表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

002 フレイズとユウマ


「くそっ……」


ラフィール王国騎士団イアーナ隊を率いる女性、フレイズ・イアーナが小さく呟く。

辺りには48の死体と、フレイズを含めた2人の負傷者。今、彼女の部隊は全滅寸前を迎えていた。


「化け物め……」


フレイズ隊は王国騎士団の中でも精鋭の部隊で、その位は準Aクラスとされている。つまり、戦闘特化の武力行使を得意としているのだ。


しかし、いまその武力で敗北し、多数の騎士が馬と共に地に伏している。


たった1匹の魔物によって。


生き残っているのはフレイズと、先日フレイズ隊に配属されたばかりの新米騎士、ユウマ・シェルイーゼの2人。

魔物に目立つ外傷はなく、騎士の死体を貪り喰っている。


「ユウマ、動けるか?」


「はい……なんとか」


一応の現状、2人の戦闘力に支障はない。しかしこの2人であの魔物を撃破するのは不可能だろう。正面から戦えば、敗戦全滅は避けられない。


「ユウマ、今から私がヤツを惹き付ける。その間に、君は逃げるんだ」


「隊長……」


「大丈夫。君が跨がっている馬は我ら騎士団の優秀なサラブレッドなんだ。必ず逃げ切ることができる」


フレイズは腰に差した剣を抜き、魔物に向けて構えた。距離はおよそ20メートル。この馬なら10秒足らずでその至近距離まで接近できる。フレイズは手綱を今一度しっかりと握り直した。


「駄目です!隊長が退いてください!僕よりも騎士団が必要としているのはあなたです!」


ユウマは必死で叫び、フレイズに撤退を促すが、彼女はその制止を振りきり、手綱を軽く馬の首へ当てる。

馬はそれを合図に、魔物へ向けて蹄を蹴り上げ走り出した。フレイズは僅かに横を向き、後方に声が通るよう大きく息を吸い込む。


「心配するな!必ず生きて帰るから!」


それだけ言うとフレイズは、巨大な猪の姿をした魔物に向き直り雄叫びと共に死地へ赴いた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ