第3章9話
あっちもこっちも事情聴取を行う話。
〜ザジス王国謁見の間〜
「して、アロウは一体どこに行ったのだ?ガード侯爵?学園にも通ってないようだし。クロウと双肩をなす程の若者と聞いておったんだがの。」
質問を受けている方の人間は顔面蒼白で玉のような汗をかいている
「いえ、あの、その」
何か話そうとするがごにょごにょとしている。そうガード侯爵こと、ルドルフだ。
今日はいきなり聞きたいことがあると国王陛下に呼び出されたのだ。
「お主はスキル変質について聞いておるか?」
「存在は知っておりますが詳しくは存じ上げません。」
国王はため息をつきながら横に居る60代位の男性に声をかける
「宰相説明してやれ。」
「は!スキル変質とはある日何かしらのタイミングでスキルが変わる事を指します。現在国内での確認は2人。1人はガード侯爵の元嫡男のクロウ。そして第3王女殿下のエミール様です。ここまでは理解できましたか?」
「はい、大丈夫です。」
ルドルフは内心舌打ちをしていた。クロウの奴なんて親不孝なんだと。
離縁されているのにこの自己中な考え。
「そして2人のスキルには1文字が足されました。それが【心】これでもう陛下がアロウを探している理由がわかりましたね?」
「いや、あのそのあやつのスキルは発現すら出来ないハズレスキルですから」
“ハズレ“と言った時に国王は眉をひそめていた。
「侯爵、まさかの。まさかスキルが発現出来ぬからと言って追放したのではないだろうな?」
「ヒッすみません。あいつも何も言わなかったのでつい。」
「ついでは無いはこのたわけがっ!9歳のまだ親に甘えたい盛りの子供を追放してヘラヘラしておるんじゃない。今すぐ探せ」
「かしこまりました。」
「もう良いぞ下がれ。」
ルドルフはいそいそと謁見の間から消えて行った。
「困った者だなお前の父はなぁクロウ。」
「はっ!むしろスキル至上主義と人至上主義と選民意識を貴族の各家が持ち過ぎていると私は愚考致します」
「ふむ、そうだろうな。人至上主義は変えるのは難しいが柵が多くての徐々に緩和。他は撤廃するか。」
「素晴らしい考えだと思いますわお父様。」
今まで全然話していなかったエミールが絶賛する。
「ふむ、それじゃあそれで行くかの。」
急にデレデレし出すただの親バカだ。
「ガード侯爵がしっかりとアロウを探すのかどうか監視を頼むぞ。」
王とエミール王女殿下とクロウは庭園のお茶呑みに興じることとなった。
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