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第49回

 2025年12月31日。今日は大晦日だ。

 私は実家で年を越す。翌日の正月は夜から元日公演だ。

 年を越したら2026年。2026年は私が4年間通った大学の卒業の年だ。

 ふと私は今年の出来事を振り返っていたら、教育実習での、

 (アイドルにならなかったら、教師になっていたのかな…。アイドルを卒業して…いやいや…。)

 と考えたことを思い出した。

 正直言って今年は2度ステージでセンターに立たせてもらったが、選抜に入れなかった。そして何よりもう来年3月で22歳になる。別の道を選ぶなら今なのかな…。そう思った。

 (別の道を選ぶとなったら学校の先生になりたいな……。来年、大学を卒業するタイミングでAYB32を卒業して非常勤講師からスタートして、将来的に教員採用試験を受けて……。教師になろうかな……。)

 と、真剣に考えた。

 でも、この時、とある人物の顔を思いだした。高坂先輩である。

 (「次の『劇場の女神』はひなちゃんだと思うんだよね!」……。)

 考えれば考えるほど、このまま選抜に入れるか毎回、落胆しつつアイドル活動を行うべきなのか、いっそ卒業して教師になるか迷っていた。その時に思いだした。AYB32でのオーディションやなぜアイドルになりたかったのか……。

 (そうだった。私は応援してくれている人に元気を出してもらえるアイドルになるためにAYB32に入ったのだった。選抜に入るためではない。ましてや人気者になるためではない。ファンの皆さんに応援したい!推したい!と思ってもらい、そして私からは元気や勇気を与えるために頑張ってきたのだった。)

 メディアで売れなくてもいい。むしろこのまま劇場公演に出続けて、それこそ高坂先輩を超えるような「劇場の女神」になってやる。そう決意した。

 そう考えていると居てもたってもいられなくなり、年越しまで3時間前を迎えた、暗闇の中で雪がちらつくベランダに飛び出て叫んだ。


 お読みいただきありがとうございます!

 『売れないっ!』もいよいよ次回で最終回となりました。

 悠真とひなの物語がどこへ行き着くのか、ぜひ最後まで見届けていただけると嬉しいです!

 (面白いと思っていただけたら、ページ下部から評価やブックマークで応援をお願いします!)


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