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報告

グリメルダの話しを聞き、憔悴しきった二人はとりあえず王宮の一室で休ませてもらう事となった。


それぞれの聞き取りをした皆が一部屋に集まり、そこに、アールヴも参加。


「グリメルダ嬢と仲の良かった同級生に聞いた所、落ちていたブレスレットは、本人の物と確認できました。一緒に出掛けた時に買ったので間違いないとのことでした」

「侯爵邸で働く人達は、皆何も知りませんでした。普通に休暇を楽しんでいたみたいです。

グリメルダ嬢に関して聞いたところ、小さい頃から将来王妃になる事を夢見ていた、とのこと。そのため、婚約の申し込みは沢山来るにも関わらず目もくれなかったそうです。

侯爵や奥方様はご令嬢が選ばれなかったことで、そろそろ結婚相手を決めようと話しをしていたらしい、とのことでした」

「実行犯で侯爵邸で働いている男性の話しは・・・」


男性からの聞き取りの話しは、自分の妻でありさっきイムレが聞き取りをしたメイドと同じだった。




さくらの部屋にアールヴとイムレが訪問し、今回の事件についての説明を行った。


「以上が今回の事件の真相です」


イムレが報告書に纏めたものを読み終えた。


「・・・そうだったんですね。あの、人質にされた子供はどうなったんですか?」

「すぐに見つかりました。母親の両親が侯爵領にまだ勤めておりましてそちらに連れていかれていまして、まだ刑罰が決定しておりませんので祖父母の所に預けたままですが」

「よかった」


そっか、こっちは携帯もないからすぐに連絡つかないからわからなかったんだ。


「さくら殿、望み通りになるとは言えないが、この者達をどうしたい?」

「えっ?」

「どういう処罰を望む?死刑くらいまでならできるぞ」


死刑く(・)ら(・)い(・)って・・・


「それって、本気で言ってます?」


さくらがアールヴを見ると冗談を言っているような顔ではなかったので、イムレを見てみたがイムレも冗談を言っているのではないのがわかった。


本気で言ってるよ・・・。


「今回、王宮への侵入、王妃様の名前を語った事、さくら様の誘拐、傷害、殺人未遂、これだけ揃ってますからね」


イムレが冷静に話す。


「・・・刑罰は、この国の法に従えばいいと思います。ただ個人的には、誰も亡くなってないので死刑は重いかなって、それに、あの夫婦は従わざる得ない状況だった訳だし、それにあの二人、わたしにすごく謝ってくれたんです。もし自分がその立場だったら言う事聞いてたと思います。それに、侯爵夫妻も何も知らなかったんですよね」

「そこまでひどい事されたのにか?」

「傷は時間が立てば治るので」

「そうだが・・・」


”顔にまで傷付けられたのに、まだ、傷も目立つのに”


アールヴは、そう言いかけたが、口に出すのを止めた。


「答えになってなくてごめんなさい」

「いや、そんなことは構わない。それより、動けるようになってよかった」

「こちらのお薬結構治りが早いんですね」


足の裏などを怪我していたため、ベットから出る事ができなかったがそれがよくなると普通に歩けるようになり日常生活に支障がなくなっていた。ただ、全体的に傷跡は残っておりそれが消えるまではそれなりの時間がかかる。


「この国は、薬草もそうだが大地の力を借りて育つ物については良質な物が多いからな」

「そうなんですね。そういえば、野菜とか味がしっかりしていて美味しいですよね」

「そうなのか?」

「えぇ、普段から食べなれてるからわからないんですよ」

「そうか・・・さくら殿、今何か困っている事や不都合なことはないか?」

「特にはありません。十分すぎるほどしてもらってます」

「そうか、なにかあれば遠慮しないで言ってくれ」

「はい」

「それでは、そろそろ失礼するとしよう」

「わざわざありがとうございました」


アールヴとイムレが部屋を出て行く。


「はぁ・・・」


困っている事・・・あるのはあるんだけど、言えない。


さくらが動けるようになり、部屋の窓から外に顔を出した時、外に数名の兵士が立っていた。

部屋から出ると、ドアの両端に門番のように兵士、部屋の中でも部屋から外に出掛ける時でも侍女が後ろからついて来る。

こんな事は、事件の前にはなかったことで、とても有難いのだがこんな事に慣れてないさくらにとってはとても息苦しいことなのだ。


でも、こんな事大騒ぎ起こしちゃったし、やめてほしいなんて言えないよね・・・。



王太子執務室に戻ったアールヴとイムレ。


「それで、さくら様の意見を聞いてどうされるのですか?」

「さくら殿は、あまりきつい罰は望まない。と言う事だからな」


”本当は、極刑とは言わないが重い罰を考えていたのだが・・・だが、彼女ならそう望むとどこかで思っていたような気がする・・・いや、私は彼女にそう望んでほしいと思っていたんだろうな”

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