古の戒律により呪縛されし王都「ウロポロ」(3)
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「とうとうこんな時間になってしまったな・・、まぁ丁度良いか」
トロフが周りを見渡しながら呟く。
四人は薄ら明るくなった王宮のすぐそばの通路を神殿に向かって歩んでいた。
「異邦人が現れる神殿にヒントが有りそうだからな」
キラが何かを決意したような表情で答える。
「神聖な場所なんですから、アキラを連れて行くには今の時間帯しかないでしょう」
パーナがいたずらっ子の様な表情で笑う。
「パーナ女王・・」
何か言いたげな表情でキラは言葉を濁す。
「貴方は信心深いですからね」
「女王・・」
更にキラが困ったような表情を見せる。
「着いたわ、ここが神殿よ」
振り返るとパーナはアキラにいたずらっ子の様な飛びっ切りの笑顔を見せた。
見張りの兵士を下がらせ、四人は奥へと進む、そして奥のホールの扉を開くと真っ先にチャアが声を出した。
「アキュラ、あれ・・」
指差すその先には、創造主のクリオネの様なスライムによく似た石像群が鎮座していた。
「そっくりだよな」
アキラも声を出す。
「やっぱりそうなのね、太古の祖先が創作して祀った石造だと思われていたけど・・、本当にそのままなのね・・」
パーナは溜息をつくと、キラの方を向き尋ねる。
「神は実在した、しかも創造主でもある・・しかし、我々と同じこの星に生を受けた、いち生物種であることにわ変わりない」
「・・、信仰を捨てよとおしゃるのですか?」
「いえ、人は急には変われないわ・・、事実を事実として認識できるかという事になるわね」
「パーナ・・」
キラがすがる様な悲しそうな表情で答える。
「私は可能だがな」
トロフが答えると、キラは蚊の鳴くような声で答える。
「トロフ・・」
三人の会話を聞きながらアキラはこの事は間違いなくこの国の根幹にかかわる事だと認識できた。
「キラ、この事は他言無用でお願いするわ、貴方でさえこの様な葛藤が有るのです・・他に知られてよい話ではないわ」
パールの言葉に二人は頷きながら返事をした。
「異邦人以外のものが出現する可能性はあると思う?」
「可能だと思いますが、今の所は大丈夫ではないかと思うけど・・もしそれをやられたらこの街は終わってしまうと思う」
パーナの問いにアキラは思いを正直に答える。
「神殿をつぶした方が良い?」
「一方通行らしいので、安全を取るならそうです・・」
「パーナ!」
キラが叫ぶ。
「・・万が一よ。もし侵攻してきたら・・一瞬で出口を塞げる準備はしておきたいって話よ、私は信仰よりこの国の民を守る事にどうしても優先順位を高くしなければならないの・・わかってほしい」
「どうかそのような事態がおとずれません様に」
キラが祈りをささげると、パーナとトロフはお互い顔を見合わせキラにならって祈りをささげた・・。
次話もどうかよろしくお願いします。
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