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第15回

 AYB32のメンバーとして迎えた2023年の夏、私は多忙を極めていた。

 この夏は20期生単独の公演でパフォーマンス力を磨くとともに、夢にまで見た、東京アイドルフェスタ2023のAYB32の出演が決まった。それも20期生単独で。

 発表の翌日からレッスンは始まり、20期生として初めて披露する曲を含めて振り入れや歌唱練習を繰り返していた。


 あっという間に東京アイドルフェスタ2023の当日を迎え、その日はまさに灼熱の太陽が照りつける真夏日だった。

 私たちは一心不乱に踊り、歌い、ファンの方と一緒に沢山の汗をかいた。

 セットリストには20期生曲の『必然的エモーション』も入っていた。

 「それでは最後の曲になります。沢山盛り上がりましょう…!」

 天野舞はエースらしくファンに煽りを入れた。

 「それでは聞いてください…『いつかのラメライン』」

 そう、『いつかのラメライン』は天野舞が20期生で初めて選抜入りした曲だ。

 「おー…パチパチパチパチ」

会場にはどよめきが上がった。

 天野舞はセンターで『いつかのラメライン』を歌い、踊り切った。

 その背中を見て、私は同期全員でこの曲をパフォーマンス出来た喜びとともに自主練習した分だけの悔しさが込みあがってきた。こんな感覚はAYB32に加入して以来、初めてのことだった。


 家に帰り、SNSで、

≪東京アイドルフェスタ楽しかったよ!ファンの皆さんの声援で走り切れました!今日はとても暑かったからゆっくり休んでくださいねー!≫

と投稿した後、スマホを投げ捨て、ステージ上で感じたあの瞬間の悔しさを思い出した。

 (私もAYB32の選抜に入って、センターポジションを目指したい。)

 そう胸に刻みつつ、シャワールームへ向かった。


 お読みいただきありがとうございます!

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