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俺は勇者になりたい

グルルルルル……



この状況は何事だ?

変な男が部屋に侵入してきたと思ったら

今度は俺が部屋を追い出され、

謎の場所で獣と睨めっこをしている……


周りの壁にチラリと目をやると、

物凄い数の本が並んでいた。


もしかして、

ここがさっきの男が言ってた図書館なのか……?



「……え?! 一体どうなってるの?!」


背後から、ハテシナの声がする……!!!


すぐに声がする方向へ振り向こうとしたのだが、

何故か身体が思う様に動かない……

せめて声だけで、ハテシナの安否を確認しようと試みた。


「おい、大丈夫か?」


本当なら今すぐに顔が見たいのに、

なんで動かないんだよ身体……!!


そもそもこれ、絶対に俺の身体じゃなくないか?!

なんで勇者の格好をしてんだよ、俺が!


「お、お願い!! 

 助けて……!!!」


状況はまるで分からないが、

そう言われたら男として引く訳にはいかない……!!


「俺に任せろ」


とはいえ、動かないんだよな身体が。

こんなに身体が動かないのは、

学校行事で富士登山に強制参加させられた翌日以来だ。

どうするかな、これ……


「勇者さま……っ!!」


しかしそう呼ばれたら、もう根性を出すしかない!!


俺は気合という気合をかき集め、

なんとか盾を持った手だけでも動かそうと、強く念じた。


その瞬間に、

獣が呻き声を上げながら空を駆けて飛び掛かって来る。

ガツンッ!と重い衝撃音が、盾越しに響き渡った。

間一髪だ……


しかし、まだ危機は解決していない。

獣の猛攻は止まらなかった。


獣がガンガンと突撃してくる度に激痛が走り、

俺は情けない声をあげないように必死だった。

足が痺れている時にツンツンされる、

そんな感じが全身を駆け巡っていると思って欲しい。

ほぼ拷問に近い感じだ……


「え……? まさか本当に、守ってくれてるの……??」


ハテシナの声が聴こえる。

それだけで俺は、この激痛を耐える事が出来ていた。


俺がどれだけその声を聴きたかった事か……



やっぱりハテシナユメコは実在したんだ!!

こんなところにいたんだな……

まぁ、ここはどこなのかっていう話なんだが。



しかし、今はそんな事はどうでもいい。

ハテシナが存在するというだけで、俺にとっては希望だ!


「お前の事は、俺が必ず守るから……」


ここが何処だろうと、絶対に助けてやるからな……

この勇者はお前の為に書いたんだ。

俺が勇者になって、きっとお前を守ってみせる!

だから俺に感想を聞かせてくれ、ハテシナ……!!!



そう思った次の瞬間。


俺は何故か、我が部屋の照明に思いっきりぶつかっていた。

そしてツカサに向かって、真っ逆さまに落ちていく。

なるほど、こういう侵入経路だったのか……


下敷きにされたツカサの呻き声を聞きながら、

とりあえず不審者扱いだけは訂正しようと悔い改めた。

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