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世界最強の元一般人――異世界ラノベの主人公に憧れた俺、最強でも現実は甘くなかった  作者: ITIRiN
第13章:最強の“弱さ”と居場所

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第149話:初めての念凸

GW四日目は朝から警備室にこもって、監視カメラのデータが入れられているPCと一人睨めっこし続けるという地獄の仕事をした後、二日目同様マイカに午後は自由にしていいという許可を貰っていたので、セリアとお家(日本の)デートを楽しませてもらった。


ということで本日GW五日目、いかがお過ごしかと言いますと――


「なあー、そろそろセレスの親父と席交換させてくれよ。俺も助手席に座りてえ!」


「ただでさえオープンカー状態にしてからギャーギャーうるせえのに、そんなお前を助手席に乗せたら気が散ってしょうがないから絶対に駄目だ」


「こんだけ面白いもんに乗ってるってのにテンション上がらないわけがねえだろ!」


ということでもう分かった人もいるかもしれませんが、GW五日目は俺・アベル・セレスさんの男三人で、ちょっと遠くのショッピングモールに向かいながらドライブを楽しんでおります。


「私達の世界でこのスピード感や自分の体に当たる風を再現しようと思っても中々難しいですからね。アベル君が騒ぎたくなる気持ちは凄く分かりますし、私が同じくらいの歳だったなら執事としての立場を忘れて同じようなことをしていたかもしれません」


「俺もこの状態にして運転するのは今日が初めてなのもあって多少はテンション上がってますから、セレスさんの気持ちも分かりますけど……流石にそれだけの理由で後ろの馬鹿みたいに騒いだりはしないでしょ」


「旦那様からしたら殆どのことが当たり前かもしれませんが、私達にとっては初めてで溢れているだけでなく、これ程までに男心をくすぐるようなデザインの車に乗せて頂いているのですから……まだまだ未熟だった頃の私では我慢なんて到底無理ですよ。今と同じ環境でお仕事をさせてもらえていたのなら尚更です」


ここでそれは絶対にあり得ないでしょ……って言えないのがこの人なんだよな~。


だって建国宣言後のパーティーで俺が壇上に上がる前にワザと煽ってきた時・勇者を牽制している時・騎士団の連中を相手している時などなど、無意識なのかたまに元ヤンの貫禄を出しながら楽しそうにしてる時があるもん。


なんてことを考えていると近くの信号が赤に変わったので徐々にスピードを落としていくと、それに並行して後ろの馬鹿のテンションも下がっていったのでこれで少しは静かになったかと思えば――全くそんなこともなく。


「この車を買ったばっかりだってのは知ってるけど、なんで今日までオープンカーにして走らなかったんだ? あっ、まだそんなに乗れてないって理由なら最初から分かってるから、別なやつがあるならそれを教えてくれよ」


「んなの子供達を乗せた時は危なくて、エメさんを乗せた時は普通に風とかで折角のオシャレが台無しになったり無駄に日焼けさせたら悪いからに決まってんだろ」


実はこの車を納車した時にティアが魔法でそこら辺の対策として何個かハンドル部分にボタンを新しく着けてくれたから、それを使えば全く問題ないんだけど……白崎宗司人生初のオープンカーがそんなんじゃ面白くないじゃん? ってのが本当の理由だったりする。


「じゃあ次の質問だけど、なんで日本にいる時のお前はいつもサングラスなんてかけてんだ? 別に似合ってないとかってわけではねえけど」


「ルナのせいで俺の両目は色素が薄くなってるから、こうやってサングラスなり魔法で保護してないと眩しくてしょうがないんだよ。なんであっちの世界にいる人達は大丈夫なのかとかは知らんけど」


まあ本当ならこんな薄い色の物ではなく真っ黒なやつじゃなきゃ眩しさに耐えられないはずなのに、特にこれで問題ないってことは魔力かなんかが関係しているんだろう。


「外におられる時と室内にいる時で旦那様から感じる魔力が違ったり、同じ外でもそれを感じる時と感じない時があると思ったらそういうことでしたか」


スッゲ! これに関しては使ってる魔力が微量すぎてティア以外には誰にも気付かれてないと思ってたのに、マジでこの人どうなってんの?


「相変わらずお前は誰よりも楽して生きてそうで、実は誰よりも苦労してる男だな。……ちなみに何か気を付けた方がいいこととかってあるのか?」


「家の照明は最初から少し暗めの物を使っているし、強いて言うならスマホのライトとかをこっちに向けられると最悪失明するから、それだけは勘弁してほしい……くらいだな」


そう返事を返したと同時に信号が青に変わったので、また後ろの馬鹿が騒ぎ出すんだろうなと思いつつ車を走らせたのだが――どういうわけかずっと静かだ。


チラッとバックミラーで確認してみると、不機嫌そうに頬杖をついていたかと思えば、こちらに気付いたらしくこれまた不機嫌そうな声で口を開いた。


「ちなみにこのことをセレスの親父は知ってたのか?」


「このことというのが旦那様の眼のことを仰っているのであれば……私も今日初めて知りました」


「そりゃー誰にも言ってないどころかティアにすら本当の理由はバレてないんだから当たり前だろ。右へ曲がりまーす♪」


「はーあ、今まで隠してた理由は?」


「なんでって普通に生活していれば滅多にそんなことにはならないだろうし、別に黙っといてもいいかな~と」


それにマイカにはどんな形でもいいから頼ってくれと言われているとはいえ、それで馬鹿正直に話して面倒くさそうな顔をされたら嫌だし。


「いいわけねえだろ!」


「でも人間って直接脳みそに目の前の景色(情報)を送れば目が見えなくても普通に生活できるらしいし、最悪適当に魔法で作った義眼でも入れて自分の脳みそと繋げればなんの問題もないだろ」


「チッ、なんでお前は俺達のことは誰よりも心配してくれるくせに自分のことになるとそうも無頓着なんだよ。普通逆だろうが」


なんでって言われても今まではそれが普通だったし、それがおかしいことに最近気付き始めたところだからなぁ。正直どう返せばいいのかが分からん。


『(まあまあ、このことに関してはマイカ君からも説明があった通り時間が掛かる問題なのですし、今日は旦那様の眼のこととアベル君との会話の内容を後で皆様と共有するだけでも十分なのではありませんか?)』


『(話を聞いた時から確かに思い当たる節は何個かあるとは思ってたけど、まさか自分の体でさえもあんな風に考えているとは思いもしなかったぜ。……もはや洗脳だな)』


別に二人で念話を使って内緒話しようがこっちから聞く気はないしどうでもいいんだけどさ、エメさん含めなぜ誰もルナから地球でも魔法を使えるようにしてもらったことを報告しない。


「ってことで坊主の眼のことを今からスマホを持ってる奴ら全員に伝えるけど、誰に何を言われても自業自得だからな。文句があるならそんな重要事項を今まで隠してた自分を恨めよ」


「ああ゛っ⁉ おいちょっと待て馬鹿‼ 母さん達ならまだしもそのことをリサにも言うのは拙い、止めろ早まるな‼」


そんな俺の叫びに返事をするかのようにスマホホルダーに固定されているスマホの画面が光りだした為、あんまりよろしくないのは理解しつつもチラッと確認してみると――


文字数制限のせいで全部は読めないものの、俺達宮殿メンバーが入っているグループL○NEに先ほどの会話をまとめたらしきものが送られてきていた。


コイツ本当にやりやがった。後で覚えとけ―――


『リサですが少々お時間よろしいでしょうか、陛下』


「おいアベル、今俺に電凸ならぬ念凸をしてきてる子がいるから『陛下は現在運転中で大変忙しいからまた後にしてくれ』ってその子に連絡しろ」


『言っておきますがアベル団長との会話は全てスマホ越しに聞こえていますからね』


今日はもう一日中黙ってよ。


ミナ:『少しよろしいでしょうか』

リア:『少々お話があります』

セリア:『ねえソウジ、私今とっても怒ってるのだけど……理由は分かるわよね?』


もう今日はこっちの家で寝ようかな。


マイカ:『ソウジ君だけ帰ってこなかったらティアに頼んでこっちから迎えに行くから、それが嫌ならちゃんと帰ってくること』


その人の心を読める謎の技って念話越しでも使えちゃう感じっすか? せんぱ~い、それならそうと最初から言ってくださいよ。そしたらあらかじめ念話できないように回線みたいなやつ切っとくのに。ってことで今から切りま―――


ティア:『気付かなかったわらわもわらわで悪かったが……何故そんな大事なことを言わんのじゃ馬鹿たれ!』


エメさん:『罰として旦那様は今後一週間プリンとゼリー禁止です』


「強制的に念話を繋げる方法があるなんて聞いてねえぞ⁉ 早くこの念凸の嵐をなんとかしろ馬鹿アベル‼」


ミリー:『流石に今日は僕も怒ってるんだけど。自分が何をしたか分かってる?』

ユリー:『他にも隠し事があるのでしたら今のうちですわよ』


その後もお母さん・母さんの二人が念凸してくるわ、こっちが無視してることを無視してお説教×10が順番に聞こえてくるわで――


散々なドライブになってしまったのは言うまでもないだろう。

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