表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

第三章 伝説の薬草を踏んでいた件

ルナのおばあさんのもとで修業を始めて三日目。


アリアは朝から森へ薬草採取に出かけた。


「あっ、これはヒールワート。それとブルーセージ……あ、モスフェンも生えてる。それにしてもこの辺の森、種類が多いなあ」


るんるんと草を摘みながら歩いていると、足元に見慣れない草があった。


葉が銀色がかった緑色で、光に当たると微かに輝く。茎が細くて、普通なら見落としそうな小ささ。


「これは……なんだろ。雑草かな」


アリアはひょいと摘んで、かごに放り込んだ。


帰宅すると、ルナのおばあさんがかごをのぞき込んだ。


「良く採れたね……」


ルナの手が止まった。


「……あんた、これどこで採った」


「あ、その銀色のやつですか。なんか光ってたので。雑草かと思って」


ルナのおばあさんの顔色が変わった。


「雑草……」


「違いましたか?」


「違う」ルナは震える手でその草を持ち上げた。「これはシルバーリーフ。百年に一株あるかないかの幻の薬草だ。万病に効くと言われて、存在すら疑われてた植物だよ」


「え」


「王宮の薬師が一生かけても見つけられなかったものを……」


「雑草じゃなかったんですか」


「雑草じゃないよ!」


アリアは固まった。


ガリウスが部屋の隅でお茶を飲みながら、静かに言った。


「……似たようなセリフを聞いた気がします。なんでも普通じゃないんですね、あなたは」


「褒めてます?」


「褒めていません」


ルナのおばあさんは、シルバーリーフをそっと台に置いて、アリアをじっと見た。


「あんた、どうやって見つけた?」


「なんとなく、光ってたから」


「光が見えたのかい」


「見えましたけど……見えない人もいるんですか?」


ルナは長い沈黙のあと、深くため息をついた。


「やっぱりそうか。あんたには薬草の目がある。これは生まれつきの才能で、百年に一人出るかどうかの話だよ」


「……え」


「聖女として失格になったのは、神様がしくじったんだろうね。あんたが持ってた力は、聖女の力じゃなくて、薬師の力だったってことだよ」


アリアはしばらく黙った。


百年に一度の聖女の儀式でクビになった日と、百年に一株のシルバーリーフを踏んでいた日が、同じ週だった。


「……私の百年、ちょっと密度が高すぎませんか」


ルナがくっくっと笑った。ガリウスがお茶を吹き出した。


「お前は本当に……」


「なんですか」


「何でもありません」


ガリウスが珍しく言葉を詰まらせた。アリアはそれをよく見ておこうと思ったが、彼はすぐにいつもの仏頂面に戻ってしまった。


その夜、ルナが少しだけ声を落として言った。


「ひとつ、覚えておきな。シルバーリーフのことは、村の外では話さない方がいい」


「なんでですか?」


「王都では、薬師ってのは立場が弱いんだよ。病を治すのは神の御業だって、教会が言い張るからね。腕のいい薬師が目立つと……昔から、いろいろあった」


「いろいろって?」


ルナは答えなかった。ただ、少しだけ遠くを見るような目をした。


アリアはその表情が気になったが、深くは聞けなかった。


---



---


※この続き(第四章以降・全10章)はKindleで読めます。


▼「笑われてクビになった聖女、実は伝説の薬師でした」

https://www.amazon.co.jp/dp/(ASIN)


Kindle Unlimitedご利用の方は無料でお読みいただけます。

ここまで読んでいただきありがとうございます!


笑いすぎて聖女をクビになったアリアが、辺境でルナおばあちゃんと出会い、薬師としての才能が開花し始めました。


第4章以降では——


・不治の病の少女との感動の出会い

・村が国中に知れ渡るほどの大騒ぎ

・王都の大神官からの妨害

・ガリウスとの関係の変化

・そして聖女の真実が明らかに……


——と展開していきます。


続きはKindleでお読みいただけます。

Kindle Unlimitedご利用の方は無料でお楽しみいただけます!

https://www.amazon.co.jp/dp/B0H21C1PC2

▼Amazonで検索

「笑われてクビになった聖女、実は伝説の薬師でした」

著者:九十九 ぐるり


引き続きよろしくお願いします!

             九十九 ぐるり

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ