表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
奴隷魔王と曲者勇者  作者: 春賀 北友
8/8

転生者

「この大陸の広さは、丁度オーストラリア大陸くらいなんだよ」

 勇者は俺の問いには答えずに、向かいの椅子に座って楽しげに話しかけてくる。

 とりあえず見つかっているこの世界の大陸名を思い起こしてみる。

 おーすとらりあ大陸とは、どこの大陸だろうか。

 広さを示す基準にしては、そんな名称は思い浮かばない。人族と魔族で名称の違う大陸なのだろう、そういう物も、確かあったはずだ。

 それに、この世界で魔王の俺が把握できているのは、有名なほんの一握りだけ。数々の海を渡ってきた人族の方が詳しいだろう。

 俺の反応を見て勇者は、つまらなさそうに口を尖らせる。

「魔王君も知らないかぁー。魔王君は俺と同じくらい冷めてるし、同じ時期に産まれたって風の噂で聞いたから転生者かと思ったのにな」

 ーー転生者?

「他の世界で生きてて、その記憶のまま生まれ変わることだよ。前の世界じゃテンプレ小説として人気があったんだ」

 そんなことがあるのか。

 俺が言えた義理じゃないが、それはなかなか難儀な生き方になるはずだ。2度目の人生と聞こえはいいが、こちらの世界が前の世界より良くても悪くても後戻り出来ないから。

 勇者の言葉振りから予想するに、こいつは転生者という者らしい。

「だから、同じくテンプレの、同時期に生まれた勇者と魔王が共に転生者っていうオチを思い描いてたんだけどなぁ」

 勇者はこの上なく残念そうに、作り笑いを投げかける。

 元の世界に帰りたいのか。

 整った勇者の顔立ちに、そう思わせる寂しげな紫の瞳があった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ