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【最強チート×重愛ハーレム】 最強チートも王女もメイドも美少女ハーレムもあるのに、異世界生活がハードモードすぎる――負けても迷っても、美少女たちは俺の隣を離れない  作者: ITIRiN
第15章:五歳児になった最強――白崎宗司のかけら

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第183話:白崎宗司のかけら(下)

まあ幼少期というのは人によって成長速度が全然違うなんてことはよくあることだし、同じ年齢でも生まれた時期が違えば違うほど成長度合いに差があるのは当たり前だしってことで、あまり気にし過ぎるのもよくないのだろうけれど、


………ブノワ相手には当然のこととしても、あまり私に対してもそういった態度を見せないにも関わらず、ユリーやナナといった身近な他人相手にはそういった態度を取る理由。


もしそれが、あの子の親である“私達二人”のことが怖くて、本当はしたかったことができず、今回のような場所でしかそういった言動が取れなかったが故に、他の子よりも成長が遅れているというのであれば………。


ふっ、そういえばあの子の本当の両親は私達二人ではなかったわね。


なんて自虐めいたことを思ったところで、丁度ナナとその子に連れられたソウジがこちらにやってき、


「さっ、いつもみたいに椅子に乗せてあげますから、ちょっとだけ大人しくしててくださいね」


そんなナナの言葉に対し、


「んっ」


先ほどまでの実年齢よりも若干幼い言動をとっていたソウジはどこへやら。


今度は大人しいなんて言葉では片付けられないほど年不相応な態度及び行動といった一連の流れを目の当たりにしたのも束の間のこと。


そんなソウジの様子を見て、私とはまた違った意味でなのだろうが驚きを隠せないといった感じの表情をしながらソウジのことを椅子に乗せてあげたナナは、先ほど同様再び意識を切り替え、


今度は二冊のメニュー表をそれぞれあの子の前で広げてあげた後、その隣で中腰になりながら、


「今日は何にしますか、ソウジ様?」


とにかく今、自分がこの場を離れてはいけない。離れてしまえば、この子の心の中は今以上に何か得体の知れない黒く不快なもので埋め尽くされてしまう気がする。


といった、私達がここに来てからまだ数分しか経っていないにも関わらず、核心に限りなく近い予感を抱いてみせたのであろう彼女は、一緒に何を食べるか決めようとしたのだろうが、


まるでそんな気遣いなど一切不要と言わんばかりの速さで目の前のメニュー表に書かれている一つの絵を指さし、まったく感情のこもっていない声で、


「これでいい」


「お子様ランチ……ですか? いや、別にそれが駄目とかってわけではありませんけど……いつもレミアお母様かアンヌお母様のどちらかと来られる時は、決まって大人向けのメニューからどれか一品をお選びになって、それを一緒に来られた方と半分こする。そしてそのかわりに、お子様ランチにはないドリンクバーとソウジ様限定特製プリンをご注文というのがお決まりでしたのに………。まあ店員の私が言うのもあれですけど、確かにお子様ランチの方が安く済みますし、そっちの方が経済的といえば経済的ですけれど……(まさかそこまで考えての選択というわけではないでしょうし……私の考え過ぎですよね?)」


最後の部分に関しては誰かに向けてというわけではなく、あくまで独り言。つい心の声が出てしまったといった感じだったのだろうが、すぐ隣にいたソウジには全て聞こえていただけではなく、しっかりとナナの発言の意味までをも理解したうえで、


(確かにお母さんかママと来た時はいつもそうするし、本当は今日だってそうしたいけど……もう既にお母さんが何を食べるか決めちゃってたから、今から半分っこしようって言ったり、高い方を選んだりするとパパに何か言われそうで嫌だから黙ってお子様ランチにしたんだよ!)


そう心の中でナナの疑問に答えると同時に、物凄く不機嫌そうな表情を浮かべ始めたのが我慢ならなかったブノワが、


「別に好きな物を頼めばいいし、自分の親相手に一々顔色を伺ってあれこれ考えられると、逆にイライラして――」


今ブノワがイライラしている原因が決してソウジ自身ではなく、その実の両親であり、この発言もその人達に向けてのものであることは百も承知ではあるものの、


ここに来てからというもの、そういった怒りのオーラをずっと纏われ続けられれば、ソウジの心情も相まってこちらもかなりのストレスが溜まるというもので、


いつの間にか今の設定に飲まれていたらしい私は、おそらくソウジの実母とまったく同じような反応をしかけたその時、


いつからそこにいたのかは知らないが、椅子に座っているブノワの首根っこを掴み、強制的に立ち上がらせたレオンが、


「はいはいはい、ストップ、ストーップ。取り敢えずお前(実父)がソウジと一緒にいると駄目なことだけは分かったから、あとはレミアさんに任せて帰るぞ」


「………………」


「はぁー、俺が来た途端急に冷静になるんだったら、最初からもうちょっと落ち着いて行動しろよ」


「このタイミングであなたが止めに入ってくれたことには感謝するけれど、ここでその喋り方はまずいんじゃないの? 別に私はどうでもいいけれど」


実は昔のレオンは今のように結構荒っぽい喋り方というか……元一般人であるソウジに近い、一国の王子には似つかわしくない喋り方をしていたのだが、マリノ王国の宰相になることが決まったあたりから敬語で喋るようになっており、


今となっては自国・他国関係なく多くの国民がそっちのレオンしか知らないため、念のため注意をしてあげると、


「んんっ、これは私としたことが……失礼いたしましたレミア様。最近ソウジ様とは妻共々親子として接する機会が多かったもので、つい“癖で”その時と同じ言動が出てしまったようで」


そんな挑発じみた発言に対し、心の中で、


『ほんとっ、一から十までソウジのことになると夫婦そっくり』


といった感想を抱きながら聞き流していたのだが、どうやらこちらはこちらで一から十までそっくりだったらしく、


「(おい、ちょっとソウジのところの訓練場まで面貸せよレオン)」


「おやおや、マリノ王国の国王ともあろう方が、こんな大衆の前でいきなりそんなお言葉遣いをなされたりして。一応小声であったとはいえ、もし誰かに聞かれていたらどうなさるおつもりだったのですか? まったく、その後の対処をさせられるこっちの気持ちにもなっていただきたいものですよ」


そんな彼の言葉を最後に二人はただならぬオーラをぶつけ合いながらサムールを出て行ったものの、その直後、ソウジの顔色が明らかに良くなっただけでなく……今まで押し殺していた感情が爆発したかのように再びメニュー表を眺め出したり、


先ほどナナが言っていた通り、私と半分っこする前提で何を食べるか話しかけてくれたりといった感じで、


とにかく今この時間、この瞬間が楽しくて、嬉しくて仕方がないといった感情を子供らしく全身全霊、ありとあらゆる方法で発し始めたのを受け、


「まっ、ブノワとレオンのことは当人同士の問題ってことでどうでもいいか」


(というか私は今、この可愛くてかわいくて堪らない息子のことで胸がいっぱいだし♡)


「いやっ、先ほどブノワ陛下が小声で発したお言葉が全て聞こえてしまった私としては、若干不安なんですが………」


流石はセレスの孫と言うべきか、先ほどの一件を“若干不安”という感想のみで終わらせたナナに内心感心しつつも、私には今、ソウジの相手をするという何よりも優先しなければならないことがあるため、当然ガン無視させてもらった。

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