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第11回

 時を同じくしてAYB32の夏曲の新シングル選抜発表が行われた。

 私は20期生が加入してから2回目のシングルということもあり、まだ同期の選抜入りの可能性はないだろうと思い込んでいた。

 選抜発表は劇場公演の終盤に行われた。順番に前作にも選抜されていたメンバーの名前が呼ばれていく。前日、同期と話していた選抜メンバーの予想とおおむね同じだった。

 モニターに大きく『初選抜』の文字が現れる。

 『天野舞』

 その場にいた20期生は一斉に驚きの声を上げるとともに感極まって泣き出す子もいた。

 隣にいた天野舞は静かに涙を流している。

 おそらく事前に私たちの知らない場で選抜入りを知らされていたのだろう。

 選抜ポジションは裏センターと呼ばれる次世代エースが担う場所だ。

 私は同期の快挙に対する純粋な嬉しさと、そこに選ばれなかった自分への激しい悔しさで、胸が締め付けられた。


 「初選抜の話を頂いてから何で私なのだろうと悩む時もありましたが、選んで頂いた機会を無駄にしないように全力でパフォーマンスさせて頂きます。」

 涙声の中にも天野舞の力強い決心とも言える声が籠っていた。


 劇場公演終了後、楽屋に戻った20期生は一斉に、

 「舞ちゃん、おめでとう」「頑張ってね!」「先輩たちと一緒に踊る舞ちゃんを見るのが楽しみ!」

 という言葉が飛び交った。

 私も天野舞を抱きしめ、

 「何かあったら頼ってね。私たちは同期だから…なんでも言ってね。」

 と言い、肩を寄せ合って涙を流した。


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