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友達なだけに知ってる正体

「秋、大丈夫なのか?」

教室から出ると、蓮と光は追いかけてくる。

「調子に乗りすぎてごめんね。もし手伝って欲しいなら本当に手伝うから」

秋はそんな二人を見て頼もしく思う。

「皆に言いふらさないでくれる?」

秋の問いに二人は頷く。

すると、秋は一目惚れした時の事を話し出す。

それは一週間前の出来事だった。

「まさか先生に捕まるなんて、ついてないな…」

おしゃべり好きの担任に散々相手にされ、帰宅部なのにいつもより少し遅くなった日の事だった。

その日は蓮は部活で、友達の少ない秋は一人でとぼとぼ駐輪所に向かっていた。

駐輪所に着くとかちりと鍵を嵌め、鞄をカゴに入れる。

「ねぇ、態々直前にしなくても良くない?」

女生徒の声が聞こえるが、その言葉の返事は聞こえない。

只答えなかったのか、声が小さかったのか、今ではわからない。

少しして誰が喋っているのか見ようとした時、そこには誰も居なかった。

秋は諦め、自転車を出す。

その時だ、黒い高級車が裏門に止まる。

すると、建物の影から美少女が現れたのだ。

彼女は秋に気づく事も無く、一人で高級車に乗る。

そしてその高級車は彼女を乗せて去っていった。

「あれ、蓮の友達の…桃園くん!何してるの?」

呆然としていると、蓮の友人が声をかけてくる。

「瀬尾さん、いや、何も…」

「そう?」

光はそれだけ返すと去っていった。

「瀬尾、出てきたな。何か知らないか?」

全くわからない蓮は、光に問う。

「あの日は…」

光は思い返す。

「ねぇ、その子黒い高級車に乗ったの?」

「うん」

「それがどうした?」

「それって…」

「心当たりが?」

蓮の問いに、秋は瞳をキラキラさせる。

「うーん…」

光は曖昧に返す。

光は何とかはぐらかし、保留にしたのだった。

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