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はじめてのお宝

人里離れた森の奥

剣を振り鍛練を積む父ブラッドとまるでピクニックに来ているかのような少女アリーシャの姿があった。


『退屈だなぁ。ねえねえ、お父さん!アリーシャ向こうのお花畑で遊んでくるね!』


<おーい!あんまり遠くに行くなよ。>


駆け足で父のもとから離れるアリーシャだったが向かった先は花畑ではなくいつも父から近寄らないようキツく言いつけられていた洞窟であった。


『へへへ!1度来てみたかったんだ。探検だぁー!』


この時のために洞窟の角に置いておいた松明に火を灯しためらいなく進んでいく。


『アリーシャ探検隊!アリーシャ隊長に続くのだー!』




そのころ鍛練に励んでいた父であったがやはり娘の事が心配で修行に集中できないでいた。


<アリーシャのやつお花畑に行くって言ってたけど大丈夫かな?どれ、少し様子を探ってみるか。>


父は剣を鞘にしまうと目を閉じ意識を集中する。

まばゆい光がブラッドを包む

ーーースキャニス!

そう、唱えるとまばゆい光が一気にブラッドの両の眼に凝縮する。


<チッ!相変わらず探知魔法は苦手だ。中位魔法が精一杯な上に時間がかかりすぎている。>


※スキャニス…対象を1人定め、その大まかな位置を特定する。但し対象の姿、声を把握していなければ発動されない。


<って!アリーシャのやつ花畑になんていないじゃないか!あそこは…はじまりの洞窟!ヤバい…今の時期はとにかくヤバい>


血相を変えアリーシャのもとに最速で向かう父ブラッドであったがそんな父の事など知る由もなく、アリーシャは探検ごっこに精を出していた。


見たこともない植物、空気の冷たさ、どこまでも響き渡る声。そのすべてが少女の心を踊らせた。

中でもひときわ少女の心を奪ったのは黒く鈍い輝きを放つ石であった。


『うわぁ!こんなのはじめて!真っ黒ですごく硬い。こんなの見たことないよ』


だが、初めて見る光景に心を奪われ、そんなアリーシャを洞窟の奥の深い闇から観察するおびただしい数の赤い眼にこの少女は気づけずにいた。

ひとしきりその漆黒の石を観察し松明を更に洞窟の奥に向けたその時。彼女の眼前にはおびただしい量のそれがいたのである。


『い…いや…お父さん。お父さん。たす…たすけ…』


始めこそアリーシャの様子を伺っていた大量の群れであったが少女1人でわかるといなや、けたたましい声と共に襲いかかってくる。


“キェッ!キェッ!キェー!キェー!”


『おと…おとう…』


<マイクロウェーブ!!>


ドサッ…ドサッ…ドサッ…

そこには意識をなくし地上に落ちる大量の群れの姿があった。


<アリーシャ!大丈夫か?ダメじゃないか!あれは、レッドコウモリと言ってね普段はおとなしいがこの時期は繁殖期で狂暴なんだ>


『死んじゃったの?』


<死んではいないよ。マイクロウェーブという魔法を使ったんだ。この魔法はモンスターが嫌がる微弱な超音波を出す魔法なんだ。通常の使い方はモンスター避けなんだけど、レッドコウモリ程度なら直撃させれば気絶するのさ。>

<それはそうと、アリーシャ!!お父さんこの洞窟には近づいたらダメだって言ったよね?本当に危ないんだ。>


『はぁい!ごめんなさい。それでね、それでね。』

『お父さん!これなあに??』


父の説教より目の前の興味が勝つのかと怪訝な表情を見せるブラッドだったが説教は後回しにして我が子に知識という成長を促すことにした。 


<お!アリーシャ、よく見つけたね。それは鉄鉱石という物だよ。>


『てっこーせき?なにそれー?』


<鉄鉱石っていうのはね溶かして剣や槍に使うんだ。お父さんの持ってるこの剣にだって使われているし、お母さんが料理で使っている包丁にだって使われているんだよ。>


『へえー!すごいんだね!てっこーせき!』


<そうだね!それに鉄鉱石は街のトレジャーギルドの換金所に持っていけば買い取ってもらえるんだよ。よし!アリーシャ!今からその鉄鉱石を持って換金所に行ってみようか。>


『わぁーい!』


<換金所に着くまで説教だからね!>


『お父さん!換金所って何??』


父ブラッドは換金所に着くまで換金所の説明をするのであった。

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