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第21回

 その日は都内でも雪が降っていた。

 2024年に年が越し、1月8日になった。

 私は午前3時に起床し、AYB32に加入してから一番楽しみにしていたイベントに出かける準備をしていた。

 それは「二十歳のつどい」だ。いわゆる成人式をAYB32は毎年、20歳になるメンバーが艶やかな振袖姿になって抽選で選ばれたファンの方々に祝ってもらう恒例行事である。

 前日は早く床に就いたが、楽しみで眠れなかった。数時間だけ睡眠をとって午前3時に起床した。

 午前4時には今年20歳になるメンバー6人が事務所に集まり、メイクを始めていた。

 「おはようー!昨日、眠れた?私、全然眠れなくて。」

 「私も楽しみで全然眠れなかったよ。」

私は眠たい目を擦りながら応えた。

朝早いこともあり、みんなテンションは低めだったが、その瞳には、

(私もついに、夢にまで見たAYB32の二十歳のつどいに参加できる。)

という高揚感が溢れていた。

私は事前の打ち合わせで白地にピンクの振袖をお願いしていた。

綺麗な振袖を羽織るのは緊張したが、とても嬉しかった。

ついに成人の儀と呼ばれる儀式のために事務所の用意したマイクロバスに乗り込んだ。


成人の儀はとても眠たく感じた。しかし、私はしっかりと意識を集中させて儀式を乗り越えたが、隣にいたメンバーは目を瞑って体がユサユサと動いている。……多分寝ている。軽く肩をトントンと叩くと目を見開いてびっくりしていた。その様子がなんだか微笑ましかった。


成人の儀を終え、金屏風の前で現在の心境や今後の抱負をメディア各社の前で発表する時間となった。翌日のワイドショーで私が映ると思うと、一気に緊張が走る。

「AYB32、20期生の白石ひなです。今日、こうしてメンバーとして『二十歳のつどい』に参加できたこと、とても嬉しく思います。二十歳を迎えるということで内面も外面も素敵な大人になれるように日々感謝を忘れず頑張りたいと思います。」

と、私は挨拶した。

取材の記者から質問があった。

「トップを目指したいことはありますか?」

「私は劇場のステージでトップを目指したいと思います。そして、次のシングルでは選抜に入りたいです。」

と、春奈先輩から受け取った言葉を胸に覚悟の表情で宣言した。

 お読みいただきありがとうございます!

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