第1章16話
俺は行きは15分程で着いた場所だったが帰りはフラフラで辿り着いたので1時間位かかってしまった。
門の前にはネロが居た。
「にゃにゃにゃ〜、ア、アロウ腕どうしたにゃー大怪我だにゃー」
と騒ぎ始めた。
「出来ればカルナに取り次いでくれ。」
そう言うとネロは
「わ、わかったにゃー超特急で行ってくるのにゃ死ぬんじゃないにゃ」
と言って走っていった。
「ふん!いい気味だ。」
先程怯えて逃げ出したサタツが鼻を鳴らしこちらを蔑んで来ていたがこんな奴どうでもいいが冒険者として舐められるのは宜しくない。
俺はサタツを睨みつけ殺気を放つ。
「今大怪我をして気が立ってる。殺すぞ?」
「死に損ないが調子に乗るなよぉぉ!」
と言いつつも腰が引けてる。
「いい加減にしなさい!!」
カルナが割って入って来た。
「アロウ様無茶をなされたようですね。すぐに私の家に連れてきて下さい。ネロさん頼めますか?」
「ラジャーにゃ!」
そう言うとネロは俺を大きな布で体を包み肩に乗せて運び始めた。
すげー軽々持たれた。
「悪いなネロ。」
「良いってことにゃ。」
俺はお礼にワイバーンの死体と卵がまだ残ってる事を伝え。回収して来てくれたら頭は討伐証明なので渡せないが半分の素材を渡すと耳打ちした。このままだとサタツ達に奪われると考えたからだ。
「ほんとかにゃ?」
「あぁ、素材に関しては上位種討伐でバッチリ収納袋に入ってる。」
「助かるにゃ!アロウを運んだらすぐに行くにゃ。」
「頼むぜ。」
カルナの家に入るとすぐに布団へと案内された。
「これは治すのに1日はかかりますよ?それにしても何があったのですか?」
カルナは不思議そうに聞くが俺にはそれよりも気になった事があった。
「は?腕治るのか?完全にアイツを倒す為ならと諦めてたんだが。」
「神級魔術を使います。アイツとは?」
「ははは……参ったな流石は勇者のパーティーメンバーか。この目で神級魔術をみれるとはな。アイツはクリムゾンワイバーンだ。」
俺がそう言うとカルナは驚いていた。
「それはこちらのミスで出した依頼を投げ出さずに倒す為に腕を失ったのですね。申し訳ありません。」
カルナは深々と頭を下げる。
「どっちにしろ子のワイバーンを駆除してしまったから目を付けられてた。」
「そうですか……メリー準備をお願い!」
メリーと呼ばれた女性は確か、カルナの家でシェフとして働いてる人だったはずだけど。
俺が不思議に思っていると、カルナがクスっと笑って答えてくれた。
「神級魔術とはいえ、万能では無いのですよ。今からかける魔術は腕だと1日かけて生やしますが。その生やす為の栄養は魔術では作れません。だから食べて貰わないと逆に危険になります。」
そういう事か。
確かに病気や怪我が治るのにだって大なり小なり体力を使う。
しかし今回は腕を生やすのだ。
栄養が全く足りないのだろう。
「あぁ、わかった。それとこれからはネロがワイバーンの死体と卵を持ってくる。素材半分はネロにあげる予定だが肉は使ってくれ。」
「分かりましたその様に手配致します。最初は痛みますから。気絶すると思いますよ?」
ニコニコとした笑顔で言うカルナ。
「は、ちょっちょっと……」
「聖属性神級治癒魔術『エリクサー』」
俺を魔力の様な膜が包んだと思うと…
「いでででででぇ痛てぇ。」
「ハイハイ我慢してくださいねぇ。」
この声を聴いた後辺りから記憶が無くなっていた。
気絶したのだろう。
アロウが静かになると。
「おかしいですねぇ。報告では確かにワイバーンだった筈なのですが。メリー他の人を使って、ワイバーンの報告をした人を探してください。」
「畏まりましたお姫様。」
お辞儀をするメリー
「アロウ様の目の前ではやめてくださいね。」
カルナがプクッと頬を膨らませながら言うと。
メリーはクスクス笑いながら出ていった。
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