7話 紫とピンクと紅の、茨
はい。遅くなりました!
はい。長いです!
はい。すいません!!!!!!!!
決闘…ってー…あの剣を持ってシャキィィィ———ン!ってやる見てる人からしたらカッコイイ!!ってなるあれか。ほぉー、つまりあれだね、目の前のメイク取れば美人なのに化粧のし過ぎでお世辞にもきれいとは言えなくなってしまった人と決闘して、勝ったら招待状あげるよ~♪
とかそんなもんだろ!
「ほぇ~…決闘ねぇ…」
「「「………………」」」
鈍感アリスは三人の顔に書いてある言葉に気付かない。ちなみに三人の顔には『ちょっと、この子だいじょうぶ?』だ。
皆なんでそんなにポカァァーンってアホ面してんの?いや、だって決闘ってシャキーン!ってやるやつなんでしょ?
「な、なんでみんな無言…」
「あの、ノシャートさま…」
「「うん、そうだね。ありすは鈍感でバカなんだよね、ハハハハハ」」
「どっ、鈍感でバ、カ!?」
「そうでしょう?」
「うん、鈍感でバカだね。」
…そんな連続で言わなくっても…そんな絵に描けるような笑顔で言わなくってもいいじゃないですか…
そんなに僕が嫌いですか、三人とも!!…少なくとも侯爵夫人は…侯爵夫人サマは僕が嫌いなんでしょうねー…。何せ第一印象が最悪だったからね☆
「で、決闘でしたっけか?」
「そっ、そうよ!」
「で、誰と?」
「たっ、多分あたくしと…」
「あ、じゃあ楽勝じゃないですか!」
「なんでよ!」
「…運動音痴」
思わずボソッとつぶやいてしまった言葉に吹く二人と固まる一人。ごめんね、侯爵夫人サマ。でもね、落とされる前の世界にいたときの体育の成績が5な僕って、どっちが勝つと思う?…うん、僕だよね。
まあ数学とかは破壊的に終わってたけど…2だったけど…バカですよ、えぇ!バカだ何が悪い!…あ、悪いよね。まあそんなことを考えていると目の前のけばけばしい女性は運動じゃないわよ!と叫んだ。はっきり言って声が高すぎて耳障りだったが目の前のけばけばしい女性は嫌いじゃないから許す。僕優しい。
「運動じゃない?あ、勉強とか嫌ですよ。」
「勉強…あたくしだっていやよ! 決闘するのは、かくれんぼよ。」
「「「…は? かくれんぼ?」」」
皆で侯爵夫人に聞き返してしまった。ため口で。でもまあ無理はないでしょ。でしょ。でしょ。d(以下略)あ、今日本語おかしくなった気がしなくでもないような。皆でポカーンとしてるけど、チェシャ猫と帽子屋様。顔がいいんだからそんな顔したらもったいないんですけど!?ま、僕はブ、ブブブ、ブスだからポカーンとしても大して変わんないんだけど☆……『☆』つけたらなんか、イラッとするね。うん、ボク今度から使うのやめる!っと、話がそれた。……あれ、何の話してたんだっけ?
「ところでかくれんぼって、どこで誰と誰がするんですか?」
偉大なる帽子屋様が早口で問いかけた。なんで偉大なる帽子屋様なのかは秘密なのだよ。べ、別に声が低くて艶があって甘いからその声に弱いとかそういう系ではないからっ!絶対にそれだけはないから!!絶対違うから!!……いや、何さその目は!違うって言ってるじゃないかああ!
「も、もちろんあたくしとソコノ小娘ですわ!」
はい、なぜそこのがカタカナなのかは気になるけど気にしない。うん、僕って偉い子。
何故か目の前の(略)はぴしっと僕を指さして顔を見ると青ざめてんのかなー?…いや、赤いのかな?んんんー…みたいなちゃんと寝てんの!?みたいなほ、保健室行く!?あ、なかった…。な、顔色をしていた。分かりずらい?が、頑張って!
「で、『もちろんあたくしとソコノ小娘ですわ!』はわかったけど、場所は?」
今度はチェシャ猫が話しかけた。今はちなみに普通の猫。はたから見るとただの猫が浮いてて変な色してて喋っててニヤニヤしてるから怖い。あ、どうでもよかったね。
「……あまり、チェシャ猫には言いたくないのだけれど…『紫と桃と紅の、茨』」
「むらさきとももとべにのいばらあ?何ソレ!」
「…アリス、紫と桃と紅の、茨はチェシャ猫がアリ——————…」
「帽子屋っ!!」
紫とピンクが顔を真っ赤にして偉大なる帽子屋様に向かって叫んだ。それを見た偉大なる帽子屋様は顔を青くして謝った。それはもう深々と。土下座並に。
「————俺が、説明する…紫と桃と紅の、茨はね? 俺が、アリスに頼まれて作った場所。何せ、俺はチェシャ猫だから!…でも…結構広さはあるんだけどね…あんまり、俺はあそこに近づきたくないんだ…」
「なんで?」
だんだん苦しくなるかのように話していたチェシャ猫に、僕は理由を聞いてしまった。多分、それがダメだったんだと思う。
「あそこで、俺がアリスを殺したから」