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マジ卍

放課後、俺はツカサを引き連れて教室へと忍び込んでいた。

異世界から来た奴が一緒にいた方がトリガーになるのでは?

と思い、人気がなくなった時間を狙ったのだが……

正直言って、仄暗い教室がめちゃくちゃ怖い。


「この辺で消えたのか?」


「あぁ、廊下に出てすぐの所だったから……」


誰もいない校舎は、妙に声が響く感じがする。

人気がない時間を狙ったとはいえ、

ここまで静かなのも不気味だな……


「君たち、何してるの?」


「うおぇあ?!」


突然背後から声をかけられて、俺はキモい悲鳴をあげてしまった。

振り返るとそこには、ハテシナレイがいる。

弓矢を持っているから、おそらく部活帰りなのだろう。

相手がハテシナレイとはいえ、他にも人がいて良かった……


「そっちの君、見ない顔だけど」


俺たち以外にも人がいて安心したのも束の間、

ツカサの事を思いっきり不審がられてしまった。

校内に制服を着ていない人間がいたら、

誰だって気になるだろう。


「いや、あの、その……」


言い訳を考えないといけないのだが、

とっさに上手い嘘が思い浮かばない。

なんとか誤魔化す方法はないものか……


「俺はツカサ!

 この世界に、異世界転移してきたんだ!」


こちらの焦りなどお構いなしに、

ツカサは元気良く正直に挨拶をしていた。

ここまで堂々としていると、いっそ清々しい。


「は? 異世界から来たって、何言ってんの。頭大丈夫?」


「なんだよ、この世界でも異世界ものって流行ってんだろ?」


「まぁ、確かに流行ってるけどさ……」


「なら信じろ!」


「いや、それとこれとは別でしょ」


やはりこの男は、そう簡単に丸め込めないか……


しかしこれは、チャンスかもしれない。

一度ハッキリと聞いてみる必要があると思っていたからだ。


ハテシナに代わってここにいる、

お前は一体何者なんだ……? と。


「おい、ハテシナレイ」


「人のことをフルネームで呼ばないでくれる?」


「俺はお前のことをハテシナとは呼びたくない!

 かといって、お前をレイと呼ぶほど馴れ合うつもりもない!

 と言う訳で、許せ!」


「はぁ、なんか面倒臭いな……」


そういう言い方は傷付くからやめて欲しい。

女子からキャーキャー言われている癖に、

いつも一人で本を読んでいるからどんな性格かと思っていたら……

さてはコイツ、性格が悪いな??

 

「お前は、ハテシナユメコを知っているか!」


「ハテシナは僕の苗字だけど」


「お前じゃなくて、ユメコだよ!」


「ユメコ……」


そう呟きながら、ハテシナレイは窓の外に広がる闇夜を見つめた。

なんだか妙に哀愁が漂っていて、問い詰めづらい。

こいつは教室でも、いつもこんな目をしている気がする。

イケメンだと窓辺に佇むだけで絵になるな、くそ……


「……ユメちゃん」


「!!!

 知ってるのか?!?!」



ガシャアアアアアアンッ!!!!!



ハテシナレイに問いただそうとした瞬間。

昨夜にも聞いた覚えのある衝撃音が校内に響いた。


しかし今度は照明が揺れる音でなく、

本当に窓ガラスが割れている。

どうやら何かが物凄い速度で投げ込まれたようだ……


追撃があったらまずい。


かがんで隠れた状態のままで、

俺は投げ込まれたものの正体を必死に見定めようとした。



激しい摩擦熱で生じた、煙の先にあったものは……


「……卍??」


別になんの比喩でも、俺の頭が狂った訳でもない。



卍型をした鋭利な刃物が、

コンクリートの壁に突き刺さっていた……


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