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後篇

 「では、男性の方達も呼んで来てよろしいでしょうか?」と言う仮面を付けたウエイターさんからそう言われましたので、「大丈夫ですよ?」と私達3人(『いなり』さんは相変わらず私の膝枕に乗ったまま)はそう答えていました。


「では、呼んできますのでお待ちください」


 仮面を付けたウエイターさん(顔が分からないけれども多分イケメンさん)に言われて待っていると、仮面を付けた男性陣がウエイターに促されるようにして入って来る。けれども、その入って来た人達を見て、私は心の中で疑問視の声をあげる。


(あれー……。可笑しいなー)


 私は入って来た男性陣を見て驚いていた。イケメンだから驚いたんじゃなくて、どう見ても可笑しいと思ったからである。

 まず入って来たのは黒いマントに牙を生やしたイケメン。顔は好みなんだけれども血の匂いがして、まるでドラキュラみたい……。着けている仮面も吸血鬼を思わせる仮面だし、ニックネームも『バンパイア』って……ネタじゃないよね? 本当にネタじゃないよね?

 次に入って来たのは何故か顔を2つ持つ犬。あ、あれってもしかしてケルベロスの親戚か何かなんだろうかな? とりあえず人間でない事は確かだけれども。ニックネームが『わんこ』と言う事も気になると言えば気になります。

 最後に入って来たのは、まぁ、他の2人と比べたら人間と呼べるでしょう。和服の服装も男らしいと言えば男らしいですし、それに天狗の仮面もセンスが良いと言えば良いですね。ただ、ニックネームの『天狗様』と言うのは呼びたくないですけれども。


「では、仮面合コンを楽しんでくださいね」


 と、そう言ってウエイターさん(やっぱり一番良い男はこの男に違いない!)は出て行ってしまった。あぁ、あの人となら結ばれても良かったのに……。


「おい、そこの!」

「「何故ここに……」」


 と、そんな風にウエイターさんとの別れを惜しんでいると、『天狗様』さんの口から、そして『わんこ』さんの2つの犬の顔の口からそう上からの口調でそう聞いて来る。


「なんですか、そんな風に上から目線でいきなり話しかけて来るなんてさ。ここは仮面を付けての合コンですよ? もっと仲良くしようと言う魂胆が分からないんですか、あなた方は」

「「「うっ……」」」


 私がそう言うと、『天狗様』さんと『わんこ』さんが揃ってそうだなと頷いていた。そうそう、ちゃんと合コンをしましょうね。もうあなた方でも良いですからちゃんと私の合コン相手を果たしてくださいよ?


「ふっ。まぁ、良いか。おい、そこの女。良い啖呵(たんか)だな。この『バンパイア』様と喋る権限を……」


「そんな上から目線を止めてくれと言っているんですが。そこの『バンパイア』さんはそんな事も分からないんですかね?」


「うっ……。し、しかしだな」


 ……今日の合コンは外れですね。私はそう言って、「今日は外れですね」と言ってそのまま帰りました。

--------


「じゃあ、悠ちゃん。そのまま帰ったの?」


 会社に着くと岸佐鳥ちゃんにそう攻められた。まだ何も言っていないのにどうして分かったんだろう?


「まぁ、良い男が居ないと言うか、何というかね。女性陣の方も微妙で、男性陣も1人犬だったし……」


「い!? も、もしかして顔が3つあったとか?」


「いや、2つだったけど。あれはどう言う特殊メイクなんでしょうね~、佐取ちゃん」


 それに対して、佐取ちゃんは「何故、オルトロスが? いや、最近、人外の仮面合コンがあるって噂があったけど、まさかそこに……?」と何か言い出してる。


 そして、ガシッと私の肩を掴んで、


「悠ちゃん。くれぐれもその子たちまで下僕にしないでね……」


 と言われた。何の事か、さっぱりである。

人物紹介

・鵜飼悠……人間。24歳のOL。巨乳で美形だが、説教癖があるために結婚に至っていない。何故か厄介な者に懐かれやすい。

・岸佐鳥……悠の心友で、心を読む覚と言う妖怪。悠の事が大好きだが、想いに関しては若干引いている。

・『せーれー』……水の大精霊。クール。

・『いなり』……9本の尻尾を持つ妖狐。悠に懐いてしまった。本名は紅葉姫。

・『バンパイア』……吸血鬼。若干、中二的。

・『天狗様』……天狗。調子に乗って、悠に叱られる。

・『わんこ』……地獄の番犬オルトロス。悠の説教(調教)が気持ち良かったらしい(本人談)

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