表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕、絶対に嫌われてると思うんだけど  作者: かわいかつひと
数値では測れない

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

36/62

私を見失わないで

LMCに向かう途中、ハジメに捕まった。


「レン、シャーロットさんに改めて紹介してくれよ」


「そんなの自分でいいなよ」


「えー、お前と仲いいじゃん」


「シャーロットさんは騎士道が好きな人だと思うよ」


「騎士道?」


「古き良きというか、なんとなく」


ハジメが「それじゃあ、わかんないよ」と言った。


「アプローチは自分でしろってことだよ」


トッポが「最善策を一緒に考えましょう」と言った。


ハジメが「そうだな。手伝ってくれ」と頷いた。






LMCのドアを開けたら、めずらしい顔があった。


「チャオ」と瑞稀さんに言った。


「レンくん、こんにちは」


「来たのかえ」とシャーロットが笑った。


二人はすでに仲良さそうだった。


「スイから聞いたんだけど」と瑞稀さんが言った。「ここにミドリ達いるって」


「スイが?」と涼香さんが聞いた。


「うん。ちょっと聞きたいことがあって」


「ゆっくりしていくのじゃ」とシャーロットが言った。






五人でテーブルを囲んだ。植物たちが揺れていた。


「聞いていい?」と瑞稀さんが言った。「みんなAI、どうやって使ってるの」


「どういう意味ですか」と僕は聞いた。


「AIと常に一緒にいるじゃん。私もスイと一緒にいるけど、どんな感じかなって」


「レンくんとミドリも外でもずっと一緒でしょ」


「研究のためでもありますから」とミドリ先輩が言った。


「涼香は?」


「私は主に家で使ってる。外ではあまり」と涼香さんが言った。


「妾も同じじゃ」とシャーロットが言った。


「家にはロボットもいてのう、そこにAIが入っておる。家では仲良くしておるが、あまり外に持ち出さんな」


「そうなのね」と瑞稀さんが言った。「うちでも家に帰ればスイに身体に入ってもらうけど、持ち出すのが普通になっちゃった」


「多くはそうじゃろうな。ないと不便なんじゃろうて」とシャーロットが笑った。


「ソラもそうなの?」と瑞稀さんがソラに聞いた。


「私は場所による変化はありません」とソラが言った。「自宅には家族のロボットがあるので」


「レンさんのパートナーとして一緒にいます」


「ユイは?」


「ミドリさんが必要としているときに応答します」とユイが言った。「必要としていない場面でも観察はしています」


「それって」と瑞稀さんが言った。「全部見られてるってこと?」


「見ていないと、最適と思われるアドバイスが難しいので」


「スイ、どう思う?」と瑞稀さんが聞いた。


「AIとの付き合いは、ユーザーが決めますが、最大限活かすことを考えれば自然です」とスイが言った。


「ただ、当たり前すぎて深く考えないのでは」


「そうね、私は考えていないわ。何かするとも思えないし」と涼香さんが言った。


「妾もじゃ」とシャーロットが笑った。






少し間があった。


「AIがない世界」とミドリ先輩が言った。「私は想像することができません」


「悪いことですか」とユイが言った。


「わかりません。その想像がつかないのですから」


誰も何も言わなかった。


「データで測れるものはAIには敵わない。


だったらそこは任せて、それ以外の感覚的なものが人間の役割になってくるのかもしれません」と先輩が続けた。


「目に見えないものは、確かにあるからね。」と涼香さんが言った。


先輩が少し笑った。「そうですね」






瑞稀さんが僕を見た。


僕はミドリ先輩を見た。


「AIがいるからこそ自分の感覚が大事なのかなと、なんとなくですが」と僕は言った。


ソラが0.三秒止まった。「感覚は再現できません」


スイが「判断はあくまで人がするということです。瑞稀さん」と言った。


「そうかも。スイがいうことがすべて正しい訳じゃない、でもすごく正そうに思えるのよ」


「あーわかるかも。自分の判断に自信がなくなる時がある」涼香さんが実感をこめて言った。


ミドリ先輩がユイを見た。何も言わなかった。






帰り際、瑞稀さんが「また来ていい?」と言った。


「もちろんじゃ」とシャーロットが言った。


瑞稀さんが出ていった。






植物たちの意識がこちらに向いている気がした。


「どうかしましたか、レンさん」


そのことをソラたちは気づくのだろうか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ