第3話 2VS2
森を慎重に歩いていた。その時。
「きゃぁぁぁぁ!!!」
女の子の甲高い悲鳴が響いた。
「なんだ?」
好奇心から声の方へと静かに歩く。
枝をかき分け、茂みを駆け抜ける。
やがて木々の隙間から開けた場所が見えた。
俺は木陰に身を隠し、そっと様子をうかがう。
自分の目を疑った。
開けた場所で、1人の少女が得体の知れない小柄な生き物に追い詰められていた。
(なんだ……あれ?)
それは、“人間ではなかった”。
身長は子供程度しかない。しかし、全身は濁った緑色の肌に覆われ、頭は異様に大きい。鼻は潰れ、黄色く濁った目がギョロリと動く。腰にぼろ布を巻き、木の棍棒を握りしめていた。
(あれは……ゴブリンか?)
その姿は、ゲームでよく目にしたゴブリンそのものだった。
しかし、ゲーム画面越しに見るのとはまるで違う。鼻を突く異臭も、ぎらつく目つきも、あまりに生々しかった。
それだけで、背筋に冷たいものが走った。
ゴブリンの前では、少女が尻もちをついていた。
光を透かすような淡い青髪。年齢は俺より少し下だろうか。
「や、やだ……来ないで……!」
少女は必死に後ずさる。だが、背中が大木に当たり、それ以上は下がれなかった。
ゴブリンは下卑た笑みを浮かべながら、じりじりと距離を詰めていく。
俺は木陰に身を潜めたまま、その光景を眺めていた。
(ゴブリンって確か、女を襲うんじゃ──
「きゃっ!」
ゴブリンは少女に飛びかかり、地面へ押し倒した。
(あらら)
少女は泣き出す。
「お願い……いや……助けて……!」
震える声が、鮮明に耳へ届いた。
(うーん。可哀想だけど、あの娘可愛いし…。それに、この状況……めっちゃエッチだからなぁ…。いいオナネタに───
バコッ!
突然、顔面に強い衝撃が走り、俺の身体は茂みの外へ転がり出た。
「痛ッ!」
何が起きたのかわからなかった。
少女に覆いかぶさっていたゴブリンが、こちらを振り向いた。
(な、何が……)
俺は、痛みに顔をしかめながら、殴られた方向へ視線を向けた。
そこには──棍棒を握りしめた、もう1匹のゴブリンが立っていた。
(後ろにもう1匹いたのか!?)
たらり。頭から、何か生温かい液体がたらりと流れ落ちた。
痛む頭を手で押さえると、掌が鮮血に染まった。
少女を襲っていたゴブリンも、俺の方へ近づいてきた。
(マズイ……)
2匹は低い唸り声を上げながら、俺を取り囲むように距離を詰めてきた。
頭から流れる血で意識が朦朧とする。
(どうやって、ここから逃げ出す!?)
必死に考える。
相手は、こん棒を持った化け物。
対する俺は、攻撃力は2の雑魚。
絶望的だ。
「「き゛ゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」」
そんな俺の事情など知るはずもなく、ゴブリンは唸り声を上げながら突進してきた。
「あぁ、もう!かかってこい!!テメェらぶち殺してやるよ!」
俺も拳を握りしめ、向かってくるゴブリンめがけて駆け出した。
向野 佑磨 level.1
EXP 0 / 5
年齢:17歳
職業:魔法使い
ステータス
HP:15/15→12/15 【-3】
MP:5/10
攻撃:2
防御:3
素早さ:1
力:2
知力:2
運:12
スキル
{火}ファイア 【MP5】
ユニークスキル
縺ェ繧薙□縺薙l




