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デルタ・ワン(クロスロード編)  作者: NabYu
1章:冒険
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N

カート達との出会いから数日後の夜、ネモは荒野に1人で佇んでいた。すると突然、地中から、地面を割るようにツタが勢いよく飛び出してくる。しかし、ネモは、驚くこともなく、その場に立ち続けている。ツタがネモに触れそうになるや否や、ネモは楽しそうに口角を上げ、ツタをかわす。身を捻りながら、腕の装置に電池をセットした。腕の装置からエネルギーのムチが伸び、周囲のツタを焼き切っていく。ツタの動きが弱まると、再び腕の装置を操作し、ムチを収納した。ショクブツ達が狼狽えている隙に、ネモは腰を低くし、手を地面につけてしゃがみ込んだ。すると、ネモの背中にエネルギー体の羽が出力される。ネモは飛び上がり、コウモリのように空中を、滑空しながら地面に向けて光線を乱射する。地面が割れ、地中に潜んでいたショクブツ達を倒していく。

ショクブツを倒し終えると。腕の装置から、着信音が鳴りはじめた。

ネモは着信音を止め、腕に装着した機械に向かって話し始める。「頼まれた新種の調査は、終わったぜ。」そう話すネモ。「ok。戦闘データもバッチリだね。」と機械から、青年の声が聞こえてくる。「今回の戦闘で君が羽を出すとは、予想外だったよ。」と続けて話す青年。「何か、問題でも?」と返すネモ。「いや、特には。ただ、先日のことで、、」そう青年が言いかける。するとネモが「勘違いするなよ。」と強く話す。ネモが続けて「俺とお前は、、」と言いかけると、「分かってるよ」と今度は青年が遮る。「君は僕しか知らない情報が欲しい、僕は人手が欲しい、そうだろ?」と話す青年。「分かってるなら、報酬をさっさとよこせ」とネモは苛立ちながら通信を切った。

通信を切られた青年は、薄暗い屋内で、壊れかけの椅子に座っていた。「大丈夫だよ。あいつは、唯一の情報源である僕を殺せないから、」そう微笑み、青年は何かに話しかけていた。その後ろには、鎧のような乗り込み型のロボットが鎮座していた。




カート達が村から戻って数日後の朝、タケルは目を覚まし、ベッドから起き上がる。あくびをしながら、皆がいるテントに向かう。テントに入り、朝食が用意されたテーブルに座ろうとするタケル。「よ!」とコーヒーを片手にカートがニコニコしている。机を挟み、カートと向き合う位置に座るタケル。カートの後方では、マコがベックをしつこくおいまわしながら「私も連れてってくれよ!」と駄々をこねている。「ッチ。オメーら、こいつを静かにさせろ!」とベックはアルとユースに呼びかける。「賑やかだねー。」とカートがタケルに話しかける。「いい加減、慣れた」とタケルは応えた。タケルは穏やかな表情のカートを一瞬睨みつけた後、「なぁ、村で襲われた時、アランになんか合ったのか?」とカートに問いかける。「自分が何もできなかったのが悔しかったんだろうな、」と呟きながら、洗濯物を抱きかかえて移動するカート。カートと一緒に洗濯物を干しながら、「それでアランは帰ってこないのか?」とタケルは言った。「アランもしばらくひとりでいたいんだと思う。しばらくそっとしておいてやれよ。」と真剣な面持ちで話すカート。「意外だな。お前なら、明るくアランを励ますと思ってた。」とタケルが言う。カートは「アドバイスはしたさ。」と応えた。タケルは「へー、どんな」と少し揶揄うように問いかける。「俺の昔話をしてやった。」とカートは笑いながら話す。「あんたの昔話か、俺も聞きたいな」と返すタケル。するとカートは悲しそうに、少し笑いながら「悪いな、今は話せないんだ」と言った。タケルは、冗談で少しいじけてように「何だよ、アランだけ特別かよ。」と呟く。カートはまたしても、どこか悲しげに笑いながら「あぁ、あいつは特別なのさ。」と言う。「どういうことだよ」と少し怪訝に、不思議そうな表情をするタケル。少しの沈黙が起きた後、「俺のfeeling」と笑顔で答えたカート。「アンタなぁ、、」とため息をつくタケル。「まぁ、俺も、あいつは、何か俺らと違うと感じてたんだよ。」そう言いながら、空を見上げるタケル。タケルは続けて「何か、でかいことをやらかすんじゃないかって期待してんだ。」楽しそうに語る。「アランが羨ましいよ。」そう微笑みながら語るカート。「また、あいつを持ち上げて、、」と不満を表すタケル。「悪い悪い」と明るく謝るカート。「昔話はしてやれないが、代わりに何かしてあげよう!」とおどけた口調で話すカート。するとタケルは「それじゃあさ、俺にショクブツとの戦い方を教えてくれよ」と真剣な表情でカートに問い掛ける。タケルの頼みにカートは少し驚きながら微笑んだ。「教えてやるよ。」とカートは気前よく返事をした。「まずは、体力作りからだな、、」そう言って、タケルの背中を叩き、食卓に戻っていくカート。「男に二言はないからな!」とタケルは呼びかける。

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