第二部 quiet journey :糸
一日目:AM七時二分。
……スインや。
私たちは広間に着いた後、テイラーさんは南西の部屋のロックを開ける為、ハッキングを始めた。
しかし、誰かが二階から飛び降りて来る。
「にゃっとっと。
危ない危ない。
さーてと、侵入者はどこかにゃあー」
見た目は私たちとそう変わらない。
しかし、瞳や顔の骨格は猫に近く、移動時は四足歩行をしていた。
そう言えば、フェル君は年齢の割にかなり幼い雰囲気だった様な?
私たちは、世代を重ねる毎に人間に近付いていったと考えられている。
もしかすると、動物と人間の良い塩梅を研究しているのかもしれない。
どちらにしても、音でバレる恐れがより高まった。
すると、コナさんがドラセナさんの手をすり抜け、
「私が出ます」
と言って姿を現した。
「み〜っけ」
相手は爪と牙を出した。
コナさんはただ、相手の目を見るばかり。
「フィラ。被験体と思われる人物と接触。確保開始」
と通信機越しに話す。
「へぇ、にゃかまがいるんにゃ」
「まぁ、そうですね。
別に、あなたに知られても問題ないので」
相手が飛びかかる。
コナさんは偶然の様に一歩進んで避けた。
そのまま再び相手と目線を合わせる。
「にゃ、じゅいぶん、ヴヴン、随分と手練れだねぇ」
それから二人の像がぼやけた。
おそらく、先程のことを高速で繰り返している。
視線で追っていると目が回りそうなので、ドラセナさんの様子を見る。
一見涼しい顔をして観戦しているだけに見えた。
しかし、コナさんから話した手の指先を僅かながら動かしている。
「「拘束」」
と言う二人の声が揃うと、相手は動かなくなった。
「にゃっ」
よく見ると、光の反射でキラキラと輝くものが。
つまり、コナさんはドラセナさんと一緒に、避けながら糸を張っていたということか。
「私はこのまま、次の敵が現れるのをここで待ちます。三人は部屋の中へ」
その言葉通り、私たちは捕まえた被験体と一緒に南西の部屋へ入った。
私、コナは広間の中央で上を見やる。
広間の形に、天窓が嵌め込まれている。
研究所の白く無機質な様子とは打って変わった、四色をベースとしたステンドグラス。
その四色は緑、赤、白、黒。
しかも、道の方向に合わせて四等分。
……私自身は教養不足ですが、フィラなら何か分かるかもしれない。
「フィラ」
私はステンドグラスの事を話した。
丁度、次の相手が外から入ってきた。
しかし、今度は被験体では無さそうだ。
私たちが倒してきた“精霊”が、大量に集まってきた。
ですが、私の本業はこちらです。




