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Wanna Be!-ラノベ作家になりたい人たちの話-  作者: 設楽 素敵
第六章 この執筆が終わったら定山渓へ行こう
22/24

5

 金曜、週末。

 初稿が終了次第、原稿を寝かすために日数を開ける通常のやり方を取っている余裕はない。というわけで三十分だけ仮眠して、もうすぐに改稿に入った。

 どちらかと言えば作業ゲーな校正から手をつける。簡単に言えば誤字脱字、誤った表現を正す作業で、一ページ目から見直していき、見つけ次第書き換える。

 早くデビューしてプロの校正者さんに委託したい……苦痛だ……。知識量豊富なプロフェッショナルに見てもらいたい……。あと誤解を招く前にあらかじめ言っておくと、校正が作業ゲーなのは俺に知識がないからだ。

 知識が豊富で、誤りを見抜く眼が肥えている人にとってはさぞかし面白い工程で、代替表現の提案にもものすごぉく頭を使うんだろう。

 学がないのはやっぱり不便だ。

 だからと言って学校で学ぶことが小説の役に立つとは思わない。

 規則正しく生活させようと、役立つのか分からん勉強させようと強制してくる学校の存在は邪魔でしかない。

 厨二思考と言われても構わない。本心からそう思っているんだから。俺はね。

 114枚分の校正を一晩で片付けるのは難しく、早朝五時にギブアップして机で眠る。

 八時に起きて、「連続欠席のあとは遅刻かぁ」と寝癖を弄りながらのんびり支度した。

「ちょっと遅くない?」

「休みだったのか、母さん」

 この時間に寝間着姿ってことは、そうなんだろう。くっそ、いなけりゃサボれたのに。

 朝の連続テレビ小説が流れるリビングでもしゃもしゃイチゴジャムを塗りたくった食パン(トーストはしない。焦げがまずいから)を生で食す。だらだら眺めていても母親は何も言ってこない。

 何故かと言うとこの人は昨年度欠席数11日の俺を凌ぐ不真面目ちゃんだったといい、学校は基本週四ペース。体育祭はもちろん欠席、学校祭は本番だけ客として見に行く。そんなだったから多少のサボタージュには目を瞑ってくれるのだ。全くいい母親だぜ。

「あ、チャイム鳴った」

「行ってらっしゃい」

 八時四十分過ぎ、家を出る。登校時間は八時四十分までなので玄関で靴を履き替えている間に遅刻が確定した。もう急ぐ必要はない。そもそも急いでないけど。

 徒歩でおよそ五分の道のりを電波ソングを口ずさみながら歩いて行った。



《本日の遅刻者 患井・舞働》

「か……神子? 遅刻してんの?」

 一時間目が始まる前に教室に着いてすぐ、黒板に記されていた神子の名に気付く。

「ええ、体調不良で病院へ寄ってくるそうです」

 俺の机に顎を乗せながら心配そうに息を吐いたのは瑠璃兎。本名は凪原ミケウリール。

 ……なんでわざわざ書いたかって? 俺が忘れかけてたからだよ。

「病院寄ってからわざわざ……皆勤賞がそんなに大事かぁ?」

「一年生の頃からですか?」

「二年だけじゃなくてそうだ、一年の頃からだ」

「あちゃー、では残念ですね。今日の遅刻で皆勤賞から精勤賞へとランクダウンしてしまいましたです」

「それでも俺たちに比べたら偉いよ。学校に対する姿勢で雲泥の差があるよ」

 片や平気で学校を休み、片や病院に寄ってからでも学校へ通う。

 高校へ通う金も親が出しているという意識を持っている今時稀有なお子さんだね。親御さんはいい娘さんを持った。

「ところで、原稿の進みは如何ですか?」

「よくぞ聞いてくれた、昨晩ついに終わったぜ」

「おぉー、それはおめでとうございます!」

 ぱちぱちぱちぱちー。力が弱いせいで魚が漁船の上で跳ねるような拍手の音だった。

「ちゃーんと王道テイストになりましたか?」

「王道テイストにしたつもりではいる。誰かに読んでもらうまでは断言できない」

「神子さんに読んでもらわなきゃですね!」

「うんうん、いつも悪いな駄文読ませちゃってってこら!」

「ラノベのノリツッコミはヒロインの『ふぇぇ』並みに痛いですよ。死語扱いですよ。あとノリツッコミに対する『痛いですよ』のツッコミですら痛いですよ近頃は」

「定番ノリがどんどん痛い子扱いされていくの世知辛いなぁ」

 流行りが廃っていくみたいで悲しいなぁ。ワナビの世界も諸行無常なり……。

「……つーかお前も事情知ってんならそうやって軽口叩くなよ」

「引きずり過ぎじゃありません? 過去の失恋を自虐できるくらいでないと男の価値は上がりませんよ?」

「そういう話してんじゃねえ。論点と話題をズラそうとするな」

「いやいや、それにしても引きずり過ぎですって。マジでフラれたの? って聞きたくなるくらいです。いい加減仲直りしてくださいよー」

「それを今君とより……謳歌先輩で話し合ってくれているんじゃないのか」

「しまりました」

「またそれか!」

「まあ大丈夫ですって、練ってます。練ってますから」

「……心配だけど信じるしかないし……」

「行き当たりばったりでなんとかしてみせますから」

「もうちょっと真剣に取り組んでくれ!」

 改稿が終わったら俺も真剣に向き合うから。

 二時間余りが経過した三時間目の直前、明らかに風邪の悪化した神子が本当に登校してきて度肝を抜かれる。「もっとひどくなってんじゃねえか、休めよ」「……精勤賞は死んでも取る」……会話これだけ。取り返しつかなくなるぞ、俺よ。



 初稿終盤くらいから沸々と沸き始めていたある感情が地道な校正作業中に、ついに臨界点に到達した。

「新作書きたい新作書かせろ新作書いていい?」

『なぁ頼むよぉ、先っちょだけだから』と同人誌に出てくるような押しに弱い女性に対して下心満載に囁く下衆男のようにディスプレイに聞いてみる。返事はない。当たり前。

 長い間一つの作品と付き合っていく体力が俺にはない。

 一本書き終わったら全く別の作品へ移行し、書いて書き上げて、応募しての繰り返し。

 一つの作品に心血を注ぐ職人タイプとは程遠く、応募だって出したらそれっきり。改稿して使い回しもしない。完全無欠の粗悪乱造なのだ。

「新作書きてえ……書きてえけど」

 普段は最小化されたタスクが並んでいるはずのディスプレイの下部には昨日から空白が広がっている。またデスクトップからも無差別に全てのアイコンが失われた。

 新作欲求やネットサーフィン欲求を断ち切るためにエクスプローラーを停止させた。これでも開こうと思えば開ける。しかしながら面倒が伴う。

 タスクマネージャーを開いて新しいタスクを選んで開きたい対象の文字を打ち込んで参照して……ワンクリックでブラウザが開く快適さを身にしみて実感する。集中的に作業したい人にオススメ。詳しくはWebで。

 てっぺんを回って全体の約八割まで校正が進んだ。時折目の下がぷるぷるぷるっと微細に痙攣する。何時間にも渡ってディスプレイを凝視していたせいで眼精疲労もいい感じに溜まってきている。目薬は自分で差せないから解決法にはならない。

 なので、俺が使える解決法はただ一つ。

「寝」

 る、と言い切る前にパソコンを閉じてベッドに飛び込んで目を瞑る。短時間睡眠で疲労と集中力を回復させる。目覚ましはセットしない。どうせこの忙しない精神状況では熟睡できない。

 …………やっぱセットしとこ。

 かっこつける相手皆無、スマホのアラーム機能とデジタル目覚ましのアラーム機能両方ともこのあと三時に設定して眠った。

 そしてむくりと目覚ましが鳴る五分前に起床して、仕事をさせなかったアラームに勝ち誇りながら設定を解除し、校正再開。

「ふぅぉぉぉ……」

 短時間睡眠の威力、絶大なり。

 目の下の痙攣も収まり、集中力も幾分マシになっているようだ。ブラシーボ効果の影響もあるのかね。何はともあれ好調だ。

 今日はもう校正が終わるまで寝ない。

 あるいは校正が終わっても寝ない。やることはまだまだある。

「こいつこんな口調でよかったっけ?」

 久し振りに出てきた敵キャラの喋り方に戸惑う。

 ヒロインの口調が初期と中盤以降で全く違うなんてよくあることだ。調子づいて「~わさ」「~ですの」「~なんだにゃ」と言わせていた初期の自分の頭を本気で疑うのなんて日常茶飯事だね。後々強制させるのはこっちなんだから余計なことしないでほしい。

 何度見ても盛り上がりに欠ける山場に校正作業中の今はまだ目を瞑る。

 それはそうと後半は意外と誤字が少ないので助かる。

 前半は後半との感覚のズレもあって文体自体の訂正もするし、何より細かいミスが多い。でも内容自体は好きだ。改稿でもここだけは変えないでおこうと思うのは一章、二章が群を抜いて多い。逆に変えたくなるのは中盤、三章から四章にかけて。起承転結の承にあたる部分。書いた当時は面白いと思っていたギャグや、我ながら巧みと思っていた言い回しも色褪せて見える。

 午前四時半、校正の第一回目終了。もう一度読み直し、見落としがないか確認する。あった。一ページ目からあった。杜撰な仕事振りに溜息が出る。

 そんな感じで二回目の校正は思いの外時間を要し、終わったのは朝のニュース番組の占いが軒並み十二位の発表をしている頃、八時の一分前くらい。あ、でも今日土曜だ。やってないか? 土曜の朝はいつも寝ているので何を放映しているか知らない。

「推敲の時間だぁぁぁ……」

 校正三週目? それは推敲が終わってからだ。

 机に突っ伏してまたも痙攣し出した目にぎゅっと力を込めて瞼を閉じる。結局寝ちゃう。

「ちょっとアンタ学校から電話きたんだけど?」

「はいっ!?」

 眠りへの導入期、下から聞こえた母親の大声に起こされる。

「土曜だから休みだろ、何言ってんだ!?」

 部屋を出て下に向かって言う。

「今日授業ある日だって。言われてみれば月一の午前授業、今日じゃない?」

「……やっべ。サボっちゃダメ?」

「今週二日休んだからダメ。行事もないのに」

 学生時代の自分ルールで息子まで縛るうちの母親だった。

 ……学校で寝よう。



「あら、素敵な隈」

 遅刻して登校してくると、一時間目の授業に備えて移動中だったよりは先輩と鉢合わせになる。

「大方、今日が休みだと思って徹夜作業してたら学校が電話がきて、ってとこかしら?」

「満点だぜ先輩……校正終わりましたよ」

「ということはついに推敲ね。大幅な改変ね」

「ええ、山場に大きな問題を抱えているもんで……」

 アドバイスが必要になったら呼んでね、と台詞自体は優しく、言い方は上から目線で嫌な感じにそう残して去っていった。

「あー……体調わりぃ」

 教室に入るなり瑠璃兎に訴える。ざーとらしく肩を竦めて呆れられた。

「ここんとこ遅刻しかしてませんね。時間にルーズ芸人出れますよ」

「うわっ、ありそう」

「十中八九盛り上がらないでしょう。鍵を握るのはメンバー選考です」

「じゃあ俺は出演辞退するよ。そしてこれはなんの話だ」

「いつもの脱線じゃないですか?」

 ああそっかそれだ。脱線大好きだもんな俺たち。

「そうそう校正終わったんだよ。帰ったら推敲だ」

「頑張ってください。アドバイスが欲しかったら遠慮なく神子さんへ」

「またかよ」

 お兄さん、そのテンドンには感心しないな。

 もうちょっとふざけ合っていたかった気持ちを吹き飛ばすような無情なチャイムが鳴り響く。一時間目から化学。間違いなく俺を殺しにかかっている。

 起立で椅子から立って、そのとき黒板の《遅刻者 患井・舞働》が見える。またこのコンビか。そして遅刻者ってことはまた遅れてくるんだな、あいつ。

「……ようやるわほんまに」

 道民が関西弁を使う違和感。

 眠気を誘う一時間目の途中、神子、登校。昨日見たよりは調子が良さそうだ。歩き方に軸が戻っているというか、動作に機敏さが戻っていた。授業中に挨拶もおかしい話なので無視。

 ……神子の体調が全快したら。

 校正を終え最後の推敲に入ったことで、俺の中にそんな思いが芽生え始めていた。

 俺の原稿が終わり、神子の体調も全快する。そんな絶好のタイミングを狙い、頭を提げよう。

 こないだは勝手に書き始めて悪かった。

 でもまた別に新しく書き始めた新作はお前がずっと俺に勧めていた王道だ。是非読んでみて欲しい。そしてまた、これからも助役を頼みたい。

 俺専属の編集者のお前に、面倒を見て欲しい。

「……なんかプロポーズだなこれは」

 恥ずかしいしやめておこう。俺たちにそんなのは似合わないし、馬鹿にされて笑われておしまいだと思う。まあそれも推敲が終わればの話だ……。

 

 ――ガタンッ。


 右隣から鈍い音が響く。

 神子が椅子から横倒れになって地面に転がっていた。

「か、神子さん!?」

 俺よりも先に瑠璃兎が咄嗟に動いて神子の下へ駆け寄る。教室中が騒然とした。

「神子さん、大丈夫ですか……って熱っ!」

「ど、どけミケ! ちょっと貸せ!」

 神子をモノ扱いしたのはこの状況下では不問とする。床にこのまま寝かせておくわけにも行かず、腕で頭を抱き起こした。

「お、おい、意識はあるか!?」

「…………」

 無言でこくり、こくりと二回小さく頷く。

 体中が熱を持っているのは言うまでもなく、外れかかったマスクを揺らす吐息は病的に熱く、頬はリンゴ病を彷彿とさせるような赤に染まり、薄く開いた瞳はどこを捉えているのか焦点が揺らめいているように見える。

 医者に連れて行くまでもない体調不良だ。

「わ、患井、保健室まで運んでやれ!」

 焦り気味の化学教師、言われるまでもない。

「はい!」

「患井さん私も一緒に!」

 パニック状態に陥った教室から神子をおぶって瑠璃兎と抜け出す。三階から一階、階段が鬼門だったけれど瑠璃兎が支えてくれていたので難なく且つスムーズに降りることができた。そして保健室に着き、瑠璃兎と保健の先生の手を借りて神子をベットに寝かせた。

「久々の急患ね……うん、早退させましょう」

 こうして神子の早退が決まった。



「相当無理してたみたいですね」

「精勤賞がそんなに欲しいかねぇ」

 一度教室へ戻って、また荷物やらを運びに保健室へ行ったその帰り。サボりがてらとぼとぼと肩を落として廊下を歩いていた。

「神子さんって昔からあんな大真面目さんだったのですか?」

「大真面目ってほどでもないな……ああでも出席にはすげー気ぃ遣ってた」

「あ、そうなんですか。じゃあもうそういう性格なんだってことで処理するしかありませんね。全く、人間たまに休まなきゃ壊れちゃいますよ」

「中学は年一くらいで休んでた気がすっけどな。あとたまに授業中寝てるぞ」

「え、そーでしたっけ?」

「だから大真面目ってほどでもないって言ったんだ」

 息抜きなら適度にしていると思うんだ。

「性格もあるけどあいつんち厳しいから出席だけは稼ぐようにしてんだろうな」

 神子んちの母ちゃんは真面目だぞー、うちの母ちゃんとは正反対だぞー。それとその二人が同じ女子高の同級生だったことも教えておくぞー。

「そんなことより患井さん!」

「わっ、はいなんでしょう!?」

 回り道、回り道で時間稼ぎしてきたがいよいよ教室に辿り着こうかというとき、そんな風に瑠璃兎が声を上げる。ビビる。心臓に、悪い。

「神子さん、帰っちゃいましたね!」

「あ、ああそうだな」

「大変ですね!」

「まあな、大変だし辛いだろうな」

「辛い病人が一番喜ぶものってなんだと思います!?」

「ん? クイズ? あー……」

 なんだ。果物か、安寧の一時か。

 答えを聞く前に瑠璃兎は教室のドアに手を掛けて教室に入る。

 え、ちょっと、何もなし?

 そう思ったら言い忘れたことがありました、みたいに首だけひょこっと出して、にんまりと含みのありそうな綻んだ表情をした。

「伏線は張りましたよ! 乞うご期待!」

 ……なんの?

 しかしこれにも、答えてくれる人はいない。



 昼休み、購買の隅でよりは先輩と瑠璃兎が話し込んでいるところに出くわす。ワナビトークかな? と気軽に声を、

「気安く話掛けないで下さい!」

「立場を弁えなさい、しっし!」

 ……声を掛けたら恥を掻いた。

 そのときはガールズトークに口を挟んだ俺が悪いのか、と重い大人しく引き下がった。

 が。

「(絶対なんかあるよな、あれ……)

 少し時間があって疑念を抱く。

 そう、あれはきっと、秘め事とか隠し事とか、そういう類だ。



 そして予感は的中する。

 帰りがけに玄関で瑠璃兎に捕まった。

「すみません、これから神子さんのお家へ行ってくれませんか?」

 言いながら学校名の入った角型二号の封筒を鞄から取り出す。

「教室を出るときに先生から預かって、神子さんのお家へ届けろと仰せつかったのですがこのあと私急用が入ってしまいまして」

「急用ってなんだよ」

「……お、大通り35番出口」

「なるほど、分かった。ってなると思うか?」

 目ぇ逸らしながら言いやがって。嘘丸出しじゃねえか。

 俺の手に握らそうとしていた封筒を微力に払って、

「何を企んでんのか知らないけど今日も推敲で忙しいんだ、お前が」

「チャンスをあげるって言ってるのに分からないの?」

 VIPルームから出てきてやりましたというような高貴なオーラを纏いながら、瑠璃兎の背後からよりは先輩が現れる。

「チャンス? チャンスって……」

「言わなくても分かるわよね。状況は揃い踏みしてるんですもの。まるで王道ラブコメみたいな、ね」

「仲違いした幼馴染の早退、代わりに封筒届ける……」

「このあとの展開は言わなくても」

「まさか神子の体調不良もこのための嘘だった!?」

「待って待って待ってそれは誤解よそれだけは誤解よ」

「クソが許せん!」

 心配したってのに、あんな倒れ方するから接しにくさも棚に上げて心底心配したっていうのに!

 俺は瑠璃兎から封筒を奪い取るようにして、

「あの性格の悪い糞女を説教してきます!」

「落ち着いてこのまま行くと確実に事故が」

「行ってきます!」

 疾風の如き速度で疾走、高校の敷地内から離脱した。

「……かたる君大丈夫なのあれ?」

「大丈夫だと思いますです。こういうベタも必要ですよ」

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