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訪問 4

「今話したことは間違いないか?」

「はい王太子殿下様」


バンッ!


話しを聞いたアールヴは、拳を強く握りテーブルを思い切り叩く。

一瞬の静寂と共に、部屋にいた全員が驚きアールヴを見た。


「も(・)し(・)も(・)の(・)時(・)はそれなりの覚悟をしておけ」

「っ!?」

「っ!?」


使用人から話しを聞いたアールヴは、立ち上がると、冷たい視線を頭を床になすりつけるようにしたままに質問に答えていた使用人二人に向け言うと、二人は体をビクッと反応した後、全身を震えさせる。


「イムレ、この三人は王宮に連れて行きどこかに放り込んで尋問しておけ。侯爵夫妻を呼び戻し、娘のやった事を何かしら知っていなかったか調べろ。休暇をとっている使用人もだ。そしてもう一度、屋敷を隈なく捜索しろ。そして、今わかっている事を陛下に報告しろ」

「わかりました」


歩きながらイムレにこれからする事を手短に話し終えると、他の従者が乗って来た馬に乗り、侯爵邸を出てさくらを探しに出て行った。

そして、数人がアールヴの後を慌てて追いかけていった。


イムレはアールヴの指示に従い事を進める。

領地に帰っている侯爵夫妻を連れてくるため一緒に来ていた三人をすぐに送り出し、屋敷の捜索のためと、グリメルダと使用人二人を運ぶため王宮に人を要請する。


「グリメルダ嬢はまだ根が覚めないのか?」

「はい」

「起きた時暴れられても困るから、縛っておけ」

「わかりました」


”まさか、貴族の令嬢を縛ることになるとは思わなかったな。顔だけみればまだ子供の部分が残ってるのに、こんな事をするなんて”


イムレに言われ、同行していた騎士がグリメルダを縛りながら思う。


「お前たち二人も縛らせてもらう」

「はい」

「はい。あの、私達はどうなるんでしょうか?」


イムレは、この二人が逃げる意志など無いのはわかっているが使用人の手を縛る。


「どうなるかは私に聞いてもわからないことだ、それを決めるのは私ではないからな。だが、どんな事情があるにせよ、やったことがどういう事なのかは理解できているだろう」

「・・・」

「・・・」


”さくら様に最悪の事があればどうなるかは想像できるがな・・・”


イムレの言葉に何も言えずうつむき、二人とも静かに涙を流し、諦めと後悔、やるせない気持ちでいっぱいになる。


邸宅の外には、騒ぎに気付いた市民が集まり出し騒ぎになっていた。

侯爵邸に王室の馬車が来たと思ったら、アールヴが街の中を全力で馬で走り抜け、王宮からそれなりの人数の人間が侯爵邸にやってくる、そんな事が二時間弱の間に起れば誰でも不信に思うのは当然の事だ。


「すごい騒ぎだな」

「どうします?」

「何もしなくていいだろう。事が片付いていない以上、下手に何もしないことだな」

「そうですね。でも、殿下があんなに怒ったのを見たのは初めてですよ」

「私も初めてだ」

「イムレ殿もですか。殿下を本気で怒らせてはいけない、と思いましたよ」

「元々怒る所を見ること自体珍しいような気がするけどな」

「それもそうですね。それだけさくら様が大事なんですね」

「そうだな」

「でも、殿下は女性に興味がないとまで思われていた事もあったのに」

「そういえば、そんな噂話し昔聞いた気がするな」


”殿下は全く恋愛に興味なかったからな・・・”


「イムレ様、準備が出来ました」

「では、出発」


イムレは国王に説明するため、護送されるグリメルダと使用人を乗せた馬車と一緒に王宮へ出発した。

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