、土、雷って聞いたときにもうパッと思い浮かんだよね」


少し調子に乗って良平が話し始めた。その良平を注意深くビビは見ていた。誰かが話していると注意深く見るのは癖らしいので直樹達は気にせずにいた。


「正直その3属性を持ってたら広範囲の敵を倒すには水、雷で十分だけど安全性の為の土だよ」


良平がアルフィンに教えた戦法は至って単純だった。舞台の周りには土を多少固めて、自分の足元には土台を作る。そして舞台上全体に純水ではない水をかけて水浸しにしたあと、雷と言うよりも電気を流せばいい。と言ってそれを実際にアルフィンは行い同じSクラスの山上も巻き添えにして1人だけ勝った。


それによりもう1名をどうするかという問題になったが少しして山上が起き上がったのでアルフィンと山上が決勝トーナメントに進出することが決まった。


良平が粗方話終わってスッキリしたような表情になっていると逆に直樹や宮本、佐東は不満な表情になっていた。


「俺達もアイディアを出したんだけどなー。全部却下されたしなー」


「何がいけなかったのかわからん…」


「完璧だった」


三者三様な文句を垂れる直樹達にあの男は黙っている筈もなかった。


「お前達のアイディアは酷すぎるんだよ!直樹の場合は「みんな窒息させればいいんじゃない?」だろ!?バカみたいな魔力消費するし、死人が出たらどうすんだよ!!宮本は何が「ゴーレムでプチっと。だってゴーレムは男のロマンだろ?」だよ!まず、「だって」てなんだよ!!そして「プチっと」は死んでんじゃん!?佐東は何が「脳に直接電気流せばきっと楽にやれる」だ!「や」の変換は「殺」だろ!?確かにお前のが一番簡単に()れるよ!!でもランキング戦でそれはしちゃいけないんだよぉぉぉ!!」


ここまで呼吸を1回挟み凄まじい早さで言い切った智哉が今はぜぇ、ぜぇしながら謎の達成感に包まれているように直樹達達には見えた。


「うーん。残念だったな」


「ゴーレム…ロマン…」


「冗談だったんだが」


3人が呟いていたのだが、佐東の言葉だけは誰もが耳を疑った。


「佐東?今なんて?」


良平が聞き返してしまう始末だ。それぞれが聞き逃さないように耳を寄せて呼吸までも止めた。


「ん?冗談だったんだが、か?」


戦慄が走った。


「明日は雨が降るぞ!」


「雨なんかじゃ済まないよ!きっと槍だ!」


「天災が起きるかもな。しっかり準備しておくぞ!!」


「佐東!目を覚ませ!」


「明日、明後日のランキング戦が不吉にな予感がするな」


「クスクス」


直樹達4人にアルフィンとビビも加えた反応を見て佐東はしょぼんとし、哀愁が漂い始めた。


「いくら俺だからってそれは傷付くぞ…」


「いや、悪かったって。佐東が冗談だと自分から言うのが珍しくてさ。つい」


「つい、とか言っちゃってる時点でアウト!」


直樹が一応の謝罪をするが智哉が揚げ足を取ってつっこんでしまい微妙な空気になった。それを払拭しようと良平が喋った。


「ちょっと以上に意外だったかな、アハハハ」


「笑って誤魔化そうとしてる時点でアウト!」


又しても智哉がつっこんできてしまい、更に微妙な空気になった。本日の智哉は久し振りのツッコミと言うこともありキレが足りない。


「佐東、ごめんな。天災が起きるとか言って。本当は天災じゃなくて天変地異って言って欲しかったんだろう?ごめんな」


「そこじゃない!そこの問題じゃないんだ!!」


智哉のツッコミよりも早く佐東がツッコミを入れた。そして佐東の説教が始まり───僅か1分で終わった。


実際には1分も掛かっていないだろうが。


何せ言ったことが「自分だって冗談だって判って言ってる時があるんだ」ということに要約できる。直樹達もはいはいと適当に返事をして返していた。だがそんな適当な返事でも佐東は嬉しそうだったので良かったのだろう。


いつもの佐東なら大抵は無視されるかつっこまれるかの2パターンだ。今回は返事パターンだったので本人のお気に召していたようだった。


それからはまたランキング戦の話に戻った。


アルフィンのグループは4だったので他のグループはどうだったなどと。


Sクラスからの決勝トーナメント出場者は一条、キルロ、村雲、ガルロ、セリヌッス、アルフィン、山上、ミレイヌ、アンリエッタ、トト、レティスの12名だ。この人数は凄いと言えるだろう。直樹達がいない段階で残りは18名だ。その内12名が進出。そう考えれば6割以上も進出していることになるので上出来だろう。


他のクラスはAクラスから3名いる。1人は直樹達が学園都市に入る際の門で見かけたアルフェルト公爵家のご子息だそうだ。もう1人がガルロの弟分らしい。最後の1人は平民の女子だった。


そして16人目はGクラスからで逃げ回っていたらいつの間にか終わっていたと本人が言っていて、村雲と同じグループだった平民君だった。


正直直樹達は沢山の生徒を見ていたので誰が誰とか名前までは覚えていられなかった。 だから全然分かっていないのだった。


直樹達はそこそこ時間が経ち眠くなってきたのでお開きにしようと言って別れた。


その時にビビが別れ際に言った。


「あたしもさっきアルフィンが言った通りに不吉なことが起きそうだなって思ってるから気を付けてね。それじゃおやすみ」


佐東はそれを聞いて「もう、やだ…」と落ち込んでいた。直樹達はビビの言っているのはどうせ佐東をからかっただけだろうと考えていた。


だからそれは起こった。いや、起こってしまった。


「罪人である『グオノット』を捕縛する!」


ランキング戦が全て終わった次の日、直樹達『グオノット』は捕まった。




次回の更新は2月6日の20:00頃を予定しています。ただ厳しくなるかもしれませんので無理なら2月7日です。すみません…


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