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あたまかくして、しっぽかくさず。





なんだかふあふあで、暑くて、熱くて、目を閉じてても目が回ってるみたいにくるくるする。



でも少し前から寒いのは少しだけマシになってた。




タオルケットとは別の何かに包まれたような感触に、なんだかほっとした気がするの。


と思ってたら、突然口の中いっぱいにびっくりする味と感触が入ってきて、あわあわ飛び起きたと同時にいっぱい咳き込んでしまった。





ふぇぇぇ・・・。


なにこれぇ・・・っ。


苦甘すっぱまじゅいにょっっっ!





「けふけほっ。えふっ。」





飛び起きた私は口の中に広がるなんとも言えない味に涙が止まらなくなっちゃったけど、背中を優しく撫でてくれているイフさんの手にその涙の原因を見つけて、思わず手でぐいぐいと押しのけてしまった。


それやなにょ・・・っっ。




それから周りを見渡したら、いつの間にかイフさんのお部屋じゃない場所にいる。



お外はまだ暗いままみたいだけど、アルフさんとジンさんとリーフさんもいて、なんだかみんなに見られてる気がする。




・・・あれれ?


イフさんの大きな手を押してる私の小さな手は・・・・ににににに人間の手だっ!





思わずイフさんの手から自分の手をぱっと離して呆然と両手を見つめた私は、次におしりの下まで伸びているふあふあの白銀色の髪を触った。





「っっっ!?」




思わず息を吸い込んだ喉からひゅっと音が鳴った。


見られたっ。


見られた見られた見られた・・・・・っっ!!





思わずイフさんから勢い良く離れたらソファーから転がり落ちそうになったけどイフさんは私の体を簡単に救い上げて助けてくれる。


だけどパニックになった私はそのイフさんの手の中からも逃げ出して、トテトテと走り逃げしようとしたけど、2本足で歩くことさえ慣れていなかった私は数歩で足を(もつ)れさせて転んでしまった。





ドテ・・・っ、ゴンっ!





「ふぇっ。」


「ユキっ!?落ち着いてくださいっ。」


「今、ゴンってすごい音したけど・・・大丈夫っ!?」





慌てて近づいてこようとするジンさんとリーフさんに、私は座り込んだまま後ずさりをして窓際まで行くと触れたカーテンを巻き込んでしまった。





「「・・・。」」





シンと静まり返ってしまったお部屋の中でどうしようどうしようとパニックになってると、アルフさんの穏やかな声が聞こえる。





「あらら。あの~。ユキ?言いにくいんですが・・・しっぽが隠れきれていませんよ?」


「にゃっ!?」





慌ててしっぽをカーテンの中に引き込んで抱え込んだけど、これからどうしよう・・・?





はふはふと息苦しいのを無視して巻き込んだカーテンからそぉっと覗いてみたら、イフさんはソファーの前から動かず、アルフさんはイフさんの放り出したグラスを持ってて、リーフさんとジンさんが1番私から近いところで困った顔をしていたけど、みんなこっち見てるっ。




リーフさんは戸惑いながらも優しく質問してきた。





「ユキ・・・?ええと。君は元々人の形になれる種の動物なのですか?」


「にゅ・・・。」





少し考えたけど一応こくんと小さく頷いて、それからまたじーっとリーフさんたちの様子を(うかが)ってみた。



気持ちわるいって思われてないかな?


化け物って言われちゃうかな?





不安な気持ちが膨らんでぴるぴると震えていたのに、リーフさんは何かを考える仕草をした後で納得したように頷いた。




「なるほど。だからユキは私たちの言葉を解していたのですね。」


「あ、そっか。じゃあその姿だったら僕ともお話できるってことだよね。」


「人の形を取れる生物、いくつもの宇宙や星があるのですからユキのような珍しい動物もいるのかもしれませんね。」





リーフさん、ジンさん、アルフさんが思っていたのとは違う言葉をくれたことに私は思わずぱちぱちと瞬いてしまったけど、イフさんはソファーの位置で動かないままだ。



こっちを見ているようで見ていないようなぼんやりとしたイフさんは何を考えているのか分からなくて、今ここにいる人たちの中で1番受け入れてほしい相手だったから怖くなる。




「・・・?ああ、イフ。ユキが不安がってるよ。何か言ってあげたら?」





私の視線に気づいたジンさんは、イフさんと私の顔を何度か交互に見てからイフさんに言ってくれた。





「あ、ああ。ユキ。すまない、少し驚いただけだ。」




イフさん・・・少しに見えなかったよ・・・?



そう思ってたらイフさんはズカズカと私の隠れてるカーテンに近づいてきて、バッと音がしそうな勢いでカーテンを私の手から引き剥がすと、その勢いのまま転がりそうになった私をふわりと抱き上げた。




「みゃっ!?」





バランスを失いそうになって思わずイフさんの胸あたりの服をきゅっと掴むと、恐る恐る顔をあげてみる。




・・・・・・っっ!?


イフさんの近くなった顔を見上げたら、イフさんの野いちごみたいな真っ赤な瞳とばっちり目が合っちゃった。





思わず体がぴるぴると震えて、きっとしっぽはふくらんでるっ。


耳は・・・うぅ・・・へにゃりと後ろに寝ちゃってた・・・。





イフさんの瞳に映る私は情けない顔をしていて、ちゃんと人間の女の子だった。





・・・・私、こんな顔してたんだ。






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