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ゼログノーシス  作者: キボオ


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『ゼロ』

ゆっくり目を開けるレン。自分の部屋の天井が見える

「あれ、どうして僕はここに•••たしか•••」

「レン!目が覚めたのね!どこか痛いところはない?」母親のメイだ。レンが倒れた後ずっと看病してたようだ。

「大丈夫だよ、母さん。ただ少し頭がぼーっとするけど」

「父さんとナリンも呼んでくるわ」

そう言うとメイは部屋を出て行った。

《僕はなんでここで寝てるんだ?確かラムロウルフにみんなが襲われて•••!アベルとガイおじさんはどうなったんだろう。》

「レン!」

「お兄ちゃん!」

リンタとナリンが心配した様子で部屋に入ってくる。

「2人とも心配かけてごめん。もう大丈夫だから。」

「目が覚めて本当によかった。あの日から丸2日寝てたんだぞ」

「お兄ちゃんがもう目を覚さないんじゃないかって心配したんだから」

《僕はそんな長い間眠っていたのか•••》

「アベルとガイおじさんはどうなったの?」

「アベルとガイも重傷だったが大丈夫だ。ただ2人ともまだ病院で入院中だけどな」

「そうか。なら良かった。」

レンは無事だと聞いて安心した。

「ただ今ゴミ山は今回のことを受けてちょうど居合わせた”ギルティ”達が調査中だ。もしかしたら俺達の所にも何か聞きに来るかも知れないな•••」

《そうか•••でもなんて答えればいいのか?そういえばあの石みたいなジャンク品はどこに•••あの時聞こえた『声』みたいなものはなんだったんだろう•••》

レンが考えていると

「***よう、相棒•••気分はどうだい?***」

「えっ!!何っ!」

レンはびっくりして声が出てしまう。

「どうしたの?レン?」

メイ達がレンを不思議そうに見る。

「いやっ•••何でもないよ。まだ少し疲れてるみたいで•••」

「そうだな。目が覚めたのは嬉しいがまだ病み上がりだから1人でゆっくり休みなさい。」

そういうとリンタ達は出ていき、部屋にはレン一人きりになった。

《君は誰だい?》

レンは心のなかで恐る恐る聞いてみた。

「***安心しな、相棒。おれの声はお前にしか聞こえていない。それに•••ちょっと待ってな***」

そう言うとレンの付けていた時計の紋章が急に光だしそこから砂のようなものが溢れ出て空中で一つの場所に集まっていく。するとあの時見た石のジャンク品のような姿になっていく。

「***ふぅ、すっきりした。やっぱり何かと同化するのは窮屈だな***」

レンはそれを見て呆気にとられている。

「***まだ自己紹介がまだだったな。俺は•••名前はない。自分は•••自分でもよくわからん!ただ•••お前の相棒さ!

***」

そう言うとプカプカ浮いていて表面に顔のようなものが表情として動いている。

「君はポッズなの?それとも別の生き物?ロボット?誰に作られたの?」

「***まあしいていうならロボットに近いのかもな。ただ俺を作った奴のことはわからない。ただ俺に目的としてプログラムされていることは•••”成長”と”相棒”•••を見つけること。それで俺はここ何年も旅をしながら”相棒”を探してた。そしたらあの日お前を見てビビって感じたのさ•••お前こそ俺の“相棒”に相応しいってな***」

「うーん•••良くわからないけど僕なんかでいいの?

もっと相応しい人はいっぱいいる気がするけど。ただ君のスペックはすごいね!君みたいのは見たことないよ。喋ることもどうやって動いているかも全くわからないよ」レンは目を輝かせながら見ている。

「***よせやい、照れるじゃねぇか。じゃあちょっとだけ俺について説明してやる!まずこの姿が一応ベースになっている。たださっきのように質量や材質も変化させ、物と同化することも出来る。ただそれは一時的に変化できるに過ぎずベースに戻ることが前提となっている。だが砂や粒子、はたまた原子レベルにまで小さくなることも出来るし逆にイメージを元にありとあらゆる物への材質変化や形態変化、さらに質量を増大させることも可能だ。そしてこれを可能している技術が人間の細胞分裂をモデルに様々な鉱物や物質を取り込んで行う『創造分裂』。ありとあらゆる物への変化が可能だ。あのウルフを倒した時は俺のイメージから剣へと変化しさらに大気にソニックブームを発生させて倒したってわけさ。***」

「創造分裂•••全く聞いたことがない技術だ。ただ凄い技術だね。何でも作れちゃうしなんでもできちゃう気がする。人間に作れる技術とは正直思えないくらいだよ」

「***やっぱり俺って凄いだろ?想像、創造する2つの能力が高ければ何でも出来るかもしれないな。ただこの能力にも弱点がある。それは燃費が悪いうえ•••***」

と話していたらギュルギュルグルル〜すごい音がなった。

「***腹が減った。何か食わせてくれ、相棒***」

「えっ!ご飯を食べるの?鉄?石?」

「***なんでも食えるが好物はシチューとパンだ***」

「人間の物を食べるの?•••いや、わかった。待ってて」レンは一度部屋を出ていく。

そしてスープとパンにチーズを持ってきた。

「さあどうぞ」

「***ちょっと物足りない感じもするが•••いただきます***」そういうと凄い勢いで食べ始めた。

《いただきますって言うんだ•••》レンは少し笑った。

あっという間に食べ終わってしまった。

「***腹ごしらえも済んだしさっきの話の続きをしようか!***」

「ちょっと待って」

「***どうした相棒?***」

「君は何で僕を相棒に選んだの?」

その質問後沈黙が続いた。

「***俺は人間の心の声が聞こえる。そんな俺が会った人間の中でお前は一番”人”として”未熟”で”優しいココロ”を持っていると感じたんだ。だからお前を”相棒”に選んだ***」

「そっか•••ありがとう。なんか嬉しいよ。それに君が助けてくれたからみんな無事でいれるから。そういえば君は名前が無いんだよね?」

「***そうだが•••***」

「君も名前が無いと不便だろう?せっかく友達になったんだからもしよければ僕に名前をプレゼントさせてくれないか?」

レンは満面の笑みでこう言った。

「***“友達?“まあ悪くないな•••いいぜ***」

少し照れ臭そうに答えた。

「じゃあ今日から君の名前は•••『ゼロ』。どうかな?」

【世界が静まり時が一瞬止まった気がした。

この2人の出会いとこの出来事がこの世界を大きく変えるきっかけになっていく】


「**”ゼロ“か・・・気に入った。今日から俺はゼロ。よろしくな。相棒**」

「僕の名前はレンだよ。よろしく」

「**レン。なんか少し照れるがなんかいいな。じゃあさっきの続きを話そうか?レンが気になることがあれば聞いてくれ**」

「そうだなぁ・・・じゃあゼロは神の国から来たのかい?」

「**いや、俺は神の国から来たわけではない。ただどこから来たのか自分でもわからないんだ。気がついたら俺はある街の入り口に転がっていた。それからは自分の目的の為に旅をしてきた。ただ俺は今の世界にはあまりにも異質すぎる。だからレン。俺のことはお前と俺だけの秘密にして欲しいんだ。」

「そっか。ゼロがそういうなら秘密にするよ。君には家族を守ってもらったし、友達で相棒だから」

「**ありがとう。じゃあ・・・**」

急にトントンと扉をノックする音がする。

「レン、入っていいか?お客さんだ」

リンタが部屋に入って来ようとする。

「ちょっと待って」

レンは慌てた様子で

《ゼロどうしよう?君は目立ちすぎる。どこかに隠れないと》

「**心配するなレン。俺はお前以外には見えなくすることも出来る。だから安心してくれ**」

《ふぅ、さきに教えといてよね。全く。じゃあ部屋に入れるね》

「もういいよ、父さん」

そう言うとリンタと黒いローブを纏った者達が何人か入ってくる。

「レン君こんにちは。この前はキョウ婆の所で会ったけど覚えているかな」

そう言って1人がローブのフードを外す。

「あっ!はい。覚えてます」

レンは少し緊張した様子で答える。

「ヴェルン•メスクだ。よろしく」





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